新人に求められる「想像力」とは?
御社の新人には「想像力」はありますか?この問いに対して、皆さんはどのようなお答えが頭に浮かびましたでしょうか。
ここでいう「想像力」とは、一般的な「クリエイティブ」のことではありません。
周囲や相手の状況を踏まえ、自分が何をすべきか、どうすれば貢献できるのかを考える、ということです。
上司は何故この仕事を指示したのか、この仕事は何のためにするのか、お客様や関係部署からの期待は何か、「自分は何を求められているのか」
これらの問いはインターネットで検索をしても正解はありません。その問いに対して自分の頭で考える、つまり、想像することがビジネスパーソンの仕事の「土台」であり、最も重要なスキルだと言えるのではないでしょうか。この想像力を身に付けるためには「もし私が相手の立場だったとしたら」という思考を巡らせなければなりません。相手の立場になって想像する、それはお客様、上司や同僚、関係部署や協力会社など様々な方と対峙をしていく中で必要な心構えの一つと言えます。
入社時には差のなかった新入社員のビジネススキル。いつの間にか「仕事がデキル人」と「残念な人」に分かれてしまう現実があります。このスキル格差が生じるキーポイントは「相手本位」です。「相手本位マインドの重要性」を徹底的にお伝えし、導入研修期間の間に、新入社員にスキルの土台をつくることこそが重要です。
最近の新人の傾向
時代の移り変わりとともに新入社員の特徴も少しづつ変わってきています。
ここで研修講師や企業の人材開発ご担当者様、さらには当の新入社員ご本人と話をする中で見えてきた、最近の新入社員の3大傾向をご紹介します。
1. オンライン慣れ
学生時代から授業、就職活動とオンラインをフル活用してきた世代なので、ツール操作等は非常に慣れています。画面共有しながら議事録を取ることはもちろん、新しいツールの導入にもスムーズに対応するなど、オンライン上で効率的に作業を進めることに対して長けています。一方で、学生時代と入社後が同じオンライン環境であるために、学校の授業との切り替えができず、社会人になっても緊張感が希薄な新人が多くみられるのも事実です。そのため、例年よりも特にマインドセットに注力をする必要があります。
2. 空気の読み過ぎ
コロナ禍、授業がオンラインに切り替わったことで、リアルな人間関係の重要性を改めて実感したことが要因と考えられます。オンラインで流暢にコミュニケーションを取ることに慣れている一方で、なるべく同調したり“目立たない”ようにしたりすることにも慣れてしまっています。波風を立てぬようコミュニケーションを交わし、言いたいことは気心知れた一部の友人にのみ明かす、といった人間関係で育ってきた世代といえるでしょう。
3. 模範解答探しの呪縛
彼らは模範解答を無意識に求める性質を持っています。表面的な「模範解答」「正解」を求めてしまい、自分で深く考える意欲は乏しい印象です。また、周囲と意見が同じであるか、自分は間違っていないかを確認して安心する傾向があります。正解のない問いに対しても粘り強く向き合い、分からないなりに自分で考えて答えを出す癖を付けることが重要です。
想像力の欠如がもたらすもの
このような傾向がある新人が冒頭に申し上げた「想像力=相手本位で考える」ことができない場合、どのようなことが起こりうるのでしょうか。代表的な例をご紹介します。
1. 上司からの指示がないと動けない
上司からの指示を忠実にこなして得た結果は当たり前の成果です。
まして、指示内容を「目的」ではなく「作業」でとらえると、どうでしょうか。上司や先輩の指示がいつも的確である保証はありません。指示の目的を考えず、言われたことしかできない社員ばかりになると、会社単位で生産性が落ちてしまいます。
2. 自分の物差しだけで判断してしまう
相手本位で考えることをせず、「自分が良ければ問題ない」という社員ばかりの会社に洋々とした未来はありません。組織への貢献や助け合いといった意識が希薄となり、チームワークによる相乗効果が発揮されなくなってしまいます。さらには社員が自分の権利ばかりを主張する組織となり、結果的に「ぶら下がり社員」だらけになってしまうかもしれません。
3. 仕事の全体感がない
お客様への価値提供に自分の業務がどのように関わっているか。これが意識できているといないとでは、成果物の質に大きな差が生じます。
業務の目的や全体の流れ、後工程の作業方法などを把握しようとしない社員は、自分の仕事を点でしか捉えられず、お客様やチームの生産性を下げ、提供するサービスの質も落ちてしまいます。また、業務に拡がりが感じられず達成感も狭小な範囲に留まるため、次第にモチベーションを保てなくなってしまいます。
想像力を身に付けさせる3ステップ
それでは新人が「想像力」を身に付けるにはどのすればよいのでしょうか。ここでは3つのステップをご紹介します。
ステップ1 多様性の認識と理解
学生時代は似た環境の仲間と人間関係を構築してきました。しかし、社会に出ると「自分とは違う」価値観や考え方を持ったお客様や上司、先輩とビジネスをすることになります。まずは自分の当たり前と他人の当たり前が違うということを認識することがファーストステップです。
ステップ2 相手の立場からイメージする想像力
相手の立場になって考えるには、多様性の理解と認識を踏まえることが求められます。上司やお客様から何を期待されているのか、上司やお客様の視点に立ったときに、自分はどのように見えているのか、想像力を働かせることがセカンドステップです。
ステップ3 相手に対しての貢献意識
ビジネスは、相手の期待に応えて価値を提供し、報酬を得ることによって成り立ちます。
まずは相手を理解し、自分に期待されていることを想像する必要があります。そのうえで、相手のために行動できる貢献意識を持つことが主体性へとつながり、答えのない問いに対しても自分で考えることができるようになります。
まとめ
新人に様々なスキルやマインドを身に付けさせることは重要です。しかし、「想像力」という土台がしっかりと構築されていないと、それらが上滑りしてしまう恐れがあります。DXをはじめとした新しい分野の知識やスキルをインプットさせることだけではなく、新人にとって本当に必要な要素は何か、という観点で新入社員研修の設計を考えられてみてはいかがでしょうか。
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