新入社員の育成で気をつけるべきこととは?

新入社員にもなんとかして業績に大きく貢献できる主力へと育成したいという思いは、すべての企業の悲願といえるでしょう。 

本コラムでは、新入社員の育成が難しい理由と、スムーズに育成するためのコツを解説します。

 

■新入社員の育成が難しい理由

 

①価値観の違い

企業の現場では、若手社員世代の次のような特徴がしばしば指摘されています。

 

 ・真面目だが、失敗を極端に恐れ、チャレンジを避ける傾向がある

 ・情報収集能力は高いが、収集した情報を整理し思考する力は低め

 ・コミュニケーション能力は低め

 

例えば、失敗を極端に恐れる新入社員は、無理やり演習をさせてもなかなか決断できず、指示待ちになってしまうなど、周囲に流されることがよくあります。

この場合、昔の「チャレンジして失敗から学べ」という価値観だけでは育成はもちろん、理解さえできないかもしれません。

 

②知識ゼロであることを前提としていない

教育係に任命された社員は、きっとプレイヤーとして優秀な点を買われていることでしょう。

ただ往々にしてプレイヤーは「自分のやり方が正しい」と思うあまり、そのやり方を押し付け、相手にわかってもらう配慮が足りないことがあります。

そんなとき有効なのは、「新入社員がわかるレベルまで戻って教える」という方法です。

 

③充分な時間が与えられない場合がある

企業の多くは時間効率を重視し、ともすれば内容はともかく時間内に形になればよしとすることもあります。

本来は、育成には時間を割くべきであり、そうした中でもできる限り短い時間で育成する工夫を追求する必要があるのです。

しかしそれらのバランスがうまく取れていないことが多いのが現実だといえます。

 

 

■新入社員の育成で気をつけるべきポイント

 

①コミュニケーションを密にする

「コミュニケーションが苦手」という新入社員には、教育係から積極的にコミュニケーションを取ると信頼関係を作りやすく、育成がスムーズに進められるでしょう。

またその際は、「あなたは組織からこういう役割を求められている」とわかりやすくはっきり伝えると、素直に理解し、納得してもらえます。

「仕事の目的」がはっきり定まることで、新入社員は積極的に仕事に取り組めるようになるのです。

 

②適度な距離感を保つ

どれほど信頼関係があっても、育成する側とされる側としての立場ははっきりと分ける必要があります。

関係が近すぎると度を過ぎた甘えになり、遠すぎると伝えたいことが伝わらず、どちらにしても育成効果が上がりにくくなります。

育成過程では適度な距離感を保ち、メリハリのある関係でありたいものです。

 

③積極的にやる気を引き出す

新入社員の育成には、それぞれの内発的なやる気や主体性を引き出す目的もあります。

やる気には段階があり、例えば10段階に分けて考えるとすれば、命令されて行動するのがレベル1なら、レベル10は仕事の意義を熟知して納得し、自ら責任を持って行動することだといえるでしょう。

新入社員の育成過程で、レベル10になってもらうことが必須ではないかもしれませんが、例えばレベル2、または3で感じられる充実感の変化、またそれを楽しいと思える自分を知ってもらうことはできるはず。

やる気を引き出すため、教育係は積極的にコミュニケーションを取って信頼関係を作りましょう。

 

新入社員に限らず組織での人材育成では、方法が適切でないことや教育係の準備が不分十などの理由で、満足のいく育成効果が得られないこともよくあります。

しかし、新入社員は「学びたい」「できるようになりたい」と願っているはずです。

だからこそ、教育係は積極的なコミュニケーションで適切な距離感の信頼関係を作ることが求められます。

それは「自立」を目指し、自らのやる気による行動で充実感を体験してもらうためといえるでしょう。

現代社会において教育係には、「新入社員の自立」というゴールを意識しながら、様々なテクニックを駆使して育成にあたることが求められているのです。

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