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韓国大統領罷免にみる「衆知を集めた経営」の大切さ

韓国で朴大統領の弾劾が決定されたニュース。
そうなるだろうな、という予感はありましたが、憲法裁判所8人の裁判官全員が
賛成という決定には、衝撃を受けました。

トップは孤独であると言われますが、組織のかじ取りという重責を担う人物は、
いったい誰に相談すればいいのか?
どのように、意見に耳を傾ければよいのか?

トップの決断と意見の求め方について考えてみたいと思います。

 

今回の朴大統領の弾劾事由は、2つ。

民間人の友人崔氏の国政介入と、大企業から財団への収賄です。
これが、大統領を罷免するに値する、重大な憲法や法律違反だと認定されました。


韓国の大統領は、日本の総理大臣よりも強大な権限が与えられています。
国家元首であることはもとより、国会の議決に対する拒否権、戒厳令の発動など。
分断国家であること、荒廃した状態から国家再建せざるを得なかったことから、
トップダウンの政治体制が生まれました。
経済でも、10大財閥がGDPの75%を占めるなど、こちらも集権化が進んでいます。
こうしたことから、一部の人間に権限が集中する社会となっています。


朴大統領は、大統領だった父と、母を相次いでテロで亡くしています。
このことが、彼女が他人に容易に心を開かない姿勢につながったのか。
国政運営においても、なかなか人と会談しようとせず、書類や電話での一方的指示が
多かったようです。
このことが「不通政治」と言われ、意思疎通の不在を嘆く声が多かったのです。


現代社会は、政治や経済、防衛などが複雑に絡み合っています。
全ての分野において、大きな間違いを起こさないために細心の政治運営が求められ
ます。
このような環境で、誰に相談しないですべてを大統領ひとりで決断できるのか?
不可能に近いと言っても、過言ではないでしょう。


朴大統領は、自らに権限が集中しているにもかかわらず、その権限の活かし方をうまく
コントロールできなかったからこそ。
意見を聞き入れられなかった周囲の政治家、情報を伝えられないスタッフの不満が爆発
してしまったのだと感じています。
「なぜ、一般の民間人にあれほど親密に相談して、国民の代表である政治家や、公務員
には会おうともしないのか!」。
これは、理屈であり、感情でもあります。

 

日本の首相の決断を補佐する人々について、調べてみました。

日本では、総理大臣補佐官制度が1993年に導入されました。
特別職の国家公務員で、内閣法で「国家として戦略的に推進すべき基本的な施策その他の
内閣の重要政策のうち、特定のものに係る内閣総理大臣の行う企画および立案について、
内閣総理大臣を補佐する」と定められています。

総理が信頼する側近的な国会議員を直属の部下として活用したり。
民間の学識経験者等を、総理官邸スタッフに参画させることが多いようです。
現在の安倍内閣では、5人の国会議員が補佐官として任命されています。


総理大臣の相談役的な人物、特に民間人を登用する場合には、内閣官房参与という
制度があります。
内閣が対応すべき分野において優れた専門的見識を有する人材を首相が直接任命し、
首相に直接意見を述べたり、情報提供を行う役割です。
非常勤の国家公務員で、現在の安倍内閣では14人が任命されています。


もちろん、制度があっても活かされないのでは意味がありません。
韓国では、こうした制度の有無以前に、トップが聞く耳を持っていなかったからこそ
今回のような事態に至ったのだと思います。

 

企業経営においても、変化のスピードの速さ、専門性の深化、ネットワークの拡大、
働く人々の多様化、社会や消費者の目の厳しさなど。
経営者ひとりで情報収集し、考えを整理し、決断することは 年々難しくなっています。
だからこそ、人の意見に耳を傾ける姿勢が大切になります。


松下幸之助は「衆知を集めた全員経営」という言葉を残しています。
自分一人で考えるだけでは、良い知恵も限られる。創意工夫も浮かびにくい。
だからこそ、周りの人々の意見をきちんと聞くべきだと。
この言葉を好む経営者も、たくさんいらっしゃいます。


最後に、私が強調しておきたいこと。
組織内の様々な人々の意見を聞いてみても。
専門家やコンサルタントなど、外部の知見を取り入れるとしても。
決断するのは、あなたにしかできない大切な役割です。

  • モチベーション・組織活性化
  • リーダーシップ
  • マネジメント
  • コミュニケーション
  • ロジカルシンキング・課題解決

現代社会は、仕事や人生のむずかしい決断を いろいろと抱える人が増えています。
「決断の軸」をしっかり持つことで、お悩みが解決できます。

「決断の軸」を打ち立てるお手伝いを通じて、ブレないビジネス上の決断、お客様が集まる会社、社員・スタッフが熱心に働き、メンタルダウンしない会社・職場づくり、後悔しない人生のお役に立ちます

高島 徹(タカシマ トオル) 株式会社決断力 代表

高島 徹
対応エリア 全国
所在地 守口市

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