私が松下電器に入社した理由
4月1日には、多くの企業で入社式が行われたことでしょう。
新社会人として、期待に胸を膨らませてのスタート。
私も新入社員研修で、フレッシュマンと接する機会が多い月です。
その一方で、2017年の新卒採用も行われています。
何を基準に会社を選べばいいのか、迷ってしまうことも多いことでしょう。
なにしろ、日本には421万社もの会社があります。(中小企業庁調査結果より)
上場企業に限ったとしても、3515社もあります。(日本取引所グループより)
とても調べつくすことはできません。
今日は、私の体験談より、「経営理念」をもとに会社を選ぶことについてお伝えいたします。
本日私は、社会人になって30年目を迎えました。
私が就職活動をした1985年は、まだバブル経済を迎える前のこと。
日本経済には活気がまだあり、「ジャパン アズ ナンバーワン」「NOと言える日本」という本が売れていた時代でもありました。
当時の就職活動というのは、まだまだ牧歌的なところがありました。
文科系大学生は、ゼミの先輩がリクルーターとして学生と接触。
大学近くの喫茶店で全員と懇談し、これはという学生をピックアップしてオフィス近くの喫茶店で面談、そして会社での面接へと進める方法でした。
下宿生だった私は、自分の部屋に電話が無く、受信する時は下宿のピンク電話で、連絡する時は外の黄色電話を使っていました。
就職活動=リクルートという言葉を日本に定着させた株式会社リクルートが、社名をこちらに変更したのが1984年のことでした。
就職情報誌からハガキで募集要項を取り寄せて、興味ある会社の情報を調べてもいたものです。
当時は、大企業であればどこも似たり寄ったり、という印象がありました。
銀行や損保、生保は、「護送船団方式」で利益が保証されていましたし。
商社は冬の時代と言われていても、自動車、電機をはじめとした製造業は、どこも好業績でした。
それだけに、どの会社を選ぶのか、最終的に1社に決めるということは、簡単なようで意外と難しかったものでした。
先輩との個人的なつながり、出会った人の好印象などで入社先を決めた友人も多かったものです。
私が松下電器を選んだ理由とは。
経営理念に共感してのことでした。
「松下電器は、モノを作る前に人を作る」
「水道の水のように、モノを豊かにすることで 社会生活の改善をおこなう」
「週休二日は、1日休養、1日教養」
ほかにも有名な言葉はたくさんありますが、当時の私の心に響いたのはこうした言葉でした。
そして、これらの言葉がしっかりと根付いていることを、先輩社員や面接者とのやりとりから感じることができたのでした。
(余談ですが、私が入社した1986年には、松下幸之助創業者はご存命でした。
1989年(平成元年)に94歳で生涯を閉じましたが、入社式などでお目にかかることはありませんでした)
経営理念だけで事業が成功するほど、世の中は甘くはありません。
松下幸之助も、創業当初は食べるために四苦八苦していたと言います。
それが、経営理念を確立してからは、事業が軌道に乗ったと回顧しています。
著書「実践経営哲学」の第一章は「まず、経営理念を確立する」となっています。
社員が集まり、熱心に働き。
お客様が製品を買ってくれる。
お金のやり取りだけでない、「人を動かす力」が、経営理念にあることを体感
したと言います。
私も、起業してからは 多くの経営者と接する機会が増えました。
最近は人が集まらない、すぐに辞める、というお悩みの方もたくさんいらっしゃいます。
人を集めるには、旗印を掲げる必要があると思います。
会社の場合は、社長の決断と覚悟を示したものが「経営理念」です。
組織の場合は、ビジョン・ミッションになります。
人集めのテクニックとしてではなく。
経営者がほんとうにそう考え、行動していることがわかると、社員は集まってきますし、熱心に働くことでしょう。
私自身の社員としての体験談からも、このことは断言できます。
実のところ、経営理念と事業とのつながりについて深く考えるようになったのは、起業したあとのことでした。
サラリーマン時代は、あまり深く考えないながらも、割と楽しく働いていた期間の方が長かったように感じます。
厳しい体験もたくさんしましたが、意外と道が開けていったものでした。
これも、経営理念が私たちのことを守っていてくれたからかもしれないと。
今更ながら、思ってしまいます。
- モチベーション・組織活性化
- リーダーシップ
- マネジメント
- コミュニケーション
- ロジカルシンキング・課題解決
現代社会は、仕事や人生のむずかしい決断を いろいろと抱える人が増えています。
「決断の軸」をしっかり持つことで、お悩みが解決できます。
「決断の軸」を打ち立てるお手伝いを通じて、ブレないビジネス上の決断、お客様が集まる会社、社員・スタッフが熱心に働き、メンタルダウンしない会社・職場づくり、後悔しない人生のお役に立ちます
高島 徹(タカシマ トオル) 株式会社決断力 代表
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