劇作家女子会!インタビュー “物語を紡ぐ” その1
2015春の「脱」研修ワークショップ part3 のテーマは、
“カラダとコトバのイマジネーション”。
それに先立ち、講座内でご紹介する内容の一部をゲストスピーカーへのインタビューとしてご紹介していきます。
3月11日 参加無料ワークショップの詳細は → http://jinjibu.jp/seminar/detl/28977/
ゲストスピーカー(2):
劇作家女子会のみなさま
インタビュアー(1):
株式会社エイチ・アール・ディー研究所 吉岡太郎
皆さまお忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日は何をお話しすればいいんでしょうか?? 私たちなんかで企業の方々のお役に立てるか・・・?
まず、主旨をご説明しますね。HRD研究所では、研修のコンテンツの作成支援もかなり行なっています。その企業内にピッタリあった内容で研修を実施したい、というニーズは結構ありまして。その場合、全部私たちにお任せ、という場合もあれば、一部「やってみたい」的にケーススタディーやビデオのシナリオをその企業さんの社員の方がお書きになる場合もあるんです。
一般の企業の方なのに? スゴいですね。
いえ、まあ、確かにスゴい方もいらっしゃるのですが、「やってみたい」的な感じの方だと、コンテンツとしていろいろ手直しが必要な場合も多いのに、ビデオなどで、時間がないとそのまま撮影に突入、とかになってしまうこともあるんです。
そんなこと私たちでもありますよ。
ひさしさん(※注 井上ひさしさん)の逸話で、本番に脚本が間に合ってなかったり、とかですよね。つまり、プロの方でもそうなのに、はじめて方だとなおさらそうなわけです。で、そうなると現場、大変なんですよ。まず、役者がシナリオを覚えられない。お書きになった方からすれば、プロなんだから覚えてこいよ、という気持ちになるのも分かるのですが、やっぱり、覚えられないシナリオって存在するわけです。で、撮影が深夜に及ぶ、立ち会いのその企業の方もだんだんイライラしてきて、炎上寸前になったり、と。
あ、分かります。「普通の人、こんな言い方しないだろ、絶対」っていう台詞、書いちゃうんですよね。慣れないと。役者としては、とってもやりにくい・・・。
そういうわけで、スケジュールとかがタイトだと、手直しなんか実質なかなかきっちりできないので、お書きいただくなら、最初から「こういうことには気をつけてください」的なノウハウがあれば、いいな、と思いまして、プロのみなさんにお話を聞きたい、と。
なるほど。
あと、ビジネス研修向けのコンテンツは最近は結構ネットにも上がっていまして、我々プロから見ると、まあ、これが玉石混合というか、いろいろなわけです。でも、ネットだと大抵、検索して上位に上がってきたもの使っちゃうわけです。
それ、あるある。演劇の脚本も、最近はネットに上がっていて、高校生とか使っちゃうんですよね、質の良くないやつ。審査員(※注 女子会!のみなさんは、高校演劇のコンクールの審査員などもやられています)をやっていると「あ、それアカンやつだ」みたいに。もったいないんですよ、高校生、それで一所懸命練習するわけですから。こちらとしては、いい脚本を取りあげてもらいたいな、と思うんですが、ネット、恐ろしい。
そういうわけで、自分が書かないにしても、選球眼、というか、その「アカンやつ」の「アカンところ」が分かると、最終的に研修の質も上がるかな、と。
分かりました。
で、こちらにあるビールらしきものは、開けてよろしいんでしょうか??
あ、スミマセン。前置きが長くなっちゃいましたけど、今日はよろしくお願いします。かんぱーい!
かんぱーい。よろしくお願いします!
今日は、女子会! のみなさんをお呼びしているので、「女子会」らしく、ビールとワイン付きです。
吉岡さん、誰に向かって話してるんですか!?
一応、読者のみなさんに・・・。と、その流れで、読者のみなさんに「劇作家女子会!」をまずはご紹介しないと、と思うんですが。
リーダーの坂本鈴です。
オノマリコです。
あ、オノマさんは今度、世田谷パブリックシアターのトラム(※注 三軒茶屋)で、「解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」(※注 2015年3月1日 公演終了しました)というタイトルの公演やるんですよね! 確か、実際の女子大の体育館にまつわる、女子生徒の話をベースにしているとか。
ええ、ぜひ来てください。
モスクワカヌです。
食べ物担当。
え、いつから食べ物担当になったんですか? ま、いいか、食べ物担当のモスクワカヌです。
黒川陽子です。
ありがとうございます。劇作家のみなさんの中では、こういう「〇〇会」は一般的なんですか?
いえいえ、基本、みんな孤独にやっています。
「女子会!」のみなさんは、ビンでもやられていますが、この間はシモキタ(※注 下北沢)で、4人の連作でやられていましたよね。(※注 劇団「おちないリンゴ」の公演)
ええ、最近は、ピンでない依頼もありまして、そうなると、お互いの戯曲をお互いに批評しながら、もちろん連作の場合は、さらに一つの芝居に見えるように、お互いに調整を入れながら、という感じになります。
批評っていうか、「何これ? どこが面白いの?」とか。
なるほど、それで、ああいった、それぞれが個性的で、でもなんだか一つの流れがあって、という素敵な作品ができ上がったんですね。
ありがとうございます。そう言っていただけると、嬉しいですね。
その連作の中で、小説を密かに書いていたOLが、ひょんなことから同じく小説を書く仲間たちのサークル?って言うんですか、お互いの小説を読み合って批評し合いながら、選ばれた人が会誌に載る、そして、夢はプロデビューってそういう作品がありました。
それ、坂本のです。
あの中で、妄想では、みんなから褒められるんだけど、実際は、あれこれいろいろダメだしをされるってシーンがありましたよね。
ええ、ええ。
劇作家の間でも、あのようなヒリヒリしたやり取りはあったりするんでしょうか?
ないことはないんですが、どちらかと言えば、自分の作品を演じてくれる役者からのフィードバックはありますが、劇作家同士、というのはあまり・・・。
感想を求められることってあるんですが、それって、批判はしないで、励まして! って意味だったり。
あるある(笑)
プロの間では、そんな感じですが、「脚本を書く」ワークショップなんかだと、一般参加者の方々にお互いに批評をあえてしてもらう、っていうことはあります。
でも、逆に、一般の方々だと、ズバズバ言う、って言うのに慣れていないのでは?
はい。なので、「リズ・ラーマン方式」、っていうのがあるんです。
「リズ・ラーマン方式」?
お互いの批評をステップを踏んで行なうやり方で、ステップ1では、まず、ポジティブな感想、意見だけを述べる。最初のシーンが新鮮だった、とか、台詞のテンボが絶妙だった、とか。
なるほど。
ステップ2では、質問をする。あの主人公の台詞はどういう意図だったのか? とか、なぜ、本音を伝えず、立ち去る、というラストシーンにしたのか? とか。
間に質問を入れるっていいですね。研修のカリキュラム、営業戦略なんかのガチなワークショップなんかだと、やっぱり、批判、ではなくて、純粋な質問、っていうのを挟みます。
そして、ステップ3で、やっと忌憚のない意見、感想を述べあうっていうところにいきます。
日本人だと、ポジティブな感想から入るって、気持ち的に言いやすいんですよね。相手を傷つけたくない、みたいな。でも、それじゃあ、批評にならないから、3ステップでやっていく、ということですね。これは、そのまま、ビジネスの中でも使えそうです。
あの、そろそろワイン開けていいですか?
・・・その2へ続く
3月11日 参加無料ワークショップの詳細は → http://jinjibu.jp/seminar/detl/28977/
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吉岡 太郎(ヨシオカ タロウ) 株式会社エイチ・アール・ディー研究所 取締役
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