「雑談が苦手?」な、コロナ入社世代
このコラムでは、オンラインでの組織コミュニケーションについて書いてきましたが、今回は会社のメンバーとの「雑談」(ちょっとした何気ない会話)の話です。
最近、リモートワーク&オンラインが増えて、仕事以外の話をする場が減ったなぁ、という声をよく聞きます。以前のコラムでも、会議は増えたものの仕事の話ばかりで「ちょっとした話」がやり難くなった、という話もしていました。
ただ、この「最近、雑談が減ったなぁ・・」と思っているのは、コロナ以前の職場を知っている人たちで、コロナ禍の新入社員たちは、いったいどう思っているのでしょうね?
先日、ある大手IT企業で2年目社員を集めたオンラインでの研修を実施しました。2年目といえば2020年4月入社、まさに未知のコロナウイルスへの混乱の真っ只中で社会人になった世代です。
コロナ以前の2年目研修というと、「久しぶりの同期会!?」といった感じで、グループワーク中も勝手に脱線するやら、誰かが発表したら茶化すやらと、事務局の人事の担当者からも「講師の先生からも、ピシっとやってくださいね。」とよく頼まれたものです。ただ今回は様相が全く違いました。例えば、研修冒頭のアイスブレークを兼ねた「自己紹介&雑談」のフリーな時間、いざ始まっても、会話がまぁ盛り上がらないこと・・・(苦笑)。
同社では、入社式も新入研修もオンライン、そのまま配属されてこれまで殆どが在宅でのテレワーク。人事側も十分なフォローができていないと危惧されていて、例年行っていない2年目研修を急遽企画されました。研修は、毎週1時間のセッションを4週続けて実施したのですが、最初はほぼ「初めまして」状態で、フリートークも盛り上がらなかったのですが、3週目ぐらいからようやくみんな打ち解けてきました。関係性強化には、小さくでも回数を重ねるのは重要なんですね。
で、2年目の参加者に話を聞いてみると、普段の仕事でも、会社上司や先輩ともほとんど雑談することがないとのことでした。もちろん、オンラインミーティングで話はするけど、業務指示や進捗確認、個別相談など仕事の話が中心。仕事に関係ない雑談も上司や先輩から振られることがあるけど、自分からはほとんどないのことでした。雑談と言われても、自分からどんな話題を振ってよいかわからない、仕事中にそんな話をしても良いもなのか?という戸惑いの声も。
なるほど、コロナ禍以前の職場では、あちこちで「小さな雑談」をしていた風景がありましたが、今の新入社員や若手は、それを見ていないんですものね。
コロナ禍に関係なく、新入社員や若手は「雑談が苦手」という話は以前からありました。ただ、今は少し変わっていて、そもそも「雑談をする場がない・経験していない」という特殊事情も加わっているようです。
もちろん、ビジネスにおいて雑談することが是ではありません。ただ、ちょっとした雑談が場を和ませる、お互いの関係性を近くすることもありますよね。
皆さんの会社の新入社員、若手はいかがですか? きょうは折角なので、ほんの少しだけ雑談をしてみてあげてください。
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『理屈だけでは現場は動かない』大企業とベンチャーでの豊富なビジネス経験をネタにした現場感あふれるセッションが好評
「巻き込み力研修のシンスター」にて、若手から管理職までのスキル研修・営業力強化研修の講師を担当。事業会社での実務経験を活かし、理論と組織力学を押さえたリアリティのある講義・ファシリテーションに定評がある。
曽我 充貴(ソガ ミツタカ) 株式会社シンスター シニア・マネジャー
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