人的資本開示とデータ活用に関する実態調査
データ収集は「外部開示」から「採用力強化」「エンゲージメント向上」へ目的がシフト。
約9割が「人事データは経営判断の決め手になった」と回答
〜 さらなる活用の障壁は「データの散在」と「分析工数の不足」 〜
株式会社SmartHR(本社:東京都港区、代表取締役CEO:芹澤 雅人)は、従業員51名以上の法人にお勤めの人的資本データ開示業務に携わる人事担当者310名を対象に、「人的資本開示とデータ活用に関する実態調査」を実施しました。
調査背景
人的資本経営への関心が高まる中、多くの企業で人事データの整備や活用、人的資本情報の開示に向けた取り組みが進んでいます。
人的資本経営の本質は、データを集めて開示することではなく、人材戦略や人事施策が経営成果にどのようにつながっているのかを捉え、経営判断に活かしていくことにあります。しかし現場では、人事データが複数のシステムに分散している、経営層との議論に活用できていない、経営成果との関係を説明しづらいなど、人事データを“開示対応”から“経営に活かす取り組み”へ進化させる上で課題も残されています。
そこでSmartHRでは、企業における人的資本経営と人事データ活用の現在地を明らかにするため、全国の企業に勤務する人事業務担当者を対象に調査を実施しました。
調査結果サマリー
- データ収集の目的は「開示」から「事業成長」へシフト
人的資本データを収集する最大の目的は「採用力の強化(32%)」、「従業員エンゲージメント・生産性向上(24%)」が上位となり、「外部開示への対応」は14%にとどまる。 - 経営判断におけるデータ活用の進展
89%が人事データが「経営判断の決め手になった」と回答。経営層への報告内容は、実績数値の報告にとどまらず、「投資対効果(ROI)(54%)」や「組織リスクの予測(52%)」にまで広がっている。 - さらなる活用の障壁は「データの散在」と「分析工数不足」
人事データ活用の最大の障壁は「データが複数のシステムやExcelに点在している(24%)」「データを分析する工数・人手が足りない(20%)」。
調査結果
(1)人的資本データを収集・可視化する最大の目的は「採用力の強化」。外部開示への対応は14%にとどまる
人的資本データを収集・可視化する目的として最も多かったのは「採用力の強化(32%)」でした。次いで「従業員エンゲージメント/生産性向上(24%)」「経営戦略や人材施策への反映(18%)」が続きました。
一方で、制度対応の文脈で語られがちな「外部開示への対応(統合報告書等)」は14%にとどまり、人的資本データの収集が“開示のため”から“経営課題に取り組むため”へ位置づけを広げつつある実態がうかがえます。
(2)人事施策の効果と経営成果の関係性は「可視化できている」が計89%
「人事施策の効果」と「経営成果」の関係性を可視化できているかを尋ねたところ、「数値で可視化できている(53%)」と「数値ではないが定性的には可視化できている(36%)」を合わせ、計89%が“可視化できている”と回答しました。
人的資本データの整備が進むことで、開示対応にとどまらず、施策の検証や改善に向けた土台が形成されつつあることが示されました。
(3)経営層へ報告している人事データは「実績数値」に加え、「投資対効果(ROI)」や「組織リスク予測」まで広がる
経営層や役員会へ定期的に報告・提示している人事データの内容としては、「確定した実績数値(62%)」が最多となりました。加えて、「投資対効果(ROI)の分析/報告結果(54%)」「数値の変化から読み取れる組織リスクの予測(52%)」も半数を超え、報告内容が“実績の共有”から“意思決定に資する示唆”へ拡張している実態が明らかになりました。
(4)約9割が、人事データが経営判断・人事施策の決定において「決め手になった」と回答
収集した人事データが、経営会議や役員会などにおいて「経営判断」や「人事施策の決定」に直接結びついた経験があるかを尋ねたところ、「常に決め手になった(33%)」「時々決め手になった(56%)」となり、合計で89%が“決め手になった”と回答しました。
人事データの活用が進むことで、採用・育成・配置・定着といった人材施策が、経営の意思決定プロセスに組み込まれつつある状況がうかがえます。
(5)さらなる活用の最大の障壁は「データの散在」と「分析工数不足」
人事データを経営判断や人事施策の決定に活かすうえでの最大の障壁を尋ねたところ、「データが複数のシステムやExcelに点在(24%)」が最多となりました。次いで「分析する工数/人手が不足(20%)」「経営にデータを活かせない(17%)」が続きました。
人事データの活用をさらに前進させるためには、データ統合・更新の自動化と、分析・検証を継続的に回すための体制整備が重要であることが示唆されます。
SmartHR タレントマネジメント事業本部 事業本部長 松栄友希のコメント
人的資本開示という社会的な潮流は、企業が自組織の状態を定量的に捉え、データをもとに課題解決へ動く大きな契機となりました。現在、データに基づいた人事施策の検討は、多くの企業で定着しつつあります。
一方で、いざ分析や施策の実行に移ろうとすると、「必要なデータが足りない」という壁にぶつかるケースは少なくありません。さらに、現場のリアルな施策企画から実行に至るまでの具体的なノウハウは世の中にまだ乏しく、プロジェクト推進の難しさも相まって、多くの人事担当者様が手探りで進められているのが実情です。
人事担当者が「現場や経営層との対話」や「次の打ち手の検討・実行」といった本来の役割にリソースを集中するためには、日常の業務と連動してデータが自動的に一元管理される環境が不可欠です。SmartHRは、それぞれの業種や企業規模に合わせて、日々の業務のなかで「多様な人事データが自然とたまる」環境づくりを力強く支援してまいります。
【調査概要】
調査名称:人的資本開示とデータ活用に関する実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年5月29日〜6月1日
有効回答:従業員51名以上の企業で人的資本データ開示業務に携わる人事業務担当者310名
※構成比は小数点以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社SmartHR /6月18日発表・同社プレスリリースより転載)
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