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【ヨミ】エーディーアールホウ ADR法

裁判外紛争解決手続きの利用に関する法律の略。2004年12月1日に公布され、準備期間を考慮して、2年6カ月を超えない範囲で施行されることになっています。
(2005/10/17掲載)

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ADR法のケーススタディ

裁判によらない紛争解決を促進する法律
弁護士以外でも調停や仲裁ができるように

ADRとはAlternative Dispute Resolutionの略で、民間の紛争を裁判によらず、調停や仲裁で解決しようとする手続きのことです。裁判所の民事・家事調停などの司法型ADR、消費者生活センターや労働委員会などの行政型ADR、メーカーのPLセンターなどの民間型ADRといった各種のものが存在します。

しかし、この中で民間型ADRは取扱件数が極めて少ないのが現状です。たとえば全国銀行協会のADR機関である「銀行よろず相談所」は、2004年は苦情取扱件数775件に対して紛争取扱件数はゼロ。最近多発している偽造キャッシュカード被害の相談などは一切受け付けていません。また、生命保険協会の「生命保険相談所」は2004年に4362件の苦情を受け付けましたが、紛争解決手続きに持ち込まれたのはわずか23件にすぎませんでした。民間型ADRは苦情処理では一定の役割を果たしているようですが、法律の後ろ楯がないこともあって、当事者同士の話し合いで解決できない問題を、裁判に代わって処理する役割までは果たせていないのが実態のようです。

そこでADR法では法務大臣がADR機関に認証を与え、法律的な後ろ楯を付与することにしました。認証を受けた後も法務大臣の監督下に入り、場合によっては認証が取り消されることもあります。また、これまで弁護士以外の者が業としてADRを実施することは制限されてきましたが、一定の要件を満たせば弁護士以外の者でもできるようにしました。このため司法書士、行政書士、社会保険労務士、土地家屋調査士など法律専門職種の各団体が業務拡大のビジネスチャンスと見て、続々とADR機関の立ち上げ準備をしています。

さまざまな分野の人が新規参入することで、民間ADRが活性化するとの楽観的な予測がある一方、専門分野の知識があるからといって、紛争処理ができるとは限らないという懐疑的な見方もあります。ともあれ、ADRの拡充や活性化を図るためには、利用しやすさ、わかりやすさ、納得性といった利用者の視点に立つことが求められます。

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