【特別企画】東大特別授業に参加
「学び」の未来をブランドデザインする(全6回)[ 2/2ページ ]
【特別企画】東大特別授業に参加
「学び」の未来をブランドデザインする(全6回)[ 2/2ページ ]
2011年12月2日(金)から2012年1月27日(金)まで、全6回にわたって、「東京大学×博報堂 ブランドデザインスタジオ」による特別授業『「学び」の未来をブランドデザインする』が行われ、『日本の人事部』会員特別枠として3名の会員が参加されました。 東大理想の教育棟を舞台に、大学生や教養学部の教授とともに行うワークショップは、とても刺激的で学びの多い機会だったようです。参加された会員の方々に全体を通しての気付きや学び、感想をレポートしていただきました。
「東京大学×博報堂 ブランドデザインスタジオ」による特別授業
『「学び」の未来をブランドデザインする』とは?
第1日 | チームワークを高める&共創のための道具(レゴ・KJ)に慣れる |
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第2~4日 | 東大教授より基調講演(予定)+「学び」概念の探求(レゴ中心) |
第5日 | 最終発表の内容を考える(KJ法中心) |
第6日 | 最終発表 |
プログラム全体のコンセプトでもある『共創』という言葉は耳慣れないかもしれませんが、対話を通して互いのナレッジを共有しアイデアを創発していくプロセスとして注目されています。米国の学者であるピーター・センゲが広めた概念『学習する組織』においても、三つの柱の一つとして紹介されています。6回全体を通して、この『共創』プロセスを通して生み出されていくものを体験しました。
21KOMCEE(理想の教育棟)という大変すばらしい学習環境の中で、東大生の皆さんとともに「学び」について考える全6回のワークショップに参加させていただき、誠にありがとうございました。
最初『「学び」の未来をブランドデザインする』とは、極めて抽象的で得体の知れない課題設定だなぁと思いましたが、レゴやKJ法を活用した最先端の「共創」の手法を体験しながら、学生の皆さんとディスカッションやプレゼンテーションによる協働を繰り返してお互いに刺激し合い、最終的に課題に対する創造的なアイデアを共創することができ、精神的にもかなり若返りを図れたと感じています。
毎回参加するのが待ち遠しく、またスカイプを使って夜中まで最終プレゼンの内容を議論するなど、楽しい体験の連続でした。
チームとして最終プレゼンを終えた時の達成感はかなり高く、本プログラムに参加できたことに大変満足しています。
本プログラムへの参加を繰り返すことにより、受身でなく能動的かつ自律的な学びの場が形成されていき、学生の皆さんは、いわゆる「社会人基礎力」と言われる「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の三つのスキルが相互啓発により確実に磨かれていったように感じました。
私にとっては、毎回、ファシリテーターの方々のそれぞれ個性的なファシリテーションスキルをじっくり観察でき、フェイスブックのグループ機能を使ったプレゼン資料や写真、宿題等の情報共有の仕組みを体験できたことが大きな収穫でした。
今後は、この貴重な経験を活かして、社内での新人や若手社員のヒューマンスキル(コミュニケーション、プレゼンテーション、課題解決、チームビルディング、リーダーシップ等)を効果的に向上させるような協同学習プログラムを企画し、社内の人材・組織開発プロセスに組み込んでいきたいと考えています。
- レゴ・シリアスプレイがもたらすもの。
レゴ・シリアスプレイを用いて、手を使いながら、感性で立体的に自分の考えを表現してみる。そして、それをストーリーにして話をしてみる。さらには、他からの刺激(質問)に対して、作品をメタファーにしながら即興で答えることで、また新たな発想が生まれる。この体験によってわかったのは、決して論理的な積み立て発想では出てこないものでした。とりわけ、画一的な集団でこれを実施せずに、社会人・学生・性別関係なくできたことは非常に価値のある経験でした。 - プログラムの構成・ファシリテートの仕方
今と未来、追い風と向かい風、感性と論理、ブレストによる発散と論理での討議、学生の経験とエキスパートのトーク、言葉の表現と舞台女優の演技など、発想や意識の焦点をその時々でうまく動かしてくれる構成のプログラムとなっていて、双方を行き来することにより発想が広がると同時に、自分たちの中で考えていることの軸がより明確になるものでした。発想の手法やQUOTEを少し停滞が見られた時にはテンポよく出してくださるファシリテートで、非常に勉強になりました。
- 頭で考えて言葉で議論するだけでなく、手や体を使って演じて話し合い体験することは、どんなテーマであっても何歳になっても価値あるものだと感じ、何らかの形で取り入れたいと思いました。
- プログラムの構成とどの程度のスピードでどこまで上っていくのか、想定することによる事前の企画が非常に大切であることを改めて認識できました。あくまでアウトプットに対して最大の成果を求めるのであれば、なおさらプログラムの構成や時間配分が重要です。楽しみながら学びの成果、アウトプットの成果の両方を得るためにはプログラムの構成が大切で、それを毎回学ぶ者にも明示するというポイントを活かそうと思います。
- 共創のファシリテーションスキル
「学び」の未来をブランドデザインするという漠然としたテーマを、どのように導き出すのかとても興味がありましたが、毎回のレゴセッションを始め、さまざまな手法により、創造性が高まっていくことを体感できました。また、行き詰まりそうな際もタイミングよくアイデアの出し方・絞り方についてアドバイスをいただいたので、議論も滞らず、考えるステップが明確でした。 - 学生の取り組み姿勢の変化
単位認定もなく、もともと意識の高い学生が多かったと思いますが、「こんな授業は初めて」「どういう展開になるか楽しみ」などという声が学生から上がるようになっていきました。初めはさすがに時間内にきれいに考えることが上手だと感じましたが、次第に個性を出しながら、必死に前向きに取り組む学生達のパワーに感化されました。主体性がなくなってきていると言われていますが、場の作り方によっては大きく引き出すことが可能だと感じました。
- ファシリテーションスキル
あらゆる社内の場において、今回学ばせていただいた場の作り方、楽しく真剣に考える場の作り方を活かしていきたいです。レゴセッションも、社内で一部採り入れ始めましたが、それ以外にも、人の可能性を引き出す場作りにはこだわっていきたいです。 - 学生の期間を生かした早期育成
今、秋入学導入によるギャップタームの有効活用が言われていますが、もっと早い時期のことも意識していいかもしれません。例えば、ユニクロ(ファーストリテイリング)が通年採用に加えて、大学1-2年生でも内定を出す方針を出しています。企業へ入社してからの育成だけでなく、学生生活の前半に接点を持ち、社会人の目に触れた上で課題を認識し、学生生活を送ることに可能性を感じます。是非検討課題に入れていきたい。 - 社会人と学生が同じ場で学ぶこと
どういう場になるか楽しみでしたが、自分が考えていた以上に学ぶことは大きかったです。学生にとって通常の学生生活では接することが困難な社会人と触れることにより、別の視点を知ることができるいい機会にもなりますが、それは社会人側にも言えると感じます。私自身も「今の学生はこうだから…」「最近の若者は…」と言う前に、社会人の一人として、きちんと彼らに向き合っていきたいと思います。
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