会議を円滑にする“段取り力”

前回のコラムでは、会議中にファシリテーターが注意を払うべき「アイデア」について考えました。

では、ファシリテーターが実際に会議に望むにはどのような準備が必要なのでしょうか。

 

 

会議の準備はファシリテーターのため

 

会議の準備を入念に行うのは、何よりも「ファシリテーター自身のため」であると考えています。

特にファシリテーターとしての経験が少ないうちは、会議への不安も様々出てきます。初めからいきなり名ファシリテーターになれる人はほんの一握り。だからこそ必要な準備に時間をかけ、自信を持って会議に臨むことが重要です。

ただし、今回扱う会議の準備は、「結論の準備」ではありません。参加者の意見によらないところで結論が決まっている会議は、結論への納得感を大きく損なう結果となりかねません。会議で参加者に意見を求めるのであれば、段取りをたてることはしても、結論そのものの根回しは厳禁と考えましょう。

 

具体的に準備する項目としては、以下の3つの切り口で整理します。

 

●「人」の準備

 

人の準備には、「参加者の調整」と「参加者の役割の調整」が含まれます。

参加者の調整は文字通り「誰がその会議に参加するか」です。定例会議は固定メンバーでなければいけない、といった決まりがあるかも知れませんが、よく考えてみると「ただ参加しているだけ」の人が会議にいることもあるのではないでしょうか。

重要なのは、「参加者にどんなことを期待しているのか」です。例えば、部の代表として意見が欲しい、新しいアイデアを考えるのに力を貸してほしいなど、参加者に期待する役割を明確にすることで参加意識を高めることが必要です。

 

ただ、人の調整はファシリテーター一人では決められないことが多いのも現実です。

会議主催者や意思決定権者と調整の上で決定することになるでしょう。

 

●場所の準備

 

場所の準備にも2つの意味があります。

まずは場所そのもの(ミーティングスペースや会議室など)を確保しておくこと、そして、当日会議を行う状態にセッティングをしておくことです。

会議室のレイアウトは議題に合わせてセッティングをしますが、ファシリテーターが活躍する「問題解決型」の会議の場合、メンバー同士があまり遠くなり過ぎず、お互いの顔が見えるように机を配置します。

また、会議室の備品として、意見を見える形に出来るもの、たとえばホワイトボードやPCの画面を映すプロジェクターなどを用意します。

これらの道具類、何が必要と感じるかは個人の好みにもよるのですが、私個人はタイピングよりも書く方が好きなので、ホワイトボードを愛用しています。

可能であれば複数台のホワイトボードを並べて、全体の流れを書き留めていきます。

 

ちなみに、ホワイトボードを使用する場合は、会議が始まる「前」に日付や議題などを書いておくことをお勧めします。

時間の短縮だけでなく、「準備されている」と感じてもらうことで参加者の意識付けにもつながります。

 

●ネタの準備

 

ネタの準備は以前にまとめた「目的・目標・手順」にあたります。これらを再確認したうえで会議に臨みます。

結論そのものを根回しして事前に決めるのは避けるべきですが、「意見の決定の仕方」については決めておく必要があります。具体的には以下の2点です。

 

・どんな観点で意見を選ぶのか

コストをできるだけ抑える/自社の強みが最重要/自分たちがわくわくできるものを選ぶ、など

・意見の選び方をどうするのか

メンバーがアイデアを点数付けして決める/メンバーが決めた案を意思決定権者が選ぶ、など

 

これらは会議中に決めても構いませんが、事前に参加者の同意を取っておくことで会議をスムーズに進行できます。

 

リマインドをすることの意味

 

これらの準備をして、参加者事前にリマインドの連絡を行います。参加者に準備を促し、当日スムーズに進行させる狙いがあります。

この時に、参加者に事前に考えてほしいこと、用意してほしいことを伝えておくと、参加者が「何のために参加するのか」がわからないまま会議に来ることは減ります。

準備の段階から参加者を意識した段取りを行うことが、スムーズな会議運営につながるのです。

 

【今回のポイント】

人・場所・ネタの準備をして会議に臨む

  • モチベーション・組織活性化
  • コーチング・ファシリテーション
  • チームビルディング
  • コミュニケーション
  • ロジカルシンキング・課題解決

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早稲田大学アカデミックソリューションは、早稲田大学の関連会社として、組織の課題に合わせたカリキュラム編成と実践力を養う体験型学習を通じて、複雑で困難な時代に対応する「しなやかな人材・チームづくり」を支援します。

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