【障がい者雇用】社内で理解は得られていますか?
障がい者雇用を進める上で、障がいのある方に対する社内での理解は大切です。
配属先の理解を得ることは安定した雇用や働く当事者にとっての安心にもつながります。
では、障がいのある方のどういった点に対して理解を得る必要があるのでしょうか。
また、社内理解が進んでいないと、どういったリスクが考えられるのでしょうか。
今回は、社内で障がいのある方への理解が十分でないまま
採用活動を行った事例をもとに、社内理解の意義についてお伝えいたします。
※本記事は、弊社がお聞きした企業様の失敗事例集の一部を抜粋したものになります。
事例集ご案内は本記事の下部にございますので、ご興味をお持ちの方はこちらもご一読くださいませ。
▼社内理解に不安を抱えている企業は少なくない
厚生労働省が5年毎に発表している「平成30年度障害者雇用実態調査」によると、
回答企業の3割が「従業員が障害特性について理解ができるか」を課題としています。
特に“精神障がい者”雇用における課題としては、最も多く回答を集めたうちの一つです。
一方、「障害者雇用について経営トップの理解が得られるか」については、
課題であるとした企業は全体の約3%にとどまりました。
この結果から、障がい者雇用の中でも特に“精神障がい者”雇用を進めるためには、
一緒に働く従業員の方の特性に対する理解を深めることがポイントとなりそうです。
▼【企業事例】一緒に働く社員が障がいについて知らなかった
社内理解が進んでいないことには、どんなリスクがあるでしょうか。
弊社が実際にお聞きした、ある企業様の事例をご紹介いたします。
こちらの企業様では、新たに障がいのある方を採用しました。
その方は、入社して初めのころは、特に問題なく働いていらっしゃいました。
しかし、入社して数か月経ったころ、配属先の部署から
「仕事中に眠そうにしていることがしばしばあり、やる気を感じられない」
という苦情が上がってきました。
その後、人事部門での調査によると、原因が薬の変更によるものとわかりました。
そのために日中強い眠気を感じることがあると社内理解が進み事態は収束したそうです。
こちらの事例では、大事には至りませんでしたが場合によっては、
周囲の評価が悪くなり、それによるストレスで障がいのある方が体調を崩したり、
最悪の場合は退職してしまうケースもあります。
もしかしたら、人事部門や配属先の部署が事前に事情を知っていれば、
あるいは、配属先の部署の方に、障がいのある方への理解があれば、
配慮することができたり、見守ることができたかもしれません。
※本記事は、弊社がお聞きした企業様の失敗事例集の一部を抜粋したものになります。
当該資料のご案内は本記事の下部にございますので、ご興味をお持ちの方はこちらもご一読くださいませ。
▼社内理解を得るために
このような事態を避けるためには、従業員の方に、“障がい”というものへの基本的な知識や、
障がいのある方ご本⼈の特性を知る機会を作ることが肝要です。
障がい者雇⽤をはじめる際には、研修を開くなど、少なくとも障がい者雇用一般について
会社全体で学べる機会を積極的に作るとよいでしょう。
もし、社内での研修が難しければ、外部での研修に参加してもらうこともできます。
例えば、2⽇間で障がい者雇⽤の基礎が学べる「障害者職業⽣活相談員研修」や、
90〜120分程度で学べる「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」などがあります。
また、ご本人の特性については、支援員の方やご家族との関係を密にし、
配慮事項についての情報収集を欠かさずに行うとよいでしょう。
そうして得た情報を配属先の部署にも共有することで、理解を促すことができます。
ただし、その際には、ご本人を傷つけないよう、事前に意思を確認することも大切です。
▼まとめ
障がいや障害のある方への社内理解が不十分の場合、配属先で誤解や不和を生み、
結果的に定着に悪影響が出るケースがあります。
また、障がい者雇用において、従業員の方に苦手意識を持たせないことは、
障がい者雇用をさらに進める上でも重要となってきます。
特に配属先の部署の方には、障がい者雇用の基礎的な知識や配慮事項、
そしてご本人の特性について学ぶ機会を積極的に作っていくとよいでしょう。
その際、社内で難しい場合には、社外のリソースを活用することもよいでしょう。
※今回お伝えした企業様以外の事例については、下記でご案内している
「障がい者の採用前には何が必要?5つの失敗例から学ぶ準備事項」よりご確認いただけます。
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