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人事責任者として困難事例への対応方針を決めるために必要なこと

社内でメンタルヘルスに関する問題が起こったとき、人事責任者として対応方針を決めるために必要なものとは何でしょうか?

 

医療の専門家としての「主治医の意見」?
産業保健の専門家としての「産業医の意見」?

 

これら専門家の意見があれば、具体的な対応方針を決定できるのでしょうか。
具体的な事例をもとに考えてみましょう。


--------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【事例】40代の男性社員Aさん。職位は主任クラス。
Aさんは4月に現在の部署に異動してきた。異動後は業務の覚えが悪く、何度教えても指示通りに業務をこなすことができない。ミスも極端に多く、常にサポートが必要な状態。業務レベルでいえば「入社2年目のほうがはるかに仕事ができる」レベル。そのうえ、自分のやり方に固執し、「自分のやり方のほうが正しい」「教え方が悪い」等、他責的な発言が目立ち、自分よりも年次が低い社員に対しては高圧的な態度で接する。

 

このような状況に職場は疲弊しており、“直属の課長”と“業務の引継ぎ担当者”がメンタル不調で休職してしまった。当該部長から「Aさんは発達障害なのではないか。部としては休職者も複数出ており、もう限界。
会社としてどう対応すべきか考えてほしい」と人事責任者のあなたに相談があった。

 

あなたはまず産業医への相談を促すことにした。
産業医からは「産業医として発達障害の診断は行わない。本人が必要であれば精神科受診を検討してほしい。また体調不良ではないため通常就労は可能」との回答であった。

 

次に本人を促して精神科医を受診させた。
主治医からは「検査の結果、発達障害とは診断できない」との診断書が発行された。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------

さて、今回の事例では冒頭にあげた、主治医・産業医の意見はすべて出揃っています。
この状況であなたは自信をもって対応方針を決めることができるでしょうか?

 

「専門家の意見は出揃っている」でも「対応方針を決めるのは難しい」
これが現場におけるメンタルヘルス問題の対応の現実です。

 

これは専門家の意見を実用可能なレベルまで解釈するのにも一定程度の専門知識が必要だからです。

 


では、今回の事例の専門家の意見を確認してみましょう。

 

まず前提として、産業医は基本的に診断や治療は行いません。また今回のようなケースでは、医学的な見地から「通常就労可能」との結論が返ってくるのも不思議ではありません。

 

次に主治医の診断書ですが、「検査の結果、発達障害とは診断できない」というのは必ずしも「問題がない」ということを意味しません。(実際にこの事例が発達障害かどうかは不明ですが)発達障害というのはスペクトラム(グラデーション)であることが知られており、「白か黒か」といった分け方はそもそもできないためです。
つまり「発達障害とは診断できない」という文言は、「医学的には発達障害の診断基準を満たしていない」ということであり、“就業上の”問題があるかないかにはそもそも言及していない、ということになります。

 

一方で「診断できない」という診断書ですので「“医学的な”問題が認められる」とも言えません。今回は産業医の意見からも「通常就労可能」とのことですから、この点において主治医と産業医の意見は一致しています。つまりこの問題は「労務問題」であると整理できます。

 

今回の事例では、あと二つのポイントがあります。一つは「本人対応へのスキル」。もう一つが「誰に対して介入を行うのか」です。今回は紙面の関係でこの二つのポイントについての説明は割愛させていただきます(ご興味のある人事責任者の方は勉強会へのご参加を検討ください)

 

これら3つのポイントを踏まえ、今回の事例を整理すると
1.医学的な問題が認められないのであれば、“労務問題”として対処
2.通常のコミュニケーションでは本人に正しく情報を伝達することが難しいケースも多いため、本人の対応にメンタルヘルスの専門家の活用を検討
3.本人より周囲の被害が大きい場合には、職場従業員へのフォロー実施も検討
といった具体的な見通しが立てられます。

 

ここまで見通しが立てられれば、「誰が」「どのように」「どれくらいのコストをかけて」対応するべきか、といったより具体的な対応方針を決定することはそれほど難しくないでしょう。

 

メンタルヘルスに関する問題の対応方針を決定するうえで、専門家の意見から状況を整理し、適切な見通しを立てることが極めて重要であることがご理解いただけましたでしょうか。御社内でもこの流れをどのような形で担保するかをあらためてご検討いただく機会となれば幸いです。


                                                              (エグゼクティブコラボレーター 島倉 大)

  • 安全衛生・メンタルヘルス
  • その他

公認心理師/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント/二級FP技能士
【専門領域】産業精神保健、認知行動療法、ストレスマネジメント

臨床心理専攻。専門学校で学生の心理及びキャリア相談を担当。EAP事業会社にて、カウンセリング部長として企業のメンタルヘルス全般をサポート。約2000件の従業員への臨床に携わる。外資系会社から商社、組合・公務員団体等多岐にわたる研修を実施。

島倉 大(シマクラ ダイ) エグゼクティブコラボレータ―

島倉 大
対応エリア 関東(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県)
所在地 渋谷区

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