ストレスチェックの集団分析結果を効果的に活用するために
皆さんの会社では、毎年実施しているストレスチェックの集団分析結果はどのように
活用していますか?
現場へのフィードバックは適切にできているでしょうか。
平成27年12月1日からストレスチェック制度が義務化されて6年が経過して
います。
ストレスチェックの実施義務のある事業所規模50人以上の事業所のうち、ストレス
チェック結果の集団分析(部、課など)を実施した事業所の割合は78.6%で、そのうち
分析結果を活用した事業所の割合は79.6%となっています(※令和2年労働安全衛生調査
(実態調査))が、効果的な改善活動が実施されたかは不明です。
その理由の一つに、現場に効果的な情報提供ができていないことがあげられます。
企業により違いはあるものの、効果的な情報提供ができていないケースでは、下記の
二つの方法がよく見られます。
①管理職層を集めて、座学でストレスチェック集団分析結果の読み方研修を実施し、
翌年以降は毎年各部署に結果の配布のみ行い、組織改善の取り組みについては部署各自
に任せている
②人事総務・安全衛生管理部門だけが全組織の集団分析の結果を把握し、大きな課題が
見られる個別部署のみ取り上げ、管理職者に改善を促している
①の場合、集合形式の読み方研修を実施することによって、必要最低限の知識を管理職層
全員にインプットすることができる点は良いのですが、組織改善については現場任せとす
ることで、重要度はそれほど高くないと考えられてしまう可能性があります。また、現場
管理職者はメンタルヘルスの専門家ではないので、結果から課題を掘り下げたり、具体的
な改善策を立てることは難しい場合も多く、結果的にデータ上では毎年結果は大きく変わ
らず、課題は課題のままとなっている組織はよく見られます。
②の場合、取り上げられた部署はネガティブな評価をされたと受け止めやすく、犯人捜し
をしたり、結果自体への不満を上げるなど、改善のための取り組みが行われないだけでな
く、組織へのマイナスの影響が生じてしまう恐れが出てきやすくなります。
こういったことを避け、集団分析の結果を効果的に活用するためにはどのようにすれば良
いでしょうか?
弊社では、ストレスチェックの組織的活用に精通した専門家が関わり、
・集団分析結果の企業全体や各部署での比較を実施し、想定される課題の抽出を行う
・部署ごとに結果をフィードバックすると共に、課題の掘り下げ、取り組み案の策定を支
援する
・経年変化を確認し、効果検証を検討する
という形で実施することをおすすめしています。
例えば、「上司の支援」に課題があるケースでも、「上司」というのが具体的に誰を指し
ているのか、直属の上司か、出向先の上司か、たまたまストレスチェックを行っていた時
期に抱えているプロジェクトのリーダーか、あるいは、そもそも上司が存在していないの
かなどによって、結果の捉え方は変わってきます。また、普段の上司と部下との仕事上の
付き合い方、コミュニケーションの特徴等によっても影響を受けるため、様々な角度から
ヒアリングを行い、得た情報を踏まえて、課題の抽出と改善案を洗い出し、実行可能なア
クションプランの策定を行う必要があります。
ストレスチェックの集団分析結果を効果的に活用するためにも、心理の専門家をチームに
加え、一緒にデータを読みとるとともに、数字から読み取った課題の仮説構築や何となく
感じている現場感覚とのすり合わせを行っていくことが、職場改善につながる一助になる
と考えられます。
(コラボレーター 張 磊)
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2. 勉強会のご案内
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【テーマ】
ストレスチェックの集団分析結果を効果的に活用するために
【概 要】
本セミナーでは、集団分析結果を効果的に活用するために必要なことを専門家の視点から紹
介していきます。
【開催日時】2022年6月10日(金)15:30~17:00 (受付開始15:20)
【開催方法】Zoom
【定員】5名程度
【参加費】無料
【参加申込期限】2022年6月9日(木)17:30
【参加にあたってのお願い】
・本オンラインセミナーでは、Zoomを使用します。
・少人数セミナーとなっており、意見交換なども行いますので、
企業名および日頃の業務でお困りのことについての共有をお願いします。
・ログイン時には、氏名が分かる表記をお願いします。
・弊社内の教育目的で研修は録画させて頂きます。(弊社外に開示することは御座いません)
参加を希望される方は、info@cubeintegration.comに下記項目と併せてご連絡ください。
・御社名
・お名前
・所属部署/役職
・ご連絡先(メールアドレス)
・セミナー名 または希望相談枠
ご参加お待ちしております。
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- 安全衛生・メンタルヘルス
公認心理師/臨床心理士/キャリアコンサルタント
【専門領域】産業精神保健、復職支援、海外赴任者支援、在日中国人メンタルヘルス支援
東京大学心理教育相談室、日本家族カウンセリング協会での臨床経験を経て、東京大学学生相談所に勤務。2011年よりEAP事業会社にて、中国におけるメンタルヘルス事業の立上げ、運用体制の構築及びEAP業務全般に従事。現在は休職者の職場復帰を支援。
張 磊(チョウ ライ) コラボレータ―
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