ラーニングキャピタルが問われる時代へ
最近はエンゲージメントを高めるための施策として、職員同士の関係性を良好にしていくための「対話」の機会や上司と部下との「1on1」の推進、心理的安全性を高めていくためのサーベイの活用など、人材開発・組織開発の両面での施策が増えてきました。
私自身、塾予備校業界の出自であることから、HRの領域においても「教える」「学ぶ」という観点でエンゲージメントに寄与できないものかと常々考えています。これまでも社内での学びを組織の発展に繋げる試みは、例えば企業内大学がその役目を果たしてきましたが、「社員同士の相互の学びをエンゲージメントにつなげる」という考え方においては、「ラーニングキャピタル」(学びの資産)という言葉で説明したいと思っています。
ラーニングキャピタルとは、私なりの解釈では、組織の中の「個々の学ぶ意欲」と「教え合う風土」が組織全体の活力となり、その活力が組織の発展につながるという循環を描いています。この観点は、過去に「学習する組織」や「ラーニングピラミッド」といった切り口で扱われたテーマでもありますが、社員個々の「学ぶ意欲」と「教えあう風土」こそが、組織発展の原動力になるという点に特色があります。
ラーニングキャピタルは、エンゲージメント同様、何をもって測定するかがこれからの課題となりますが、まずは昨今e-learningなど学習の個別化が進む中で、敢えて人と人が「学びあう」「教え合う」という関係性においてエンゲージメントに与える影響などを探究していきたいと思っています。そしてそもそも組織の中で現在行われている研修や職場学習が本当に社員の成長と組織の発展に寄与しているかなども扱っていければと思っています。
私自身、これまで30年間、子ども向けの民間教育から学校教育、そこから社会人教育、企業内教育のそれぞれの領域に携わってきたことで、それぞれの対象や環境や目的に応じた教育の特性を見ることができました。これからは、そこで見てきたことを人と組織に与える影響という観点から社会に還元するフェーズに入っていければと考えています。組織の中で他者と学べることがその人の財産となり、互いに教え合う・学びあう風土が組織の発展に繋がるような循環を創りだす、今年はそんな「ラーニングキャピタル」元年の年にしていきたいと思っています。
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大人と子どもの学び方には違いがある一方で、多くの共通項があります。その共通項の1つである「主体的に学ばせる動機つけのメソッド(教え方のスキル)」は、管理職の部下育成や専門社員の教え方の向上など、あらゆるビジネスパーソンに役立っております。
細谷幸裕(ホソヤユキヒロ) 株式会社 市進コンサルティング 代表取締役
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