企業がeラーニングを動画で制作するメリットやポイントを解説

近年、企業の社員研修や教育の在り方は大きく変化しています。特にeラーニングの動画活用は、学習効果と運営効率の両面で注目を集めています。
本記事では、eラーニングに動画を導入するメリットや制作のポイントをわかりやすく解説します。
1.eラーニングとは
eラーニングのeとは、electronicの頭文字で、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを通じ、インターネット経由で行う学習を指します。
2000年代初頭に企業研修として導入が始まり、当初はテキストや画像ベースの教材が主流でしたが、2020年代に入り、高速通信(5G)・スマートデバイスの普及などが追い風となり、動画・音声を中心としたeラーニングが急速に広がりました。今後も動画を快適に再生できる環境が見込めることから、動画や音声を使ったeラーニングはさらに普及していくと予測されます。
現在では、次のような形式が一般的です。
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セミナー形式:講師が解説する講義型動画
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マニュアル形式:業務手順やシステム操作を解説する実務特化型
これらを組み合わせることで、学習者にとって理解しやすく、受講率の高いeラーニングが実現します。
2.eラーニングのメリット
企業がeラーニングを研修に取り入れる最大の理由は、学習効果の向上とコスト削減です。
2-1.テキスト教材のみよりも理解度が深まる
例えば、「業務システムの使い方」「顧客トラブル発生時の対応方法」「商品製造工程の流れ」などテキスト画像だけで伝えるのが難しい研修も、動画を活用すれば深く理解できるようになります。
また、テキストや画像のみの教材は、変化を付けるのが難しく単調になりがちです。単調になれば学習意欲も高まらず、深く理解するのも難しいでしょう。
動画であればBGMやテロップを使用により変化もつけやすく、繰り返し視聴も容易にできるため、より深く理解できる可能性が高まります。
2-2.コスト削減効果がある
社内や社外で行ったセミナーの内容を録画し、そのままeラーニングの教材として二次利用することが可能です。
セミナー内容を文字起こししてテキスト教材をつくる手間もかかりませんし、全国にある事業者や支店に講師が出向いて講義をする必要もありません。
そのため、遠方の場合は、交通宿泊費、会場費、移動時間などもかからないため、大幅なコスト削減が可能です。
また、オフラインのセミナーの場合、場所や参加者によって話す内容が多少なりとも異なる場合もあるでしょう。
しかし、動画であれば、いつでもどこでも誰もが同じ内容の研修を受けられるため、研修内容の均一化が図れるメリットもあります。
3.eラーニングに動画を用いる際の注意点
eラーニングに動画を用いる際、注意すべき点を6つご紹介します。
3-1.テロップを適切に挿入する
動画はテキストと画像中心の教材に比べ、わかりやすく多くの情報を伝えられますが、わかりにくい部分にはテロップを入れて補足するとさらに伝わりやすくなります。
動く姿とテキストの両方を同時に記憶できるため、理解度を深めるためにも適切なテロップの挿入は欠かせません。
3-2.映像や音声のクオリティを高める
映像が粗く肝心な部分がよく見えない、ノイズが多くうまく聞き取れないなどクオリティの低い動画では、学習意欲も高まらず、最後まで視聴しても理解が進まない可能性が高まります。
動画制作をする際は、コストをかけてでも映像と音声のクオリティを高める必要があります。
3-3.コンテンツごとに動画を切り分ける
電子テキストや画像の教材は、修正がしやすく間違えている箇所や古くなった箇所だけの変更が可能です。
しかし、動画は全体の撮影をし直さないと修正できない場合もあり、手間やコストがかかってしまう可能性があるでしょう。
解決策としては、例えば授業1コマ=1本の動画のようにまとめるのではなく、複数に切り分けて制作します。
切り分けた箇所だけを修正すればよくなるため、毎回すべての動画を制作し直す必要はなくなり、手間やコストの軽減が可能です。
また、短時間の動画は移動時間や電車の待ち時間などでも気軽に見られるため、受講率アップにもつながります。
3-4.あらゆるデバイスで視聴できる形式で制作する
Macでは見られるが、Windowsでは動画の形式を変換しないと見られない…。パソコンでは見られるがスマートフォンでは見られない…。といった制限があると、せっかく制作した動画も見てもらう機会が減りかねません。
基本的にどのデバイスを使っても同じように見られるよう制作することが重要です。
3-5.手間をかけずに視聴できるようにする
社員によってITリテラシーに差がある場合、動画のeラーニングを見られる社員と見られない社員で差が生まれてしまいます。
どの社員でも簡単に見られるようにするには、誰もが簡単に操作できる動画プラットフォームを活用することが重要です。例えば、利用経験者が多いと思われるYouTubeを使うのも一つの方法でしょう。
3-6.効果検証と改善を徹底する
高い学習効果が見込める動画のeラーニングだとしても、制作したまま改善をしないようでは高い効果も見込めません。
利用状況の効果検証は必ず行い、その結果から常に改善を徹底する必要があります。
例えば、YouTubeでは動画ごとの平均視聴時間や再生率も確認できるため、テキスト教材に比べ、より明確な改善も可能です。
4.eラーニング動画の制作方法

eラーニング動画の制作は、大きく分けて「社内制作」と「外部委託」の2パターンがあります。ご予算や目的に応じて最適な手法を選ぶことが重要です。
また、近年はAI技術の進化により、制作のハードルが大きく下がっています。ここでは、それぞれの方法の特徴や最新トレンドを解説します。
4-1.社内制作:コストを抑えて制作する場合
社内制作の最大のメリットは、低コストかつ柔軟に対応できることです。
自社内で企画から撮影・編集まで完結できるため、外部委託費用が不要で、スピード感を持って動画を量産できます。
主なメリット
- 外部委託費用が不要で予算を抑えられる
- 細かい社内事情を把握した担当者が制作するため情報の正確性が高い
- 急な変更や差し替えにもスピーディに対応可能
主なデメリット
- 専門スキルや機材が不足すると品質が低下しやすい
- 撮影や編集に社内リソースを取られ、本業の業務負荷が増大する可能性
- 効果的なシナリオ設計や視聴者を引き込む演出が難しいケースが多い
コストが抑えられる反面、企画から編集まで行うことにより時間がかかったり、対応の工数もかかり負担になりがちです。
4-2.外部委託:高品質かつ効率的な制作が可能
一方で、外部委託はプロの技術を活用して高品質な動画を制作できるのが最大の魅力です。
特に採用・教育・ブランディングなど対外的な見せ方が重要なコンテンツでは、品質が企業イメージを大きく左右します。
主なメリット
- プロの映像クオリティで視聴者の理解度・満足度が向上
- 撮影・編集の負担を外部に任せることで社内リソースを節約可能
外部委託で成功するポイント
- 目的・対象者・想定視聴時間など要件を事前に明確化する
- 制作会社選びでは、教育動画実績の有無も確認する
- 社内制作と組み合わせたハイブリッド型の運用も検討
このあたりを踏まえて検討するのがおすすめです。
4-3.2025年の最新トレンド:AI×プロ編集のハイブリッド制作
2025年は、AI生成ツールとプロの編集技術を融合させるハイブリッド型制作が主流になりつつあります。
例えば、
- AIナレーション:自然な音声で複数言語対応も容易
- 自動字幕生成:アクセシビリティ向上や多言語展開に有効 など
これにより、全て人が行わなくてもAIを活用することで、効率化できるだけでなくコスト削減×高品質化×制作スピード向上が同時に実現することができます。
5.まとめ|動画を活用し、eラーニングの成果を最大化しませんか?
動画を活用することで、いつでもどこでも学べることができる時代となりまして、ますます研修動画の需要が高まる状況です。
AIの普及もあり、AI音声を活用したナレーションなどを組み合わせることで、効率的に動画が制作でき、理解度の高い企業教育を実現できます。
しかし、実際には「どうやって導入すれば効果が最大化できるのか」という課題を抱える企業も少なくありません。
ホープン(旧社名:プリントボーイ)は50年以上にわたり、セミナー運営に関する動画の制作やセミナー資料のデザイン・ブラッシュアップなどを行ってまいりました。
eラーニングの研修動画を、ホープンが運営する「ICHIGO ICHIE DIGITAL」のスタジオを活用して行うことも可能です。
セミナー内容の企画から、撮影・編集・リアルタイムでの配信まで、ワンストップでサポートいたします。
eラーニング動画は、単なる情報提供の手段ではなく人材育成の成果につなげる学習コンテンツとして設計することで、企業の教育力を飛躍的に高めることもできます。
ぜひ、eラーニングに関するコンテンツ制作はホープンにお気軽にご相談ください。
このコラムを書いたプロフェッショナル
澁沢 舞
株式会社ホープン 次長
営業・制作経験と人事目線を武器に採用・研修・社内広報をホープンはトータルでサポート。採用・教育・社内施策を実現し「人事の悩み」を企画力とクリエイティブで解決。採用担当のリアルも踏まえながらお客様の課題を解決すべく専門チームを作り提案します。

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得意分野 | 人材採用、コミュニケーション |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 世田谷区 |
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