ミドルマネジャーのためのメンタリングコラム(3)
部下支援の基本は、部下のニーズを知り、あの手この手でそのニーズを満たす!
こんな経験はありませんか?
1.自分が理解し易い部下とそうでない部下が居る。
2.モチベーションを上げ易い部下とそうでない部下が居る。
3.指示やアドバイスをした時に喜ばれるケースとそうでないケースがある。
4.何を考えているのかよく分からない部下が居る。
5.自分は、いつも同じ対応をしているのにどうしてうまくいくケースとそうでないケース
があるのか疑問である。
状況や個性が違うとニーズが変化する
人を指導したり支援したりすることは本当に難しいですね。人は、どんな時に心を開き、どんな時にヤル気を起こし、どんな時に意欲を燃やすのでしょうか。実は、本質は、とてもシンプルなのです。その人の“ニーズ”、つまり欲求が満たされた時に心を開き、ヤル気を起こし、意欲を燃やすのです。
しかも、表層のニーズではなく、その人の持っている深層のニーズが満たされた時に、人は本気で動くのです。例えば、「助けて!」というニーズを持っている部下に「助け」を与えると、心を開きますが、別のもの、例えば「叱咤激励」を与えると反対に心を閉じてしまうのです。
「助けて!」、「見守って!」、「励まして!」、「教えて!」、「任せて!」・・・という部下の各状況におけるニーズを、あなたは、どう満たしていますか。
私達は、どうしても得意な指導スタイルをとりがちになってしまいます。ですから、励ますのが得意なマネージャは、相手のニーズに関係なく、ついつい励ましてしまいます。また、教えるのが得意な人は、部下のニーズを無視して、いつも教えている訳です。
本当に部下を動かそうとするならば、まずは、相手の状況のニーズを診断できること。そして、その次の段階は、そのニーズに応えることなのです。とてもシンプルです。
個性そのものにニーズがある
それから、人間は、一人ひとりの個性そのものにニーズがあります。つまり、一人ひとりベースのニーズが異なっているということなのです。しかし、この個性の違いは、ある程度体系化することもできます。
例えば、あるタイプの人達は、「結果」に強いこだわりを持っています。その反対に「結果」よりも「プロセス」に重きを置くタイプの人達もいます。別の例として、ものごとの「詳細」に価値を置く人も居れば、ものごとの「全体像」により高い価値を置く人も居ます。
あなたは、それぞれの部下の個性が持つニーズを判断することができていますか。この部下は、「楽しさ」が重要だ、とか、この部下は、「誠実さ」が最も大切だ・・・というような個性のニーズが診断できていますか。
診断ができれば、次のステップは、そのニーズを満たすことです。例えば、「詳細」や「プロセス」を大切にしている部下におおまかな結論だけを伝えるような指示のし方をするとヤル気を出すどころか、「いい加減な上司だ・・・」と信頼関係まで失ってしまいます。相手によって指示や支援し方も変化させないと最大の効果を得ることができません。
根本は、自分を知り、相手を知ること
相手を知ることは、自分を知ることに繋がります。自分が大切にしているものを他人が大切にしているとは限りません。つまり、孫子の兵法(己を知り、敵を知れば、百戦危うからず)の内容と同じなのです。
「助けて!」と思っている部下を助け、「励まして!」と思っている部下を励まし、「任せて!」と思っている部下には任せる、そんな自然な対応が人を動かすのです。そして、この原理原則にスキル(コーチングやカウンセリング等)が加わると鬼に金棒になります。もちろん、これは、営業(対顧客)であろうが家庭(対家族)での人間関係であろうが同じことが言えます。一度、試してみてはいかがでしょうか。
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人(個人と組織)の元気と本気を創るメンター/コンサルタント
企業の人材育成と学校教育の両分野で価値のブレイクスルーを通してモチベーションを高める独自の手法を用い、研修、講演活動などを行っている。 コンサルティング分野では、メンター制度導入、ミッションマネジメント、などを行っている。
大野雅之(オオノマサユキ) 株式会社統合共育研究所 代表取締役 メビウス人財育成グラジュエートスクール 学長
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