「復職プログラム」~業務フローの作成~
【ヒューマン・タッチ レター vol.80】
みなさん、こんにちは。ヒューマン・タッチの森川です。
前回のコラムでは、「こころの健康づくり計画書~指針の作成~」について
お話を進めてきました。
メンタルヘルス対策の仕組みづくりにおいて
次のステップとしては、以下の取組があげられます。
≪復職プログラムの作成≫
●業務フローの整理
●担当者の手引書作成
●復職判定に関する各種規定の作成
・判定基準
・判定員会開催の仕組み
●休職中のしおりの作成
●休職中の生活リズムチェック表の作成
●復職プランの作成
●関連する各種書式の整備
●就業規則や健康管理規定などの見直し
就業規則や各種規定については、企業の規模により
組合などとの折衝も必要になりますし、
すぐに手を付けるのが難しい状況も多いと思います。
指針と計画が作成できれば、
まずは「復職プログラムの作成」を検討してみてください。
「休職者が毎年一定数発生する」
「メンタル不調での休職から退職の流れで本人やご家族ともめた」
「事業所が点在しており、復帰までのルールが一定でない」
「離職者が続いている」
このような状況であれば、復職プログラムの作成は
会社にとって有益なものとなるはずです。
厚生労働省からは、
「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」
として、復職までの5つのステップが示されています。
このステップに沿って整理していくことが大切ですが、
包括的かつ部分的に、詳細な手引きそのままに作成するのはなかなか骨が折れます。
私がお勧めしているのは、
「業務フローの作成」「手引書の作成」
「復職判定に関わる規定の整備」「休職中のしおりや記録表の整備」
に分けて作成する方法です。
「業務フロー」の作成は、担当者によって変わってしまう不調者対応を統一し、
事業所レベルでの対応の違いを無くす有効な手段です。
「自分がそうなった時にはどんなふうに対応されるのか」
「会社はどのような考え方を持っているのか」
「前回の不調者との対応の違いはないか」
などなど、不調者への会社の対応は、人事労務の皆さんが思っている以上に、
周りの従業員は目を凝らしてみています。
不調者がしっかりと回復して職場復帰を果たすのはもちろん、
優秀な人材を引き付け、つなぎとめるためにも
復職支援の果たす役割は大きくなってきています。
「当該従業員」「管理監督者」「人事労務担当者」「社内産業保健スタッフ」
「産業医」「社外専門家」「主治医」「リワーク担当者」といった
登場人物ごとに、時系列で取り組みを整理していきます。
先ほどふれた5つのステップ
①「病気休業開始時・休業中のケア」
②「主治医による職場復帰可能の判断」
③「職場復帰のための情報収集と評価・職場復帰支援プランの作成」
④「職場復帰の決定」
⑤「職場復帰後のフォローアップ・再発防止」
の流れに沿って整理するとわかりやすいと思います。
この際、休職に入るまでに、各社それぞれの流れがあると思います。
有給休暇の取得、積立休暇の取得、病気欠勤の取得、
自社のケースに当てはめて整理してみてください。
整理の方法としては、現状の流れをフロー図に落とし込み、
あるべき上記のステップに沿って
足りていないアクションを整理していくのが一般的です。
この際に、必要な書式も書き出してみてください。
備えておくべき書式が足りていない場合は新たに作成する必要も出てきます。
出来る限り詳細に、「休職から復帰」「主治医の診断書が出た後に再休職発令」
「休職中に退職」など、様々なケースを想定して
フロー図(分岐)を準備しておけば、安心です。
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森川 隆司(モリカワ タカシ) 株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
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