医師面接には行きたくない~高ストレス判定後の実状~
【ヒューマン・タッチ レター vol.30】
みなさん、こんにちは。森川です。
今日は、ストレスチェックの結果、高ストレス者に該当した方の対応について話題にさせてください。
ある会社の従業員の方から
「高ストレス者に該当したけれども、医師面接は行きたくない」
というよりも、以下の理由から「行きにくい」というお話をいただきました。
・忙しくて面談にいく時間の確保が難しい。
・初めて会った相手に、所用時間40分ほどでは、状況説明くらいしか話せない。
・仕事の時間を割いて面談しているので、その後の仕事が気になり、ゆっくり話せない。
・話した内容が社内に知られるのでは、という不安。
確かにそうですね。
現状、高ストレス者に該当する方は、実施者全体の約10%前後です。
この中で、医師面接を申し出る方は、弊社の数字でも3~5%程度です。
1,000人規模で実施した場合、高ストレス者が約100人、
その中で医師面接を希望されるのは3~5人程度の計算です。
この場合、高ストレス者の実に95人以上は、
何も対応されない可能性があるということです。
この理由、上記の方のご意見を聞くとよくわかります。
今までにない文化というか、対応ですので
医師面接への疑問や不安、また、実務的な課題を感じるのは当然だと思います。
ただ、医師面接は、個人情報が適切に取り扱われることが前提ですが、
私個人は以下の理由から、メリットも多い取り組みだと思っています
・現状のこころの健康度を客観的な視点から確認できる
(自分では不調を認識しづらい)
・必要に応じて、医療機関等の情報提供をしてもらえる
・必要に応じて、職場での就業状況の配慮につながる
・「自己効力感(自分に対する信頼や有能感)」の向上
・「カタルシス効果(ストレス解消、うっぷん晴らし)」の向上
・「内省(自分の考えや気持ちを整理する)」の向上
・問題解決のヒントは自分の中にある
事業主側も、医師面接の実施率の低さに対しては、問題意識が高まっており、
心理職などによる全員面談(予備面談)などを実施するところも増えてきております。
この場合、原則面談内容は守秘され、最大で1時間程度しっかりと時間を取り、面談場所も工夫することが可能です。
「いつもと違うぞ」と感じる不調の際、
医師や心理士の面談を受けることは、いち早く自分の状況に気づき、
適切な対応をとるために必要なことだと思います。
加えて、不調というより
「なんだか頭の中がもやもやする」
「イライラがつのる」
「仕事がうまくいかない」
こんな場合でも、面談受けていただき、
自らの考えや気持ちを整理するのに、ぜひご活用ください。
- モチベーション・組織活性化
- 安全衛生・メンタルヘルス
- コーチング・ファシリテーション
- チームビルディング
- コミュニケーション
通算500社以上のコンサルティング、900件以上の復職面談、年間100件以上のセミナーをこなすメンタルヘルス対策専門コンサルタントです。
メンタルヘルス対策の仕組みづくり、個別休職復職支援、ラインケアセミナー、セルフケアセミナー、全員面談、ストレスチェック、職場環境改善、災害・自死等の危機対応など、「こころ」の視点から、「いきいき職場づくり」をトータルに支援いたします
森川 隆司(モリカワ タカシ) 株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
対応エリア | 全国 |
---|---|
所在地 | 船橋市 |