職場に不調者がいる場合の対応について【同僚編】
【ヒューマン・タッチ レター vol.19】
みなさん、こんにちは。ヒューマンタッチ森川です。
前回のコラム「職場に不調者がいる場合の対応について【管理監督者編】」
に引き続き、【同僚編】を書いてみたいと思います。
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前職で、精神的に不安定になった先輩がおり、出勤、欠勤を繰り返していました。
出勤した日も、仕事中に突然泣き出したり、仕事とは関係のないことをしていたり。
一緒に働く身としては、腫物に触るような対応になってしまい、
どのように接していいかわからず、同僚も皆、困っていました。
(その方は結局3か月ほど休職され、そのまま退職されました)
同じ部署に、復職された方がいた場合、上司や管理監督者は、
対応方法について研修等あるのかもしれませんが、
同僚の立場として、接し方に困ることがあるのではないでしょうか。
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同僚、先輩、後輩として、このような方にどのように接すればよいか。
改めて考えてみると、なかなか難しいです。
ヒントとしては、「事例性」と「疾病性」という考え方が
役に立つように思います。
前者は「会社での問題(困っていること)は何か」という視点で、
後者は「疾病(病気)として現れている症状からみる」という視点です。
もちろん、疾病性に関しては、専門家が判断するわけで、
会社で同僚、先輩、後輩が判断するものではありません。
ただ、「病気かも」「症状かも」という気付きを
得ていただいたのであれば、専門家につなげていただければ、
ありがたいと思います。
本人にとっては、
「大丈夫!」「病気のわけがない」ということかもしれませんが
「周りから見れば、最近、突然涙を流したりしてるよね」
「欠勤が多いのは眠りの問題かな」
など、外に出ている心身の変化から指摘して、
いきなり専門家でなくても、かかりつけ医でも、
まずは医療とつながってもらうために、声掛けしていただければありがたいです。
ここらへんは、管理監督者と同じですね。
また、復職してきた方に関しては、
「3か月は座っていられれば上出来」ぐらいの気持ちで、ご理解いただきたいと思います。
いきなり負荷をかけて、再休職してもうよりは、
できることから少しづつ、業務を戻してもらう方が、
実は周りにとってありがたいこともあると思います。
メンタルでなくても、1か月単位で休職した場合、
気持ちもさることながら、体力面でも、以前の状態まで慣れることはやはり大変ですから。
やっかいなのは、「事例性」として困ったケースについてです。
病気でもない(本人が否定している、もしくは診断書も出ない)けれど、
周囲が困っているケースですね。
このようなケースは、ずばり、上司や人事労務と情報共有して、
自分(の業務)との関わりには、当該職員とある程度の線を引くことも1つかと思います。
「何とかしてあげたい」という思いは、誰にでもありますが、
それによって、こちらまで体調を崩したり、
働きにくくなる職場にしてしまうようであれば、本末転倒ですね。
会社としての権限(評価など)を持つ上司や人事労務に対応を
任せるのも1つではないでしょうか。
大きな会社では、このようなケースに対応するプロフェッショナル人事がいるものです。
会社の方針がしっかりと示され、
その方針に沿った上司のきちんとした指導や評価がなされていれば、
このような方はやがて、この会社は自分と合わないと判断して、
自ら道を変えることもあると思うのです。
少し乱暴な意見かもしれませんが、会社は何をする場所か。
労務の提供をしてその対価を得る場所です。
自分が崩れてしまったら何にもなりませんね。
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森川 隆司(モリカワ タカシ) 株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師

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