職場に不調者がいる場合の対応【管理監督者】編
【ヒューマン・タッチ レター vol.18】
みなさん、こんにちは。ヒューマンタッチ森川です。
今回の話題も弊社社員Sさんからのリクエストです。
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前職で、精神的に不安定になった先輩がおり、出勤、欠勤を繰り返していました。
出勤した日も、仕事中に突然泣き出したり、仕事とは関係のないことをしていたり。
一緒に働く身としては、腫物に触るような対応になってしまい、
どのように接していいかわからず、同僚も皆、困っていました。
(その方は結局3か月ほど休職され、そのまま退職されました)
同じ部署に、復職された方がいた場合、上司や管理監督者は、
対応方法について研修等あるのかもしれませんが、
同僚の立場として、接し方に困ることがあるのではないでしょうか。
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不調が疑われる社員への対応ですね。
Sさんの言うように、対応する側としては
同僚の立場もあれば、上司や管理監督者という立場もあると思います。
まずは、管理監督者としての対応について話題にさせてください。
「気づき」「声かけ」「聴く」「つなぐ」。
この業界では長く言われてきている、管理監督者の職場でなすべき対応です。
管理監督者の方に求められることは、薬を勧めたり、カウンセリングを行うことではありません。
専門職に「つなぐ」ことが、最終的に求められることです。
そのために、いつもとの違いに「気づき」、積極的に「声をかけ」、
可能であれば、時間と場所を区切って「話を聴く」。
この中で短期的な気持ちの揺れではなく、病気や症状といったことを
視野に入れる必要がある情報が入ってくれば、躊躇なく「つなげる」ということです。
◆「気づき」
いつもとの違いに気づいてください。
皆さんが思っている以上に、「体調大丈夫?病院行ってくれば」と
職場で言われて、受診する方は多いのです。
日中長い時間を共にする職場の人間だからこそ、
「会議での様子」「昼食の様子」「身だしなみ」など、
「いつもとの違い」には、アンテナが反応するのだと思います。
もちろん、勤怠面でも「遅刻」「早退」「欠勤」、
また「業務能率の低下」など、これらもいつもとの違いですね。
◆「声かけ」
いつもとの違いに気づいたら、積極的に声をかけてあげてください。
ただ、いきなり、「精神病院へ行ってこい」と言えば、これまた問題になりかねません。
私が逆の立場であれば、外に出ている変化、誰が見てもわかるような変化から
指摘してもらうほうが、受け入れやすいと思います。
「昼ごはん、最近一人で食べるようになったみたいだけど…」
「会議での自発的な発言が少なくなったように思うのだけど…」
「今週は早退2日目だけど…」
明らかな変化があるにも関わらず、対応しない場合には、
組織や管理監督者の安全配慮義務が問われることにもなりかねません。
何もなければ、それでよいのですから、しっかりと声掛けしてあげてください。
◆「聴く」
「傾聴」です。耳を傾けて、話を聴いてあげてください。
可能であれば、時間と場所を区切って対応していただきたいです。
「アドバイスしてやろう」「問題を解決してやろう」の前に、
「○○な気持ちなんだね」「それは○○だったね」と、受容と共感のスタンスが大切です。
目の前に聴いてくれる人、理解してくれる人がいると、
少なくとも私は「もっと聴いてほしい」「もっと理解してほしい」と思います。
◆「つなぐ」
大切な要素ですね。
しっかりと話を聴ければ、「いつもとの違い」やうつ病に特有の症状
(眠り、食欲、思考力、抑うつ感、など)の話題が出るかもしれません。
複数の心身の症状が2週間以上継続しているようであれば、
産業医、保健師、カウンセラーなど専門職につないでください。
コラムの中なので、あまり詳しく書けませんでしたが、
ラインケアでは、なにより「つなぐ」ことが大切になります。
社内での関係性も気になるところですが、
病気の状態であれば、仕事をさせることはできません。
「気づき」「声掛け」して、しっかりと話を「聴く」ことが、
「つなぐ」前提となります。
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森川 隆司(モリカワ タカシ) 株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師

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