『守護霊ゲーム』
【ヒューマン・タッチ レター vol.06】
『守護霊ゲーム』~臨床心理士が教える具体的事例~
みなさん、こんにちは。ヒューマン・タッチ森川です。
新入社員研修の季節ですね。
入社後数か月たって、新人教育もひと段落。
これから配属というこの時期に、改めてメンタルヘルス研修を入れていただく企業様は多くあります。人材不足の中、せっかくご縁があって入社した職員の皆さん。会社側も「早期離職」は避けたいのが本音のようです。
通常、2~3時間の研修時間をいただくことが多いのですが、その中で「自分を知る」一環で、「自分の知らない自分」を知り、「他者が知らない自分」を広げるくだりがあります。
前者は、他者からのフィードバックをもらい、自分を知り、後者は自分から「開く」ことで、相手に自分をより知ってもらう実験です。
自分を開く体験として『守護霊ゲーム』と一般的に呼ばれているワークがあります。5人から10人ぐらいのグループで、車座にいすを置き、1人1人椅子の後ろに立って、「自分の守護霊」として自分のことを順に数分間話していきます。「守護霊」として客観的に自分を見つめて、話す(開く)ことへの抵抗を減らし、自分の知らない自分を広く知ってもらう実験です。
皆さん当然戸惑うので、必ず私自身が見本として実演します。
その際には「守護霊として話したい事、話してもよいことまででOKです。話したくないことはもちろん話さないでOKです。また、どうしても話すことがつらい方は、「パス」してください。「パス」も認めてあげてください」とお伝えして、話し始めます。
「私は森川隆司の守護霊です。彼を44年見守ってきました。彼は和歌山県の田舎で生まれて…。こんな彼を今後も見守り続けていきたいです。」という具合です。
私は比較的生い立ちや、趣味、転職の経緯などお話するのですが、ここ数年の新人の皆さんの「守護霊」のお話を聴いていると、比較的深く自分の内面や、それこそ「つらい」出来事も上手にお話することを感じています。
もしかすると、SNSやYouTubeなどで情報発信が上手になってきているのかな、とも感じています。
他方、新人の方であると、学生時代のつらい出来事などを思い出して、涙ぐんでしまうような方もゼロではありません。
ただ、このような自分を「開く」体験の際に、「高揚感」というか「光が差す感じ」というか、「少し目の前が開けるような感覚」を体験される方は、多いように感じます。勇気を持って自分を開き、そこで相手も開いてくれたときのつながり感でしょうか。あるいは、自分が知らなかった相手の陰影を知ることで、相手を一色ではなくグラデーションで理解することが出来る体験でしょうか、とても大切に感じています。
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森川 隆司(モリカワ タカシ) 株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
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