女性役員ゼロ→25%へ。ガラスの天井を突破する3つの具体策

今回は、
「生え抜き女性社員育成を阻むガラスの天井とその打開策」
について一緒に考えていきたいと思います。
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■“ガラスの天井” がもたらす組織の機会損失
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技術系企業が持続的に成長するためには、
「生え抜きの女性役員」を育て、
意思決定層に多様性をもたらすことが不可欠です。
しかし現実には、キャリアのどこかで見えない壁に阻まれ、
優秀な女性人材が経営層にたどり着けないケースが
後を絶ちません。
これは企業にとって、
極めて深刻な機会損失につながります。
その要因として、以下のような課題が挙げられます。
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1.「見えない基準」による昇進の意思決定
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評価基準が言語化されず、「適任者は自然に決まる」という
文化が残っていることで、無意識バイアスが助長され、
同質的な人材が役員に選ばれ続けてしまう。
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2.モデルケースが存在しない
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役員層に女性がいないことで、若手・中堅女性社員が
「自分にもできる」という将来像を描きにくくなり、
モチベーション低下や候補者層の縮小を招く。
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3.ライフイベント期の支援不足
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出産・育児などでキャリアが停滞する仕組みが残っていると、
復帰後も昇進レースから外れやすくなる。
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3つに共通するのは、いずれも組織側の仕組みや
意識に原因がある“構造的な壁”という点です。

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■【事例】ガラスの天井を突破し、女性役員比率25%へ
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ある技術系企業様では、
当初役員クラスの女性は一人もいませんでした。
経営層が危機感を持ち、全管理職に
「MBOに女性リーダー育成に関わる目標設定義務化」
「女性管理職候補者のリスト化」
の徹底を指示しました。
また、ライフイベント期にキャリアが中断しないよう
評価制度を改革し、女性社員向けに
キャリアアップへの意識改革を促す研修・
ワークショップを継続的に実施しました。
その結果、課長→部長→執行役員へと
昇進する女性が複数現れはじめ、今では
役員層の女性比率は約25%を占めています。
同時に、若手社員のキャリア志向も大きく変化し、
全社的にチャレンジ意欲が高まりました。
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■組織の未来を切り拓く3つの具体策
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生え抜き女性役員の育成は、
表面的なダイバーシティ施策だけでは実現しません。
以下の3つの具体策を、少しずつでも進めていくことが、
組織に新しい風を吹き込みます。
●昇進の透明化
・評価・登用基準を言語化し、全社員に共有する
・候補者を早期にリストアップし、計画的に育成する
●モデルケースの創出と発信
・管理職に昇進した女性社員の事例を積極的に社内外で共有
・「女性役員誕生は例外ではない」という文化を育てる
●ライフイベント支援の仕組み化
・キャリア停滞を生まない柔軟な業務設計や代替要員の確保
・復帰後も責任あるポジションに戻ることを前提とする
こうした仕組みを整えることで、
優秀な女性人材が安心してキャリア形成できる
環境が少しずつ広がっていきます。
「大きな変化は小さな一歩の積み重ねから」。
その一歩が、組織の未来を変える大きな力に
なることを私も信じています。
ぜひ、まずできるところから歩みを進めて
いただけたらと願っています。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
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