人材育成施策の秘訣:継続実践/気づきを促す/長く活用できる
ダイバーシティ経営コンサルティングで関わらせていただき3年となった
あるIT系企業において、組織変更がありました。
その会社様では管理職育成プログラムを女性管理職および
次期女性リーダー向けに実施したのがかれこれ2年前だったのですが、
その受講者だった女性管理職の1人の方からいただいたメールを拝見し、
「育成プログラムが終わった後も、ずっと役に立つような
知識やノウハウはもちろん、自分スタイルを確立できる
継続実践に取り組むことは必要不可欠だ!」
と改めて思ったことがありました。
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■Aさんからのメール
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女性管理職(Aさん)からのメール内容の一部を
ご紹介したいと思います。
現在、Aさんは新たに創設された部署の部長として
頑張っておられますが、メール内容にある通り、
さまざまな課題を抱えながらも、自分の手で周囲の環境を
良くするんだという姿勢が自然と行動につながり、
リーダーとしてメンバーの力を引き出し、チーム成果を出そうと
試行錯誤している様子が伝わってくるようです。
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細木先生
◯◯会社のAです。
先日、少しお話しましたが私のチームは契約形態がまちまち
(定年退職後の業務委託、定年再雇用、正社員、
復職者、派遣)で、キーマン不在、年齢層も
評価対象も拠点もバラバラでチーム運営がかなり厳しい状態です。
会社として体制、人材ローテーションを考えて
せめて1人でも前向きに働く人を投入して欲しいところですが
今できることは何かということを考えていました。
ちょうどその時に、大阪と福岡のメンバが東京に集まるという
機会があったので、昨日、2時間くらい対面でミーティングをしました。
事前に、しなやかリーダー塾で使った「自分のあり方シート」を
メンバーに書いてもらい、当日、私から働き方について
説明(いくつかしなやかの資料を使わせていただきました)して、
各自、発表してもらいました。
発表してもらいディスカッションするけれど、何が正解と
いうのではなく、継続して自分のあり方(時に変化する)を
意識しながら働くだけで取り組み方も変わってくるという話をしました。
メンバは今までそういった経験がなかったようで
自分のあり方シートを書こうと自分を見つめなおすことが
経験できて新鮮だったとの声がありました。
意識改革はすぐにはいかないですし、育成するには期間がなさすぎる
定年再雇用の人が半分いるので厳しい状況は変わりないですが
少しでもチームが活性化するように取り組みたいと思います。
私の個人的な経験になりますが、管理職育成プログラムで
学んだことは、その時だけでなく、ずっと役に立ちますし
今回のように実践でも助けになるので
ぜひ今後男性も女性も受講者を増やしてほしいと思います。
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■「継続実践」で自分成長が加速する
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Aさんはしなやかリーダー塾受講当時はSE部の課長という立場で、
1年間という長期育成プロジェクトの中で課題実践をしながら
多忙な現場を取り仕切るのは、容易なことではありませんでしたし、
それについては私自身が同じ立場で働いていたからこそ
Aさんの辛さは良く理解していたつもりです。
Aさんは途中何度も挫けそうになり、その度に私に連絡をくれて
部下には打ち明けられない悩みを時に泣きながら相談してくださり、
最終的には「もう一踏ん張りします」と言って、前向きな気持ちを
自ら取り戻していたのを良く覚えています。
最終的に、Aさんが1年間取り組んだ業務改善案は
所属部署のコストを89%カットする成果となり、
会社からも表彰されて、受講者全員で喜びを分かち合ったのが
ついこの間のことのように思い出されます。
Aさんは、管理職育成プログラムで学びながらさまざまな気づきを得て
自分なりに学んだノウハウをカスタマイズしながら、今まさに
“自分スタイル”でマネジメントに取り組まれている姿が目に浮かび、
もう一踏ん張り、と何度も自分に言い聞かせながら実践を続けた成果が
今まさに現場で活かされているんだなと思った次第です。
*
本管理職育成プログラムで仕掛けている取り組みのポイントの1つが
「継続実践」です。
その内容は、自身の業務における課題解決が主で、
通常管理職やリーダーの立場であれば、
日常業務に取り組みながら常に業務改善に取り組み、
生産性向上、チーム内のモチベーションアップなど
並行して取り組まれていることと思います。
次期リーダーとして、業務に忙殺されるのではなく、
常に中長期的な視野を持ち、経営視点で業務を把握することを
現場実践を何度も繰り返し、小さな成功体験を積み重ねて
確実に実力の定着を促すことに重点を置いています。
しかし、研修やプロジェクトなど期間を限定した施策は、
その期間が終わってしまうと、継続性を保ちづらいという側面も
あるのは仕方のないことかもしれません。
そこで、管理職育成プログラムでは継続的に取り組んでいけるよう、
スタート時からネットワークづくりにつながる仕掛けを意図的に、
随所に取り入れています。
他にも講師との相談・面談を無制限にするなど、
安心してチャレンジできる環境を整備することによって、
育成対象者の「自らを成長させる」という姿勢に
繋がっているのではないかと考えています。
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■気づきを促し、ずっと活用できるものを
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Aさんのメールに「自分のあり方シート」について綴られて
いる部分がありましたが、このコンテンツはしなやかリーダー塾が
スタートした当初から、受講される方に広く受け入れていただいている
コンテンツになっています。
他にも、比較的女性に反響の高い「自分の強み発見シート」についても、
先日実施した技術系企業の女性社員向け研修で人事担当者の方が
「『自分の強み発見シート』ワーク後の『自分のあり方10箇条』で、
場の雰囲気が一気に変わって、みんなの表情もイキイキし始めて
とても驚きました」
とコメントを頂いていました。
これらのことからも、やはり人は、誰かから指摘されて
改めた行動に比べると、自ら気づきを得ることによって
生まれた姿勢やその行動には、思い描いた成果・成長に
より効果的に近づいていくための大切な第一歩になる力が
備わっているのではないかと、私は改めて実感しています。
そういった真の気づきには、自分だけでなく、
周囲の人の気づきも促す力も備わっていることが多く、
結果として、相乗効果でチーム全体の気づきや学びにつながり、
目指す成果にもたどり着き安くなるのではないかと
思っています。
育成対象者の皆様が、より良い気づきや学びへつながるよう、
当社も常にコンテンツをブラッシュアップして、
真の気づきが得られ、その後も長く活用いただけるような
プログラムを提供し続けてまいります。
人材育成に携わっている人事担当者・管理職といった方におかれましても、
「継続実践」「気づきを促す」「長く活用できる」というポイントを
意識して人材育成施策取り入れることを、ぜひお試しいただければと思います。
- 経営戦略・経営管理
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◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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