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技術系企業のD&Iを加速させる「管理職」と「社員」の特徴

組織において、現場視点と経営視点は
相反する場面も少なくないと思います。

そこをつなぐのが管理職であり、
経営視点を踏まえた行動によって
成果と成長を得られるように導くことが
会社から求められる重要な役割の1つであると
私は思っています。

一方で、社員側のあり方や姿勢も重要です。
どんなに管理職側が良い関わりを続けても、
その思いを受け取り、活かそうという姿勢が無ければ
十分な成果には到達しづらくなってしまいます。

今回は、
・管理職に求められる役割
・自律型姿勢の重要性

この2つについて、事例を交えながら
お伝えしたいと思います。



┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
■社員の力を引き出す管理職の関わり
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛


現在、私が支援させていただいている
技術系企業様の中で、女性社員の有志メンバーで
構成されている女性活躍推進プロジェクトがあります。

IT系の職場で、新3K(きつい・厳しい・帰れない)の現場に
直面している女性たちですが、多忙な業務の合間をぬって、
定期的なミーティングを重ねています。

そこでの共通意識はこちら(↓)

●自分たちも、会社も、より良くなるために
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ミーティングで話し合われたことから生まれた施策は
それぞれの持ち場で実践され、そこでのフィードバックを
得ながら、さらにPDCAを回すという良い循環ができています。

とはいえ、男性管理職比率9割という職場環境で、
男性視点中心となっている以上、周囲の理解や協力を得るには
一筋縄ではいかないことばかりです。

つい先日も、女性活躍推進プロジェクトの
リーダーからこんな話を伺いました。

----------------------------
上司から急に役員会議でプロジェクトの
施策内容と次年度に向けた展望を話すよう言われました。
その数日後には、社長説明も必要だそうです。

その場では了解したものの、後から今回の説明に至った
背景や状況が見えず、実際に説明を終えた後の方向性も
見えてこなかったので、自分から改めて上司に声をかけて
ようやく全体像が見えてきた次第です。

女性社員の中には、自分から上司に積極的に相談するのが
苦手な方も少なくありません。だからこそ、自ら学び続けて
いく必要はあります。一方で、もう少しだけ、女性の特性を
理解した上でフォローや指導ができる管理職育成が必要だと
改めて思いました。

私は細木先生に相談できますが、もし相談できる上司がいないと
女性社員の心中は厳しいでしょうね。私もなるべく女性社員の
サポートができるよう動いていきます。
----------------------------

この話を伺って、私は女性に限らず、
相手の力を引き出す関わりをしてくれる人の存在は
とても重要だと感じました。

特に、一過性の性質を持つモチベーションは、
周囲の日々の関わりを通してそのきっかけを得て、
最終的には自分の力で維持し、アップさせていくものだと
私は考えています。

自分自身の努力もさることながら、より社員の力を引き出すために
管理職がどうやって関わっていくのか、ということは
それぞれが熟考し続けていく必要があると思います。



┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
■受け取る側の「自律型姿勢」
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛


管理職が、社員の力を引き出す関わりにどんなに
一生懸命取り組んでも、受け取る相手の姿勢や意識が
伴わなければ、やはり求める成果には十分達しないことが
多くなってしまうのではないでしょうか。

それを痛感したのが、ある技術系企業の
次世代リーダー育成プロジェクトに1年ほど
関わらせていただき、その集大成を発表する
最終報告会に向けた報告書の内容を拝見した時です。

会社に大きなインパクトを与えるレベルの成果を
出している受講者は、指導側にいた私から見ると、
他の受講者と比べても「自律型姿勢」が徹底されているのが
明白でした。

1年間を振り返っても、自律型姿勢で取り組む受講生から
提出される課題シートに書かれている内容は、視点が高く、
グループメンバー同士のフィードバックコメントからも
相手の視点を引き上げ、モチベーションをあげるような
気づきを促すような関わり方には感心したものです。

特筆すべきは、プロジェクト開始時点で取り組んだ
経営指標分析から得たものを、アウトプットとして出している

という点が私が最も素晴らしいと感じたことでした。

自身が会社から求められている役割を十分認識した上での
取り組み姿勢と、その成果を見れば、誰もが応援したくなるような
そんな受講生の成長が見られたことを、私は大変嬉しく思います。

もちろん、受講者全員が自分なりの自律型姿勢で
プロジェクトに取り組んでくださいましたが、
その姿勢に現れた濃淡によって、最終的な結果に
差が生まれてしまったのも事実です。

「上司がサポートしてくれない」
「周囲が理解してくれない」
「人事のフォローが足りない」


といった声も一部の方から寄せられており、
やはりそういった方のアウトプットを見る限り、
その成果は限定的だったり、視点が現場寄りだったり、
取り組み内容に形骸化が感じられるものがありました。

このことから、自律型姿勢で取り組むことが
より良い成果をもたらし、逆にその姿勢が薄れると
悪いスパイラルに陥ってしまう可能性があることを
より肝に銘じて、今後も受講者と向き合っていかねば
ならないと、私は思った次第です。



┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
■「マインド醸成+実践」で成果につなげる
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛


ダイバーシティ推進に取り組んでいる、または
今後取り組もうとされている際には、今回お伝えした

・相手の特性を引き出す関わりの重要性
・自律型姿勢のマインド醸成


この2つがポイントであり、それぞれに対する
理解が醸成された上で施策展開に取り組んでいただくことが
より効果的かつ効率的な成果に繋がっていくと考えています。

中でも私が技術系企業ダイバーシティ推進支援に取り組む際に
最優先事項として提示するのが【自律型姿勢のマインド醸成】
であることがほとんどです。

現場の実態を正しく把握し、自律型姿勢につながる
意識付けからマインド醸成につなげた上で、
経営層の思いと社員ひとりひとりの成長をつなげて
いくことができれば、どんな施策でも大きな意味と成果を
もたらしてくれると確信しています。

自律型姿勢のマインドを醸成するためには、
研修の場だけではもちろん不十分ですので、
現場での実践とセットにすることで、周囲からの
フィードバックを得られる環境を整え、
PDCAを回していくことが、より意識を高める可能性を
引き上げていく
と思います。

特に技術系企業における人事部やダイバーシティ推進、
女性活躍推進のご担当者が、自社においてマインド醸成の施策に
取り組まれる際には、ぜひ、実践をセットにして取り組むことを
ご検討いただきたいと思っております。

  • 経営戦略・経営管理
  • モチベーション・組織活性化
  • キャリア開発
  • リーダーシップ
  • マネジメント

◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成

元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。

細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

細木聡子
対応エリア 全国
所在地 千代田区

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