一人一人の意識レベルに合わせた研修や施策に取り組む重要性

ある技術系企業の女性活躍推進プロジェクトの一環で実施している、
全女性社員約60名との個別面談を通して、
「一人一人の意識レベルに合わせた研修や施策に取り組む重要性」
を改めて実感しています。
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■長期的なストーリーを描くということ
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前回のコラム(↓)
https://jinjibu.jp/spcl/hosoki/cl/detl/3836/
こちらでご紹介した技術系企業様での女性社員個別面談において、
昨日までに40数名の皆様とお話させていただきました。
女性社員のほとんどが「一般職」であり、
年齢層も幅広く、当初は女性活躍推進プロジェクトに対しても
自分はどのように受け止めていけばいいのかと
悩む方も少なくありませんでした。
3年前、私が女性活躍推進プロジェクトに関わるようになった
当時のこの企業様では、全社的なダイバーシティ推進に対する
意識醸成が急務な状況でした。
それと同時に、女性活躍推進プロジェクトを
どのように進めていくべきか?
ダイバーシティ推進の先にある
「ダイバーシティ&インクルージョン」を実現するために
自社ではどんなストーリーを描けばいいのか?
長い歴史のあるこの企業の経営者様が、
「今ここで自分たちは変わっていく必要がある」と
強くコミットメントを示し、その思いを受けた人事担当者様と
一緒になって、現場の実態を常に把握しながら、
長期的なストーリーを作り上げたことが
昨日のことのように思い出されます。
そして3年目となった今、女性社員の皆様の意識レベルは
格段に上がっており、経営的視点を持って業務改善に取り組み、
成果を出されるまでに成長されています。
まさに、思い描いたストーリーが現実のものとなって、
今、動き始めている形です。
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■3年の積み重ねが成果につながった
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前述の通り、この技術系企業様の女性社員のほとんどが
一般職の方となっていますが、彼女たちの業務に取り組む
姿勢や視点は、リーダー層に近づいてきているのを
私は日々感じています。
例えば、
「他部署との連携強化を提案し、勉強会開催が実現した」
「勉強会で製品知識向上し、突発的な問題に対して
解決策を提案し、期間限定だが採用され問題解決につながった」
「世界情勢や客先の生産動向把握を通して、在庫金額を29%削減」
といったことを、実際に個別面談をした女性社員の一部の方から
ご報告を伺っており、女性社員の上司に当たる方や人事担当者からも
成功事例という形で私の元には複数の情報が寄せられていました。
昨日面談をしたある女性社員の方からは、
「先生との面談を通して、育成に興味が沸きました。
マネジメントに関する良書を紹介してもらえませんか」
とその場でご相談をしてくださったのですが、
同様のご相談をすでに2名からいただいており、
非常に前向きに自身のキャリアアップを考える
一般職の女性社員が、数名出てきたということに
私はとても感動しました。
というのも、これまでの3年で少しずつ試行錯誤しながら
女性社員の皆様を育成し、お一人お一人の意識レベルに合わせた
フォローをするなど、細かいながらも少しずつ積み上げてきたことが
彼女たちの「自律的な行動」となり、その結果が会社も認める
成果になり始めた、と手応えを感じた瞬間でもあったからです。
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■一人一人の意識レベルに合わせた施策を
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少しずつ成果が出てきているとはいえ、
もちろん、女性社員お一人お一人の
意識レベルや成長度合いには濃淡はあります。
とはいえ、今の成果につながったのは、
ダイバーシティ推進・女性活躍推進の取り組みを通じて、
その先にあるダイバーシティ&インクルージョンへと
続くストーリーをしっかりと描くことができていたから
であると私は考えています。
特にダイバーシティ推進といったものは、
気づきを促す取り組みが中心になると思います。
階層別研修で意識醸成をするなど検討されることも
多いかと思いますが、等級や年齢に拘りすぎず、
どんな施策を誰にどのタイミングでやるかを、
長期的なストーリーを踏まえて、計画的に実施することが
費用対効果がより高い施策となることは、私のこれまでの
経験や、サポートさせていただいている企業様の成果を見ても
明らかだと思っています。
現場の実態を常に把握しながら、
描いたストーリーを踏まえて施策立案・実行、
そして効果検証を繰り返すことは
簡単なことではありません。
しかし、それが実行できれば、今回ご紹介した
技術系企業様のように、取り組み後2〜3年目くらいから
必ず成果が出て、ダイバーシティ推進による
意識浸透が感じられると私は確信しています。
ぜひ、ダイバーシティ推進や女性活躍推進に取り組む
人事担当者の方には、長期的なストーリーを描きつつ、
「一人一人の意識レベルに合わせた研修や施策」
を進める重要性について、考えていただきたいと思います。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
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