上司・人事部が納得した女性社員の成長
先週から、ある技術系企業の女性活躍推進プロジェクトの一環で
全女性社員約60名との個別面談がスタートしました。
本ブロジェクトは3年目となっており、
この個別面談も3回目。
私は女性社員育成を全面的にサポートさせて
いただいておりますが、3年という時間を経て
個々人の成長に大きな差が出てきているのを
面談を通して感じています。
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■上司・人事部が納得した女性社員の成長
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この企業様は日本および海外に拠点があり、
全女性社員といっても、現場では女性は自分一人で
あとは全員男性、という職場環境の方がほとんどです。
多忙な現場を切り盛りしながら、会社としての女性活躍推進
による研修に参加し、研修課題(業務改善プロジェクト)を
並行して推進するのは、決して容易なことではありません。
ほとんどの方が、非常に前向きに本プロジェクトを捉えて
自律型姿勢で学び、積極的に関わり合っており、結果として
自発的なワーキングが立ち上がったり、自分たちで簡易ツールを
開発して、コミュニケーションに役立てるなど、今まで以上の
成長と活躍を見せてくれています。
今回の個別面談の位置付けは、目標管理シート(MBOシート)
を踏まえた上司面談後のフォロー面談なのですが、
ある女性社員(Aさん)から、こんな喜びの声が寄せられました。
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前回の個別相談で
『資料がうまく書けなくて上司の理解が得られない』と
ご相談して細木先生にアドバイスをいただきましたが、
その内容を意識して取り組み続けた結果、今回の上司面談では
『MBOシートが明確で分かりやすかった』
と高評価をもらうことができました!
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実は、この内容は人事担当者の方から
「Aさんの上司から、研修後の成長が著しいとわざわざ
人事部に連絡がありました。私からみても、Aさんは
女性社員全体の中でも群を抜いて成果を出していますよ」
と事前に情報共有をいただいていた内容でした。
今回の個別面談で、自身の成果が認められて
評価されたという認識を、Aさん自身がしっかりと
持っていたことが確認できたことについて、
私は大きな手応えを感じました。
なぜなら、これは上司・人事部・女性社員、
この3者間の相互理解を促進させる
そんな成果をAさんが出してくれたことに
他ならないからです。
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■自律型姿勢の重要性
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ちなみに、Aさんが取り組んでいる業務改善テーマは
部署全体(Aさん以外全員男性)を巻き込まなければならず、
目標達成するために誰がみてもわかりやすい資料、
そして論理的なプレゼンで協力者を募る必要がありました。
女性活躍推進プロジェクトでは、女性社員の実態を踏まえ、
ビジネススキルアップ研修を通してコンセプチュアルスキルを
醸成したり、目標管理制度の理解を促す取り組みから
多くの女性社員が悩んでいた目標設定の仕方などを
お伝えしてきました。
Aさんは、これらの研修をまさに自律型姿勢で学び、
現場のあらゆる場面で、活かせそうなことは
全部活かす精神で、今回の成果につなげました。
彼女は、これから益々自分の強みを活かし、周囲も認める
成果、すなわち会社が求める“あるべき姿”を実現できる
社員になっていくと思います。
もし、Aさんのような本プロジェクトに対する
前向きな姿勢、積極的に学びを活かそうと実践する姿勢が
そこになければ、
「目標管理制度について学んで頑張って書いたところで、
結局面談で上司に書き直しをされるのであれば
知識としても意味がないですよね」
と受け取ってしまう方も中にはいるかもしれません。
ありがたいことに、この企業様の女性社員の皆さんの多くは
自律型姿勢で取り組んでくださっており、それぞれが
成果を出しておられます。
とはいえ、本プロジェクトが3年目に入って、
その成果に差が出始めたところを見ると、
「どんな些細なことでも、学んだことを活かしていこう」
と受け取れるかどうかによって、
最終的に自身の成長を大きく左右することは
事実だと思わざるを得ません。
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■保護ではなく、活躍してもらうために
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「自律型姿勢」の重要性はこのメルマガでも
幾度となく触れてきましたが、今回ご紹介した
企業様で長期間プロジェクトとして関わらせて
いただくことで、改めてその重要性を
感じることができました。
他者依存的な姿勢だと、どうしても現状を
周囲のせいにしてしまいがちになり、
「環境が良くないから」
「認めてくれないから」
「会社が◯◯するべきだ」
と要求ばかりするイメージがその人に
ついてしまいかねませんし、もし他者依存状態のまま
成果を上げようものなら、そこには大変な苦労を伴うはずです。
よくある例が、社員を保護する施策や制度ではないでしょうか。
社員を護ろうという考え方や姿勢を感じ取った相手からすると、
「ここが足りないと思います」「これはやってくれないのですか」
と更なる要求を言いやすくなってしまうことも少なくありません。
保護ではなく、活躍してもらうという観点で
関わることが、人も組織も成長していくための
第一歩となるのではないかと私は考えています。
私が実践型のプロジェクトで人材育成に取り組むのは、
現場において、自ら決めたことを、自らの意思で
行動することを通して成果を出す重要性を体感して
もらうことに重きを置いているからです。
「他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられるんだ」
ということを、対象者の方が実感として
持っていただけるように、という想いを込めて
これからも実践型のプロジェクトに取り組み続けていきます。
人材育成に関わる経営層や人事担当者といった方にも、
ぜひ自律型姿勢を醸成するような施策展開について
考えていただきたく機会を持っていただければと思います。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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