インサイド・アウトという考え方
当社が提供する女性管理職育成プログラムは必ず
「課題実践」を取り入れて提供しています。
現場実践を通して学んだスキルやノウハウを
着実に自分のものにしてもらうのですが、
課題を通して一気に成長を遂げる人の特徴は
なんといっても「自律型姿勢」であると確信しています。
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■インサイド・アウトという考え方
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仕事をする中で、
「権限のない自分では解決できない」
「相手が条件を受け入れない限りこの案件は進まない」
など、さまざまな条件や制約によって
思うように業務が進まず悩んだことがあるかと思います。
育成対象者と関わる中でもそんな課題にぶつかって
悩んで相談される方は後を経ちません。
そこで私は、そんな時こそ自分主体で物事を捉え直す
きっかけになればと、折に触れて「7つの習慣」の著者
スティーブン・R・コヴィーの言葉を紹介しています。
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問題が外にあると考えるのであれば、
その考えこそが問題である
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依存から自立し“主体的であること”の
重要性について伝えており、この自分ができることから
始める手法は「インサイド・アウト」とも言われています。
============<インサイド・アウトとは>==============
内から外に向かって問題を解決する手法。
問題が生じた際に自分自身の内面、つまり問題に対する捉え方を
どう変えていけば事態の改善につながるかを主体的に考えること。
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女性管理職育成プログラムの中でも、
育成対象者は多忙な業務の合間をぬって、
現場実践に取り組み、さらに業務改善についても
実施してもらっています。
私はこれまで延べ1,200名の人材育成に関わらせて
いただく中で、著しい成長と成果を見出した育成対象者を
思い返すと、まさに「インサイド・アウト」のアプローチで
課題実践していたことに気づかされます。
その取り組み姿勢が育成対象者の周囲にまで良い影響を与え、
さらに所属する組織にまで変容をもたらしたという共通点からも、
「インサイド・アウト」アプローチの有効性と可能性は
無限大であると言っても過言ではないと思っています。
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■主体的な取り組みは周囲を巻き込む
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現在、次世代リーダー育成プロジェクトで
関わらせていただき3か月目に入った
ある技術系企業でも、現場実践の取り組みを行っています。
今週、育成対象者から私に相談メールがありました。
「私はこの研修を受けて、本気で部署を良くしたいと思って
課題に取り組む決意をして先生に連絡しました。
私が設定した課題と解決策について、アドバイスをいただけないでしょうか」
そんな書き出しから始まって、所属する部署の実態を
詳細に記した資料も添付されていました。
インサイド・アウトの姿勢で課題に取り組む姿勢を感じて
全力で応援せずにはいられなくなった私は、実は
求められたアドバイスの他にもプラスアルファの情報まで
お伝えするに至り、良い意味で巻き込まれていました。
インサイド・アウトの姿勢は、その周囲の人の心を
動かす力を持っていると私は思います。そこから
「応援したい」という気持ちにつながって、
周囲をどんどん巻き込んで、課題の根本解決へと導いていくのだと私は考えています。
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■成長を加速させる自律型姿勢
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先日のメルマガでもご紹介した女性管理職育成講座での
Aさんの成果報告の様子を紹介し反響をいただきました。
●上司のコメントから分かった「応援され力」
https://jinjibu.jp/spcl/hosoki/cl/detl/3684/
Aさんも「インサイド・アウト」のアプローチで
たった3か月で上司や周囲の同僚も驚く成果を出した1人です。
Aさんの素晴らしいところを改めてお伝えするならば・・
・学んだことを業務のあらゆる場面を想定して実践につなげる
・提供した課題以外に自分で課題を見出して実行する
・課題を主体的に捉えているかどうか振り返り、何度か課題を捉え直す取り組みを自主的に行なっている
・PDCAを最低5回以上回す
等々、ここでお伝えしきれないほどあって、
このようなAさんの取り組み姿勢に私も学ばせていただいている次第です。
Aさんの上司も、彼女の変貌に驚きながらも
多いに期待されているのが分かります。
それは、こんなコメントから確信しました。
「彼女は、私を超えていきますよ」
上司にここまで言わせるAさんの成長は
ここで得た学びを最大限活用していくという姿勢と、
インサイド・アウトで全てを捉える力が
もたらしていると私は感じています。
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■経営トップや人事部がまず手本となる
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問題や課題に出くわした時、「◯◯のせいだ!」と
つい他責で考えてしまった経験は誰にでもあるかと思います。
とはいえ、
“他人と過去は変えられない”
“変えられるのは、自分と未来だけ”
ということに気づくことで、
「自分は何ができるだろうか?」と問題や課題を
自責で捉え直すきっかけを掴むことにつながります。
もうだめだ、苦しい、といった場面に直面した時こそ、
インサイド・アウトのアプローチで
目の前の問題を捉え直すことに挑戦して欲しいと思います。
その挑戦が、解決に向けた第一歩になり得るということを、
自分の経験からも、また多くの育成対象者との関わりからも
実感しています。
もし、自社の人材育成施策において、育成対象者の
インサイド・アウトの姿勢を醸成したいと考えている際には、
●経営トップや人事部が、自らその見本となる
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ということが、育成対象者に対して
最も影響を与えることができると考えます。
どんな窮地に立たされても、超えられそうにない課題が
目の前に迫っていたとしても、インサイド・アウトのアプローチで
自律型姿勢を貫く姿を、ぜひ周囲へ見せ続ける存在で
あって欲しいと心から願っています。
*
今回ご紹介した「インサイド・アウト」の発想で行動することで、
・より効果的な周りの巻き込み
・根本的な問題解決の実現
といった大きなメリットが生まれる可能性が高まります。
人材育成の立場にある方で、周囲に悩んでいる部下や
思うように行動できていないと感じるメンバーに気づいた際には
今回のテーマが何かのお役に立てれば嬉しく思います。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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