マネジメントは「知識30%、経験70%」

9/1より「女性活躍推進2.0実態調査 2020」がスタートしました。

この調査は企業ごとに実施しているため、地域・部署ごとのカラーや意識差などが
結果に如実に現れることが多々あります。

すでに先行実施した大手SE会社様の結果においてもその特性が見て取れ、女性活躍推進およびダイバーシティ経営に向けて、現状としてどこに課題感があるのかがより明確になりました。

 

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■キーマンはマネジメント層
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先行実施した企業様の調査から、やはり
女性活躍推進やダイバーシティ推進といった
組織改革を進めるキーマンは「マネジメント層」
ではないだろうか、とより一層感じる結果が得られました。

特に大企業においては、中間管理職の方々が
それに該当するかと思います。

これは、現場社員の人材育成は、最終的には
中間管理職にその多くを委ねられていることや、
彼らの関わりや人間性が、現場社員の行動規範にまで
影響を与える可能性も少なくないことからも
言えることではないでしょうか。

中間管理職のマネジメント力が
現場の力を左右して、次世代リーダーのマインドまでを
一部決定付けるようなインパクトを与える存在である以上、
組織や企業において、マネジメント力強化に取り組むことは
人材育成施策の柱となるべき取り組みではないかと思います。

 

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■マネジメントは「知識30%、経験70%」
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現在私がダイバーシティ経営コンサルタントとして
関わらせていただいてる企業の経営者様が、

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「マネジメント力を身に付けるためには、
知識が30%、経験が70%必要だ」

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とおっしゃっていました。
私はこの考えに深く共感した次第です。

マネジメントは本を読んだだけでは身に付きづらく、
経験して初めて本物のスキルとして自分のものになる、
という側面があることは、自分の経験からも感じています。

さらに、マネジメントする立場になると痛感するのが
「人間性」について、マネジメント力以上に周囲から
求められることになる、という事実です。

「人間性」の中にあるもののひとつが「自分らしさ」だと
私は考えています。

知識で得たマネジメント理論を、現場で自分らしく活用し、
自分らしく成果を上げていくためにも、時に失敗することも
大切な経験の一つになると思うのです。

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■経験させるためにできること
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経験を通してマネジメント力を向上させることについて
お伝えしてきましたが、では具体的にどうやって
経験を積み重ねていけばよいのでしょうか。

ここで、あるIT企業のSEとして客先常駐という形で働く方から
お寄せいただいたご相談内容を踏まえて、
現場でマネジメント力を付ける方法について
ご紹介できればと思います。

先日、当社のリーダー育成塾を卒業したSEの方から、

「実績も経験もないが、プロジェクトマネージャーになりたい」

というご相談がありました。

私も大手企業の技術系SE出身として
プロジェクトマネージャーを経験しているので

「どうやってマネージャーを育成するか?」

という課題に多く向き合ってきました。

前述の通り、マネージャーになるためには「経験」が必須です。
そこで、アドバイスとして

「まず、プロジェクトのサブリーダー経験を積みましょう」

ということをお伝えし、実際に社内でどのように
自分をアピールしていくかについて一緒に戦略を立てました。

このように、育成対象者をマネージャーのサブにつけて、
実際の業務を全てサブが対応し、その経験を成功体験として
積み上げる、という方法は多くの企業で実践されている
次世代リーダー育成手法かと思います。

この方法によって、実際に現場のマネジメントに取り組み、
マネージャー視点で現場を指揮する経験から様々な気づきを得て、
一人前のマネージャーへの道を確実に歩んでいくことが可能となります。

前述の通り、マネージャーとして知識を得ることも大切ですが、
経験とそれによって得られる実績は、実際の現場の仕事でしか
得られない要素が大きいのではないでしょうか。

そういった意味でも、もし、今後自身が思い描くキャリアを望む時は、
目標となる立場になるために必要な経験を積むために
今できることは何だろうか、という視点に立って、
仕事と向き合うこと
についても一考いただければと思っています。

 

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■組織で働く女性を育成する必要性
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当社のリーダー育成塾や企業向けマネジメント研修では、
必ず現場の業務実践につながるコンテンツを組み込んでいます。

その理由は、実践力を身につけることはもちろんのこと、
更にその先にある、

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「自分らしい成功体験を得てもらいたい」
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という思いからもきています。

研修等の中で、私自身の経験談についてもなるべくリアルに
ふんだんにお伝えする理由もそこにあります。

特にロールモデルがほとんどいないと言われている
女性リーダー・女性管理職の育成については、
知識のインプットと経験値を高めるプログラムを
織り混ぜて提供することが大切
だと実感しています。

現場では、男性マネージャーからマネジメントを学ぶ女性も
まだまだ多いかもしれませんが、男女の特性の違いや
ライフスタイルの違いといった些細なことから、女性にとって
なんとなく受け取りづらい、わかりづらい、といったことが
現場で起きていることは、女性活躍推進2.0実態調査の
調査結果からも明らかです。

現在の日本においては、組織で働く女性は
マイノリティな存在であることは否めません。

今、私は女性管理職を中心とした人材育成に注力していますが、
もし、今後日本において働く女性が増え、意思決定の場に女性が
30%以上占めることが当たり前の世の中になれば、
今の取り組みは不要になると思っています。

なぜなら、きっとその頃には、組織で働く多様な人たちが
多様なリーダーの活躍を直接見て、学んで、
自らもリーダーを目指したいと思えるような、
誰もが安心して成長できる社会が実現しているに
違いないと思うからです。

そんなあたり前の世の中が1日も早く訪れるよう、
まずは社会における最大のマイノリティである女性たちに特化した
育成施策や、キャリア開発に取り組む必要がある
と私は考えています。

ひとりでも多くの女性管理職、しなやかな女性リーダーが
社会で活躍することが、今後の会社成長や、豊かな社会を
創造していくことにつながると確信しています。

  • 経営戦略・経営管理
  • モチベーション・組織活性化
  • キャリア開発
  • リーダーシップ
  • マネジメント

◆技術職の現場に“変革の起点”を。
3年で女性管理職比率を30%上げる、実践型ダイバーシティ経営支援。

元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

細木聡子
対応エリア 全国
所在地 千代田区

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