強みを活かすアプローチで人を育てる効果

ダイバーシティ経営コンサルティングで関わらせていただいてる技術系企業様において
一足先に実施した「女性活躍推進2.0実態調査」の分析を終えました。

現場の実態、特に部署ごとの差異が浮き彫りになって今後どのように課題に向き合いながら目標達成するか、
具体的な道筋が見えつつあることに手応えを感じています。

この一連の作業を通して、ふと思い出したことがありました。

それは、
自分自身は元々データ集計・分析などが不得意で、
ロジカルシンキングも後天的に身に付けたものだった

ということです。


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■ロジカルシンキングへの苦手意識
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私は大学で数学科を専攻し、技術系会社でSE経験や
中小企業診断士の資格を持っていることもあって、

「先生は理系だからロジカルに考えられるんですね」

と、当社女性管理職育成塾の塾生の方から言われることがあります。
しかし、実際は違うのです。。

私は元々、論理的思考やロジカルプレゼンテーションに対して
かなり苦手意識を持っていました。

「何が言いたいのか分からない」と指摘された経験もあったので、
弱みとして強く自覚していた期間の方が長いくらいです。

しかし、今はロジックで考える癖がついて、
データ分析や論理的な話をすること等も苦ではありません。

もちろん意識していなければ定性的な側面が出てきてしまうことも
ありますが、論理学に対する苦手意識は薄れ、それを弱みとして
認識していた頃と比較すると、克服できているなと感じています。



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■強みを引き出すスタイルが自律性を育む
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自分が苦手分野を克服できた理由を考えたとき、
「自分の強みを活かす」という視点で考えて行動してきたことが
ポイントだったと思っています。

弱みを克服する、マイナス部分をなくすことから始める、
という考え方もありますが、私自身の経験や、
管理職・人材育成担当として10年以上現場実践した実体験からも
(自分や相手の)強みを引き出す」ことによって、

【弱みは、自律的に克服できる】

と考えています。

例えば、私の場合は「話がわかりづらい」と言われたことをきっかけに
ロジカルシンキングを身につけようと書籍を購入して学んだり、
セミナー受講するなどして努力したのですが、
なかなか思うようにスキルは身に付きませんでした。

しかし、

「相手が納得できるような分かりやすい話し方を通して、
信頼関係を醸成できるような関わりをしたい」

「経営層が納得するデータ分析結果を元に
この人材育成施策実行の承認を得るぞ!」


といった、私自身のモチベーションの源泉である
「人の役に立ちたい」という思いに突き動かされ、
“自分ならでは”をより発揮するために、ロジカルシンキングが
必要だと実感してからは、急速に、かつ、効率的に
論理的思考を身につけることにつながった
のです。

このような実体験や、これまで人材育成で関わってきた
のべ1,200名超の皆様の成長とその成果を通して、

「強みをより活かすことで、弱みは自律的に克服できる」

ということを心得て、当社女性管理職育成塾のモットーとしても踏襲し、
現在もプロジェクトや研修・セミナーで関わらせていただいている
皆様へお伝えし続けています。



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■強みを活かすアプローチで人を育てる効果
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「強みを活かすアプローチで人を育てる」という在り方は、
VUCA時代と呼ばれている、先行きが不透明な現代においては
益々その重要性が増していると考えています。

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●「VUCA」とは・・・

社会やビジネスにおいて将来の予測が困難になっている
状態を示す造語。予測が困難な要因として
4つの特性を示す英語の頭文字を取っている。

V:Volatility(変動性)
U:Uncertainty(不確実性)
C:Complexity(複雑性)
A:Ambiguity(曖昧性)
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多様な価値観や思考を持った人、
そして働き方や仕事自体も多様化している中で、
企業の人事担当者がどんな社員にでも
当てはまるような人材育成施策を考えることは
非常に難しいのではないでしょうか。

だからこそ、考え方として大切なことは、
社員ひとりひとりの自律性を引き出し、
モチベーションを上げるように関わること
だと私は思っています。

それが飛躍的な社員の成長につながって
結果として会社を成長させることに直結するー。

そのためのマインド醸成に取り組むことが
今まさに将来の予測が困難な状況に直面する
企業や組織において、必要なことなのではないかと考えています。


今回、自分自身のことを振り返り、
やはり自分の弱みにフォーカスして課題克服に注力していた頃は、
できない自分に落ち込んだり、やる気を起こすことに
時間を要していたなと思いました。

もし、そのまま努力し続けて課題克服した私と、
今、自分の強みをより強化したことで課題克服した私を
比べることができるのであれば・・

結果として、それぞれの私が得たスキルや成果の意味合いは
違ったものになっているのでは、と想像しています。

もし、このコラムをお読みになっている方で、

同じようなご経験がある際には、ぜひ人材育成という視点に置き換えて
考えるきっかけにしていただければと思います。

  • 経営戦略・経営管理
  • モチベーション・組織活性化
  • キャリア開発
  • リーダーシップ
  • マネジメント

◆技術の現場に“変革の起点”を。
3年で“生え抜き女性役員”を持続的に生み出す仕組みを創る

元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

細木聡子
対応エリア 全国
所在地 千代田区

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