テレワーク中にゲームをする新入社員〜マネジメントの課題とは
ウェブ記事で
「テレワーク中の新入社員に電話したところつながらず、折り返しの連絡で『ゲームをしていた』ことが判った」
という、目が点になるような話題を見かけました。私はこれは、マネジメントの問題だと考えています。
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■「コロナのせい」にしていないか
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新型コロナウイルス感染症をきっかけに
多くの企業でテレワークが広がりました。
“働き方”が大きく変わったことに歓迎する声があがる一方、
“働く場所”が変わっただけで、生産性やアウトプットの質は
「コロナのせい」で低下してもやむなし、という
雰囲気があるように思います。
このような意識下では、新たな取り組みや思い切った改革といった
行動意欲にはつながりづらいものです。
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■今伸びている企業は、ダイバーシティが“当たり前”
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この状況でも、過去最高益を達成した大手電機メーカーの
ことはみなさんご存知の通りだと思います。
当社のリーダー育成研修を卒業したメンバー限定の
定例会で、その企業の管理職の方にお話を伺ったところ、
・普段から経費削減や業務効率化の意識が高い
・常に対話し互いの状況を把握
・個人の力を徹底的に引き出す
こういった取り組みをずっと以前から実践してきた
ということでした。
また、3月よりダイバーシティ推進プロジェクトが
スタートした当社のクライアント様(IT企業)においても、
経営トップがダイバーシティ経営を目指しており、
「さらなるダイバーシティ経営を推進するために、
女性活躍推進に関するアドバイスが欲しい」
というオファーをいただき、今まさに二人三脚で進んでいるところです。
この企業様も3月期決算で増収増益。
さらに、新しい生活様式での働き方・暮らしの工夫といった面を
女性メンバーが中心となってアイディアを出し合い、
テレワークもスムーズに移行していたのが非常に印象的でした。
これらのことから、ダイバーシティは一朝一夕で
成り立つものではなく、普段からその意識を持って
考え、行動し、実践していくことで築かれていくものだと
改めて実感しています。
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■女性視点を活かしてダイバーシティ推進に取り組む┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
すでにダイバーシティ推進の取り組みに
注力している企業様が多いと思いますが、
もし、「今コロナの対応で手一杯でそれどころじゃない」
という状況だとしたら、女性社員の視点をうまく業務改善に
活用するような施策展開を考えてみてはいかがでしょうか。
女性の多くは、家庭のことや育児といった役割を担う
環境に置かれることが多く、実際に様々なことを
同時進行しながら効率的に動くことを日常的に行っています。
実際、私が大企業で在宅勤務を行なっていた際、
「集中できない」という男性部下に対して、女性部下は
「家事がリフレッシュにもなって仕事が進む」という声があって、
その差を興味深く感じていたものでした。
このことをヒントに、私は女性部下に業務改善案を出してもらい
チーム全体の生産性向上を目指し、残業0成果2倍という成果を出して
大きな評価をいただくきっかけとなったのです。
*
このように、管理職・マネージャーという立場の方は、
ダイバーシティの観点を意識して、チーム成果を出すための
取り組みを常に行うのがその役目ではないか、と私は考えています。
不測の事態が起こった時に、即座に様々な視点を取り入れて
ひとりひとりの力を引き出し、成果につながる働きを
チームとして実現できるためには、日頃の訓練が重要なのです。
ダイバーシティの取り組みの歩みを止めないためにも、
新型コロナウイルス感染症によって改めて浮き彫りになった
現状の課題を組織としてどう受け止め行動に移すかは
非常に重要なことの1つだと思います。
特に、技術系企業においては働く女性はマイノリティです。
今こそ、女性社員の声を仕事や経営に活かすこときっかけに、
組織全体のダイバーシティ&インクルージョンへと
つなげる好機として捉えていただきたいと切に願っています。
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■変えるべきところを変えて進む
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当社は、設立当初より働き方・価値観を融合させて事業展開
していたこともあって、今回の想定外の状況でも
比較的スムーズにサービス提供方法をニーズに合わせて
変えることができたと思っています。
具体的には、研修やセミナーを動画やオンラインに切り替えた
ことによって、前年比5倍のお問い合わせ、そして
オンラインセミナー満員御礼、という成果を得ています。
私が発想転換の際に大切にしているポイントは、
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「変えるべきこと」を変えて、
「変えてはいけないこと」は、変えない
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ということです。
ビジョンや取り組み姿勢など、会社の根底が揺らぐような
変更をしては、そこで働く人の不安を増長してしまいますので、
目的達成に必要な手段を、状況に合わせて探すことを心がけています。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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