危機的状況でも企業成長する人事のあり方
危機的状況が続く中、社員を解雇するニュースが流れ、
不安を抱えている人も少なくないと思います。
このような危機的状況は、今に限ったことではなく、
過去にも同様の危機に陥ったこともあるのではないでしょうか。
それでも乗り越えて今まで成長してきた企業には
どんな特徴があるか考えた時、以下の3点が浮かび上がってきました。
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■危機的状況でも成長する会社の特徴
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1)今こそ人材育成
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社員がいる会社組織において、危機的状況から
最終的に会社を救うのは「人」です。
経営悪化したJALを再建した稲盛氏も、
リーダークラスの育成研修から改革したと言われています。
松下幸之助氏も、ウォール街大暴落から世界恐慌が起きて、
同業者がバタバタと倒産する中、1人も社員を解雇せず、
社員全員で営業に回ることでピンチを乗り越えました。
社員が一致団結して、会社を救うために考え行動することで
必ず危機を乗り越えて、その先の成長につながると考えた
偉大な経営者たちに、私は心から賛同しています。
危機的状況だからこそ、育成の手を止めず、
危機的状況が過ぎた後のことを考えて、
人材育成の手を緩めない。
これは、企業の経営者や人事のあり方として
大切なことの1つではないかと考えています。
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2)ピンチをチャンスに
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テレワーク、在宅勤務が始まって
管理職の方や人事担当者の方は
目が回るような忙しい日々をお過ごしかもしれません。
一方で、働き方が変わった今が、
これまでの仕事の進め方を効率的に考える
絶好の機会ではないかと私は思っています。
アフター・コロナの世の中は、これまでとは
働く人の価値観も変わってくるのは明らかです。
もちろん業種にもよりますが、より効率的な
業務運営が可能になって、毎日出社する人は
少なくなるはず。
テレワークは不可能、という業界であったとしても、
今後は、
「テレワークできるとしたら、どこを切り出せるかな?」
「これまでの業務で削減できそうなところはどこ?」
「オンラインで実現できることは何だろう?」
といった発想を持つことでピンチをチャンスに変えて、
この状況が収束した後に、生産性の高い会社へと
生まれ変わらせることができるかもしれません。
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3)不況と業績を切り離す
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「今はコロナだから業績が上がらないのは仕方ない」
という考えは、新しいチャレンジや発想の邪魔に
なってしまうのではないかと常々感じています。
私も、規模は小さいながらも、社員を持つ会社の社長です。
経営者として、現在の危機的状況と、会社の業績は
関係ない、と切り離して意識して考えるよう
心がけています。
この考え方は、危機的な状況でも成長し続けてきた
会社経営者の共通した考え方ではないかと思うのです。
現在、事業を任されている管理職の方においても
「売り上げを下げないようにしなくちゃ」
「これまで通り成果を出すんだ」
というプレッシャーに押しつぶされそうに
なっている方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時こそ、「不況と業績は切り離す」という
意識を強く持っていただけたらと私は考えています。
たとえ今は休業中であっても、社員ひとりひとりが
会社貢献することは可能です。
将来につながる勉強に取り組むことで
成長することも立派な貢献ですし、
テレワークでモチベーションダウンしている部下の
気持ちに寄り添って話を聞くことも、会社全体を
より良い未来へつなげる大切な行動だと思います。
今できることが限られていたとしても、
業績UPにつながる行動にフォーカスして、
仕事を進めていただけたらと考えています。
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■危機的状況での人事のあり方
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前述の通り、業績を保つよう会社側から
プレッシャーをかけられている管理職の方も
少なくないと思います。
そんな管理職をサポートするのが人事ではないかと
私は考えています。
今、人事という立場にあるみなさんには、
目の前のことが一段落した後には、人材育成の取り組みに
しっかりと注力して、社員ひとりひとりの支えになって
いただけたらと願っています。
弊社がサポートする企業様のほとんどは、
すでに、下期に向けて人事施策をすぐスタートできるよう
下準備に取り組んでいます。
人事が本気で社員をサポートし続けた企業と、
そうでない企業がアフター・コロナで競合となったら、
サポートを受けた社員の貢献意欲の高さ、モチベーションには
敵わないのではないでしょうか。
ぜひ、今この機会をしっかりと見極めて
人事として取り組むべきことに力を注いで
いただければと思います。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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