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体制変更によって評価されづらい?ロジカルシンキングの重要性

管理職や人材育成担当者の立場にある方が、
女性社員を対象にした「ロジカルシンキング」への意識醸成の取り組みを重点的に行うことは、組織やチーム成長をもたらす非常に重要な人材育成施策のひとつだと私は考えます。

今回のコラムでは、その理由について一緒に紐解いていけたらと思います。

 

┏━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■上司が変わったら、評価されない?
┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛

「上司が変わって、これまでの方針も変わってしまった」

こんなことは、よくあることかもしれません。

上司が変わった途端、今まで取り組んでいた業務について
なかなか評価されない、と悩んだ経験がある人も少なくないと思います。

では、これまでの取り組みも含めた上で、
今後のステップアップにつながる評価を得るにはどうすればよいのでしょうか?

私の経験則上ですと、

「正しい現状把握」
「論理的思考」

この2つがキーポイントだと考えています。


┏━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■正しく現状把握し、論理的に伝える
┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛

新年度は会社の体制が変わりやすく、
会社の新たな方針も打ち出されるなど
一番変化の激しい時期かもしれません。

だからこそ、

●会社の方針=会社が求めていること

これを正しく把握することが必須になります。
会社の方針に合わないことは、評価の対象外であることは
容易に想像がつくことでしょう。

会社の方針は、全社向けの社長メッセージや、
企業にっては公開されている財務諸表や経営指針といった
数字から読み解くことも可能です。

上司の会議スケジュールなどが閲覧できるのであれば、
その予定内容から会社が攻めの体制か、守りの体制なのかといった
方向性が見えてくることもあるのではないでしょうか。

会社の方針を把握できたら、次に把握すべきは

上司の譲れないポイント
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

これが肝だと私は考えています。実際、

「上司が求めていることは何だろう?」
「ここだけは外してくれるな、と思っていることは?」

この問いの答えを、上司の言動、そして会話の中から
見出すよう心がけてきました。

・会社が求めること
・上司の譲れないポイント

この2つを押さえた上で、

「客観的な視点」を持って、「論理的」に整理して上司へ伝える
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

これが、会社体制が変わったり、上司が変わった時でも
正当に評価をしてもらうための姿勢だと考えます。


┏━━━━━━━━━━━━━━┓
■視座が違う上司と部下をつなぐ
┗━━━━━━━━━━━━━━┛

部下と上司の意見は対立するのが当たり前です。

それは、「視座」が違うためです。

上司は部署全体を見て、会社の方針に合わせた
成果を出す視点で考えています。

一方、部下は自分の関わっている現場目線の
言動となるため、意見がすれ違うのも仕方のないことです。

この視座を合わせ、チームとしての仕事を
うまく回すのが「管理職」の役割であり、
大切な仕事のひとつだと私は様々な場で
お伝えしています。

そして、これは人事担当者においても
同じことが言えると思っています。

なぜなら、新たな方針や体制で仕事をスタートするには、
現場で働く社員一人ひとりの意識を切り替える必要があります。
要するに、これまでやってきた仕事スタイルを
そのままの形で続けてしまうと、新たな組織にフィットしきれず
様々な歪みが生まれてしまいかねません。

だからこそ、管理職や人事担当者に求められるのは、
社員たちのモチベーションがキープされた状態で、
うまく意識転換をさせることであり、それこそが

「上司と部下をつなげる」という役割であると私は考えています。

もちろん、管理職や人事担当者自身の「思い」も同時に
伝えていくことによって、自分のステップアップにつながる
評価となっていくのではないかと思うのです。

上司と部下をつなぐ重要性に触れたところで、
次にその思いを伝えるという段階に進みます。

ここで最も重要なことは、伝える内容はあくまで論理的で、
MECE(※)に考えぬいた、誰もが納得する内容でなければ
決してうまくいかない、ということです。


※MECE(ミーシー)とは
情報整理における考え方の基本。「漏れなく・ダブりなく」という意味。MECEに考えることで、話題の重複、会話の漏れ、話のずれといったものをなくすことができる。


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■ロジカルシンキングに苦手意識のある女性たち
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


一般的に、女性は論理的に話をするのが
苦手だと言われているのは周知の通りです。

しかし、ビジネスにおいては
論理的なプレゼンテーションは必須。

例えば、会社の方針と上司の譲れないポイントを踏まえた上で
自分がこれまで携わってきた業務を継続するのであれば、
その理由を明確にして、説得力のある形で提案しなければなりません。

先日開催したセミナーのテーマがまさにこの「ロジカルシンキング」でした。

参加者の8割が女性だったこともあり、
女性参加者の皆さんからは

「とっても参考になった」
「意識しないとこんなに出来ないなんて」
「ワークができなかった・・とにかく現場で試す!」

といった声を多く頂きました。

これによって、やはりロジカルシンキングに
苦手意識を持っていると、仕事上のスムーズな意見交換が
しづらかったり、自分の感情整理に困って不安を招く一因に
なっている実態が浮かび上がってきました。



┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■ロジカルシンキングはビジネスの基本
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


「女性の意見は取り入れたいのだけど、納得性に欠けるんだよ」

これは、私が関わるコンサルティング先の
企業の経営者(男性)の言葉です。

私から見ても、そこで働く女性社員の能力は
決して低くなく、可能性に溢れていると感じるものの、
「伝え方」に課題があって、周囲のメンバーや
上司に受け入れてもらいづらい状況が続いていることは
すぐに把握できました。

今まさに、ロジカルシンキングの重要性を
時間をかけて理解してもらい、身につけるべく
現場実践を促しているところです。

私自身も、今でこそ意識せずとも論理的に話をしたり、
物事をMECEに考え判断していますが、社会人なりたての頃は
「何を言いたいのか分からない」
と上司に幾度言われたことか・・。

ビジネスにおいては、戦略を立てて実行し、
より良い戦略を練るため繰り返し検討を重ねなければなりません。

中途半端に取り組むと、失敗や業務の手戻りを招いてしまいます。

そうならないように、常に阻害要因などをMECEに整理して
効率よく取り組むには、ロジカルシンキングが必要なのです。

どんなに良いアイディアも、すばらしい取り組みであっても、
その意義や理由を論理的に説明できなければ
受け入れてもらえない理由は、そこにあります。



新年度を迎え、新たな方針のもと、どんな戦略を立てて事業を進めていくのか
今はとてもデリケートな時期かもしれません。

現場の女性社員の皆様、そして管理職や人材育成担当の皆様におかれましても、
このコラムをきっかけにロジカルシンキングの重要性について考えていただければ幸いです。

  • 経営戦略・経営管理
  • モチベーション・組織活性化
  • キャリア開発
  • リーダーシップ
  • マネジメント

◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成

元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。

細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

細木聡子
対応エリア 全国
所在地 千代田区

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