長い目で見る、高い視点で見る

部下の態度が気になったとき、その場で直接指導したり、ダメ出しをする、
という形でつい口を挟んでしまうような場面は、よくあるかもしれません。
本日は、部下に気づいて欲しい時、改善して欲しいことがある時の
スタンスと具体的な対応についてお伝えしたいと思います。
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■長いスパンで見る
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時間の経過とともに、考え方が変化していくというのが人だと思います。
例えば、
他の人の振りを見て気づいたり、
映画を観ているときにふと思いついたり、
本を読んでいて自分を省みたり
など、周囲から刺激を受けることで自ずと気づきを得ることがよくあります。
だから、私はこんな風に思うようにしています。
「今はまだ甘いことを言っているかもしれないけれど、
そのうち理解できる時が必ず来る」
いつか気づきのタイミングがやって来るまで、長い目で見ましょう、というスタンスです。
もし、その場でズバリ部下へ気づきを促すべく、できていないところを突っ込んでしまったとすると、本人が気づくタイミングを逃したり、意識しすぎて理解が浅いままで終わったり、
「いや、自分は出来ている、上司が間違っているんだ!」
と頑なな態度へと導いてしまう・・・という結果になることも。
誰でも、人から自分のことを指摘された瞬間はいい気分はしないものです。
同時に、自分で気づいた時の「このままではダメだ!」という変化のパワーに勝るものは
ないこともご理解いただけるかと思います。
だからこそ、部下が自分で気づくまで、じっと我慢の子です。
いつか、そのうち、気づく日が来る!と根拠のない確信で構いません、
のんびり長い目で見ることを試して欲しいと思います。
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■一段上で見える時が来る
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ふと、自分の視点が1段上に上がるような、今までとらわれていた気持ちから抜け出せる
瞬間が訪れた、そんな経験をされたことはありませんか?
いわゆる、「視点が上がる」瞬間のことです。
自分が現在こだわっていることについて、自分の中で悶々と考え続けても
なかなか視点は上がらないものです。
前述の「長いスパンで見る」でお伝えしたように、日常生活の中で様々な人とダイレクトに
関わることや、だれかの間接的に聞いた言葉を通して、自分の視点が上がって、
苛立っていた自分の気持ちがスッと落ち着くことがあるかと思います。
私はこの現象を
「(とらわれていた視座の低い自分から)抜ける」
と表現しているのですが、この「抜ける」タイミングが自分に訪れるまでは、
どんなに部下が視点の低いことを訴えてきたとしても、私は一切否定しません。
むしろ、上司に意見するということは、「認めて欲しい」「自信がない」
という気持ちが混在していることが多く、更にそこには
「自分はこのままではダメかもしれない」
と自身の未熟さを自覚していることがよくあるのです。
具体的なスタンスと関わり方としては、
「部下はこれから成長する土台を作っている時期だ」
と思って、共感できるところは共感し、承認し、間違っている部分については聞き流し、
「全体的にはいいですね」
「方向性としては合っていますよ」
と伝えることで、自信をつけさせるようにします。
もちろん、大きく間違ったことに関しては
「ここはもっと◯◯にした方が、うまくいくと思います」
と提案をします。このような関わりを通して、部下は自信を持ち、冷静さを取り戻して、
自分を振り返る機会を得られるようになると考えています。
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時々、自身の課題に気づかず、天狗になってしまっているような部下もいますので、
そういう時は私もストレートにダメ出しをします。
悩みを抱えていたり、何かと意見を伝えてくれるような部下については、お伝えした通り、
長い目と、一段高い視点で見守るように心がけてみることをお勧めしています。
こちらが放っておいても、自分で気づき、変化する可能性を持っている部下であることに
必ず気づくタイミングが訪れると思います。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
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