人事の逆説1 不況期こそ改革のチャンス
経営と現場から感謝される人事部になる20のポイントとして「人事の逆説20」をご紹介します。今回は第1回目「人事の逆説1 不況期こそ改革のチャンス」 です。
景気が悪くなると人事部門に配分される予算は削減される。そのため不況期には人事部門の年間計画から、人事制度や人材育成に関する改革プロジェクトが無くなる。そして、人事部門は日常的なオペレーション業務に特化する。一方で、自ら率先して残業削減など予算削減を実行する。本業の儲けが見込めない状況で、このような行動は妥当であろう。
しかし、予算削減をきっかけに、「いま今は不況だから」と不況であることを理由にあらゆる改革を辞めてしまう人事部門がある。こういった人事部門は、経営や現場からは感謝されない。
予算削減で意気消沈するのではなく、「お金をかけずにできることはないか」「できることをやる」という姿勢が重要である。不況期こそ人事部門がやるべきことは沢山ある。「不況またよし」は有名な言葉だが、これは松下幸之助氏が不況克服の心得十カ条としてまとめたものの第一条の言葉である。その後に続く各項に書かれていることは図1の通りである。これらは全て人事部門が率先して取り組むことではないだろうか。
【
図1】 松下幸之助氏の不況克服の心得十カ条
第一条 「不況またよし」と考える
第二条 原点に返って、志を堅持する
第三条 再点検して、自らの力を正しくつかむ
第四条 不撤退の覚悟で取り組む
第五条 旧来の習慣、慣行、常識を打ち破る
第六条 時には一服して待つ
第七条 人材育成に力を注ぐ
第八条 「責任は我にあり」の自覚を
第九条 打てば響く組織づくりを進める
第十条 日頃からなすべきをなしておく
例えば、第二条の「原点に返って、志を堅持する。」自社は何をしたくて事業を開始したのか、自社の存在意義は何なのか、こういったことは不況期に再認識するものである。原点回帰は経営の基本。人事部門は、不況期を原点回帰のチャンスととらえ、経営者や従業員が自社のことを深く考えなおす機会をつくるのが役割である。
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「人事の大学」を運営する株式会社JIN-Gの社長です/
ビジネス・ブレークスルー大学で准教授も務めます/
組織人事戦略コンサルタント
・株式会社JIN-G 代表取締役 組織人事戦略スペシャリスト
・ビジネス・ブレークスルー大学経営学部グローバル経営学科准教授
三城 雄児(ミシロ ユウジ) 株式会社JIN-G 代表取締役 組織人事戦略スペシャリスト
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