「対話」から始めるリーダー育成
傲慢な経営者に社員が悩み、
会社がうまく廻らなくなった事例は数多くあるようです。
英国では傲慢を「人格障害の一種」ととらえて、
対策を考える 研究が始まっています。
同様に、
世界のビジネス界も「傲慢」を経営リスクと受け止めはじめました。
トップが周囲の意見や助言に耳を傾けず、
冷静な判断ができなくなって経営につまずくことを
「傲慢症候群」と名づけたのは、
神経科医でもある英政治家のデービッド・オーエン元外相・厚生相 です。
病気ではないが
「権力の座に長くいると性格が変わる人格障害の 一種」と説明しています。
オーエン氏の研究会は「傲慢学会」とも呼ばれていて、
2014年の国際会議には欧米の脳外科医、生化学者、
精神分析医、経営・組織学 などの専門家ら約300人が集まりました。
「傲慢」に関心が集まっている背景には、
経済危機や不況で、 失態ぶりをさらけだした経営者への厳しい批判があります。
判断ミスを犯してきた背景には、
冷静な判断を妨げる自信過剰があったという研究も増えているそうです。
傲慢な経営者の強力なリーダーシップ、
いわば軍隊方式で組織がそれなりに機能していた時代もありましたが、
その代わり、 その組織からは「主体性」や「創造性」は消滅しました。
今の複雑な時代には、
社員の主体的な活動がないと組織を維持することさえ
困難になってきています。
この「傲慢症候群」の一番大きな問題は、
ほぼ自覚症状がない事が 挙げられます。
むしろ、それが必要だ!正しいのだ!
と確信している場合が多い ようですね。
そういった傾向の強い経営者にインタビューすると、
意外なことに社員に指示命令をしていることを
楽しく感じていない人が多いのに驚きます。
「私は指示命令なんてしたくない。
だけど社員が主体的に考えて動いてくれないから仕方なしにしているんだ。」
こう言っている経営者は、いつまで経っても自分一人の孤軍奮闘から抜け出せず、
つらい組織運営を続けているようです。
そんな傲慢な経営者を、部下はどう感じているのでしょうか?
コーチング研究所が1万人以上のビジネスマンに対して実施した
「部下が上司にどのようなリーダーシップを期待しているか」
の調査結果を見てみましょう。
部下はおおむね上司の「業務遂行能力」については期待通りか、
期待以上の成果を上げているとして満足しています。
不足しているのは、期待のトップ3として上がっている
「成長 支援」と「方向性の提示」でした。
この2つは部下からの期待はとても高いのですが、
評価はとても 低く、上司が実行できていないと感じているようです。
上司にうまく育てられなかった部下がリーダーになったとき、
果たして次のメンバーをうまく育てられるようになるか、
大いに疑問があります。
組織において、トップから幹部へ、幹部からマネージャーへ、
そしてマネージャーから一般社員へ
「リーダーが次のリーダを育成する」
という組織風土が定着すると強力な組織力を生み出します。
それにはまず、トップのあなたが「自分の次」のリーダーを
開発し、育成するための「納得の対話」をはじめることが起点となります。
質問です。
みなさんの会社では、
リーダーのみなさんが、強い組織力を生み出していくために
誰とどのような「対話」をしていますか?
今回も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
- モチベーション・組織活性化
- 安全衛生・メンタルヘルス
- コーチング・ファシリテーション
- チームビルディング
- コミュニケーション
経営者や社員と一緒になって取り組むスタイルがとても好評で、
「こんな研修なら、また参加したい!」という声を多くいただきます。
社員数30名のソフト開発会社から、6000名の東証一部上場企業など主にものづくり企業の組織変革の支援に従事。支援した企業の組織力・業績の向上、従業員満足度の向上、離職率の低下、労働生産性の向上などを実現している 。
森田 満昭(モリタ ミツアキ) 一般社団法人エミライフ創研 代表理事
対応エリア | 全国 |
---|---|
所在地 | 神戸市中央区 |