リファラル採用について
最近になって、どこの企業でも増えて来ているのが「リファラル採用」である。
紹介・推薦による採用、いわゆる縁故採用だ。
社内の従業員はもちろん、その身内や友人、知人など信頼できる人からそのまた知人や大学や高校の同窓生などを紹介してもらい、迎え入れる方法である。現在、企業の6割が何らかの形で「リファラル採用」を行っていると言われている。
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リファラル採用の最大のメリットは、大きなミスマッチがないところだろう。現場社員の紹介による採用手法のため、マッチングの精度が高く、応募から採用決定する確率が高いと言える。また、入社時点から仲間がいる安心感を醸成でき、その仲間から会社の魅力や風土、社風、業務内容の説明を受けているため、理想と現実のギャップが起きにくい。会社に対して愛着を持ちやすい人材を集めることが可能になると、組織風土や退職率、従業員エンゲージメント向上に繋がる。
紹介する従業員は、上記を理解し、かつ、紹介者のこともよく知っている。会社に合うと思うからこそ、紹介をする。
そういう意味で、ITエンジニアの世界で、リファラル採用が盛んなことも頷けるだろう。エンジニアは社内ばかりでなく、他社へ出向いて多彩なバックグラウンドを持つ人材とともにひとつのプロジェクトに携わることが多い。そこでほかのエンジニアに出会い、間近でその人の力量や性格を知ることができる。その上で自社に紹介するのであれば、かなりの確率で採用も実現する。
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リファラル採用のもうひとつのメリットがコスト面だろう。就職・転職ポータルサイトを利用するにしても、あるいはSNS、さらに、スカウティングサイトを利用するにしても、企業にとってはそれなりの料金を支払わなければならない。人材エージェントを通しての採用ならば、年収の数割を支払う必要がある。しかも、それが、人材の成果創出により回収できる確証はない。
コストをかけて人材を確保しても、すぐに辞めてしまう人は多い。結果採用コストが無駄になるケースもある。入社した途端、スカウティングサイトに登録する人が多いことからもわかる通り、優秀な人材ほど、条件の良い会社があれば、いつでも転職しようと考えている。
それよりも、信頼できる人の紹介で入るリファラル採用ならば、簡単に辞めることはないだろう。しかも、余計な出費がない。
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また転職市場にでてきていない転職潜在層を採用できる可能性があるのも大きい。転職サービスに登録していない、他社に勤務する友人に声掛けができるため、効率よく潜在層にアプローチでき、優秀層を単願でクロージングすることが可能になる。また、大学や専門学校の同窓生など、社員と同じ専門的な知識や関心を持った人材を集めやすいというメリットもある。
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会社によっては、リファラル採用を促進するため、紹介した従業員に手当を支給している会社もあるが、人材エージェントに支払う額に比べれば、桁違いに少なくて済む。
現在は実に多くの人材エージェントが活動しており、有能な人材を採用したい企業としては、付き合うエージェントの数は増える一方だろう。ひとつひとつの管理が難しく、費用に対する効果もわからないのが現状ではないだろうか。人材エージェントの活用に対する疲弊感が、リファラル採用というシンプルで着実で、昔ながらの方法の有用性に再注目させたと言えるかもしれない。
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ネットの普及により、就職や転職は非常に手軽なものになった。また、人材エージェントを活用すれば、次々と紹介してくれる。だが、それだけでは本当の出会いは実現しないということなのだろう。
リファラル採用は、手軽になり過ぎた採用活動(就職活動)が見落としてきた、人と人とのつながり方を見直すことのできる、もうひとつの着実な仕組みと言えるのかもしれない。
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