パート社員の戦力化 その3
前回から引き続き、パート社員戦力化の3つのポイントのうち、
残りの2つ、「明確な評価制度」と「メリハリある時給」についてお伝えします。
まずは「明確な評価制度」ですが、
ポイントは2つ、「会社の期待像との整合性」と「イメージできる評価項目」です。
「会社の期待像との整合性」とはつまりこういうことです。
前にお話しした等級定義、これには各等級で担う仕事役割が書かれているわけですが、
それであれば評価項目は「その等級に期待されている仕事をしっかり行なっているか」
ということになるわけです。
ですから、その視点で評価項目を洗い出していくことが、
「パート社員の成長につながる評価」になるのです。
また「イメージできる評価項目」とは、具体的な行動を示すということで、
つまり評価シートに書かれている評価項目が「積極性」や「協調性」といった単語でなく、
「自分の担当している業務以外にも積極的にヘルプに入っている」など、
評価されるのはどういう仕事の仕方なのかが
イメージできるように書かれているということです。
これも同様、パート社員に自己啓発を促す仕掛けになるのです。
そして「メリハリある時給」は、
この評価を使ってダイナミックに時給を増減させていくということです。
前々回もお伝えしたとおり、パート社員は働く目的によって明確に2パターンに分かれます。
その違いは、ハイパフォーマー社員とローパフォーマー社員の差よりも大きいのではと考えます。
ですから、時給にしっかり差をつけて処遇することは理にかなっているのです。
そして時給水準の面では、ほぼフルタイムで働くパート社員であれば、
「同一労働同一賃金」の原則を適用して、正社員と同水準の賃金にしていくことで
正社員登用制度を導入した場合の、賃金面でのスムーズな移行につながるでしょう。
また働く目的も家計を支えるといった収入を増やすことが目的であることが主なので、
時給が上がることがモチベーションと定着率向上にダイレクトにつながると考えられます。
以上、パート社員戦力化の施策についてポイントを絞ってお話ししてきました。
正社員採用が非常に厳しい中、人材をいかに定着させ、育成していくかが、
人材マネジメントの成否における焦点になってきている状況の中で、
今後、パート社員育成は各社が取り組んでいくべき課題になるかと思います。
今回の中から、何らかの気づきを得ていただければ幸いです。
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山崎製パン㈱、セブンイレブン・ジャパン㈱、「TSUTAYA」FC本部㈱CCC人事部長、社長室長そして㈱ソフトバンクBBの業務企画部長と企業人を20年。独立し、㈱アウトソーシングSR、(社)人事部サポートSRを設立。
藤田 敏克(フジタ トシカツ) 社会保険労務士法人SRグループ 代表
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