デザイン思考と5つのちから③
課題解決策のイノベーション手法として注目を集めているデザイン思考。本コラムではデザイン思考のそれぞれのステップでどのような能力を育て、磨き、向上していくことができるのか考察していきたいと思います。
【デザイン思考のステップ】
デザイン思考では 1) 共感、2) 問題定義、3) 創造、4) プロトタイプ、5) テストの5つのステップを踏みます。それぞれのステップでは❶傾聴力、❷分析力、❸創造性、❹主体性、❺成長力を活用することが求められます。もちろん上記以外の能力も必要となりますが、今回のコラムでは5回シリーズでこの5つの能力に焦点を当てていきます(初めてこのシリーズを読む方は「デザイン思考と5つのちから①」からご覧下さい)
【創造性】
3つ目の能力は「創造性」。デザイン思考のステップ3、創造のステップではさまざまな可能性を考え、創造的なアイデアを出すということが求められます。
では、具体的にどのようにすると創造性を向上させることができるでしょうか。
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「遊び」の重要性
「遊び」とはレジャーとして楽しく取り組む遊び、もしくはブレーキなどの余裕を指す遊び、が例として挙げられますが、両方の意味の遊びが大切です。遊び心を持って取り組むことで、ある種、子どもの頃のような柔軟な、もしくは奇抜とも言えるアイデアが浮かびやすくなります。また、考え方に余裕を持たせ、解釈の幅を広げておく、という意味でも創造性を高めるために遊びはとても重要な要素です。
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本能的な判断を疑う姿勢
行動に関する本能、もしくは気質には代表的なものが2つあります。保守的な行動、もしくは行動自体の抑制につながる harm avoidance (損害回避)と革新的な行動につながる novelty seeking (新奇性追求)の2つです。通常、人間は生物として生命活動を維持するために本能的に損害回避の傾向が強くなってしまいがちですが、創造性を向上するためには意識的に新奇性を追求する好奇心を持つことが大切です。
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アハ体験の探求
それまで知らなかった新たな発見をすることは「アハ体験」と呼ばれます。時に偶発的に起こることもありますが、新たな発見に気付くためには、そのための心構えが必要です。新たな視点への気付きは時に「コペルニクス的転回」と呼ばれるような、認識を根本から覆すような体験につながることもあります。長年考え倦ねていた問題が解決される瞬間、点が線になる瞬間を探求する姿勢を保つことが創造性を高める1つのヒントとなります。
【創造性を高めることの利点】
創造性を高められると、画期的なアイデアを模索し、それまで存在しなかった新たな解釈や物の見方を創出することができるようになります。新たな気づきや学び、より効率の高い取り組み方、新しいビジネスモデルなど、新たな価値を創造することができるようになります。ですので、創造性は仕事においても、私生活においても欠かすことのできない能力であると言えます。
デザイン思考は課題解決策をイノベーションするための手法であるとともに、その過程を通し、取り組む人の人間力そのものを向上させることができるものでもある、と言えます。
次回のコラムでは主体性に焦点を当てます。お楽しみに!
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横山 悠規(ヨコヤマ ユウキ) 株式会社ヒューマン・ブレーン 国際事業部 法人研修Gリーダー
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