デザイン思考と5つのちから②
課題解決策のイノベーション手法として注目を集めているデザイン思考。本コラムではデザイン思考のそれぞれのステップでどのような能力を育て、磨き、向上していくことができるのか考察していきたいと思います。
【デザイン思考のステップ】
デザイン思考では 1) 共感、2) 問題定義、3) 創造、4) プロトタイプ、5) テストの5つのステップを踏みます。それぞれのステップでは❶傾聴力、❷分析力、❸創造性、❹主体性、❺成長力を活用することが求められます。もちろん上記以外の能力も必要となりますが、今回のコラムでは5回シリーズでこの5つの能力に焦点を当てていきます。(初めてこのシリーズを読む方は「デザイン思考と5つのちから①」からご覧下さい)
【分析力】
2つ目の能力は「分析力」。デザイン思考のステップ2、問題定義のステップではニーズを分析し、課題解決の阻害要因となっている問題は何かを見極めるということが求められます。
では、具体的にどのようにすると分析力を向上させることができるでしょうか。
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主観・客観の概念
あるデータをしっかりと分析するためには主観の干渉を抑え、客観的に観察することが求められます。これは主観を排除しなければいけない、ということではありません。自身の主観が客観的に物事を見た時の解釈や価値判断においてどのような影響を及ぼしているのかを知る、ということはとても重要です。人は無意識のうちに見たい情報を見、聞きたい情報を聞く、とも言います。主観と客観の概念を意識することは分析力の向上への近道です。
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固定観念と新たな視点
「この事象はこういうものだ」という固定観念を持つことは情報過多の混沌とした状況下では効果的な情報処理法とも言えます。しかし、物事を分析する際には固定観念の存在が新たな視点の発見を妨げることがあります。固定観念に囚われず、柔軟な思考を巡らせ新たな視点を発見する姿勢は、分析を深めるためにとても重要です。
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自明なデータに対してでも質問を問いかける姿勢
一見、そのデータの意味するところが明確であったとしても、複数の解釈が可能であるケースは多々あります。例えば平均寿命の伸びを示すデータ1つをとっても、「健康的な高齢者が増加している傾向がある」「医療技術の進歩によって延命が容易にできるようになってきた」「事故の発生を防ぐ対策が効果をあげている」などさまざまな解釈が可能です。「明らかにこういう意味だろう」と直感的に思った時でも別の解釈の可能性はないか探る姿勢を保つと分析力が高まります。
【分析力を向上させることの利点】
物事を分析することを習慣化できると、目の前で起こった事象に対し、主観による干渉を抑え、冷静に、客観的に観察することができるようになります。感情的になって慌てたりすることなく、論理的に最も適切であると思われる対処法を練ることができるようになります。ですので、分析力は仕事においても、私生活においても欠かすことのできない能力であると言えます。
デザイン思考は課題解決策をイノベーションするための手法であるとともに、その過程を通し、取り組む人の人間力そのものを向上させることができるものでもある、と言えます。
次回のコラムでは創造性に焦点を当てます。お楽しみに!
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