「衛生委員会」とは? 気になる疑問を徹底解説 第2回
衛生委員会は、常時使用する労働者が50人以上の事業所で設置が義務付けられています。
労働者数がそろそろ50人を超えそうだ、という事業所の方は設立準備が必要です。
しかし、初めて衛生委員会を設立する場合、一体どんなことをすれば良いのか、
お悩みの方も多いのではないでしょうか。
第2回目は、衛生委員会の開催前に行うことと、委員会当日について解説します。
~衛生委員会の前に行うこと~
衛生委員会は月1回以上、就業時間内に実施します。
各参加者の予定を確認しながら日程を組んでいきましょう。
参加率向上のためにも「毎月第〇曜日×時~」と決めておくと各参加者のスケジュールが立てやすくなります。
衛生委員会のタイミングがばらばらだと、産業医の先生も予定が立てづらいことでしょう。
あらかじめ日時を決めておくことは、産業医の先生にとってもありがたいと思います。
産業医の先生が急な都合などで参加できなくなった場合、衛生委員会の次第に沿って健康講和の資料の確認や勤怠状況、メンタル不調・休職・復職者の報告などを事前に共有してもらい、代理で発表できるよう準備を進めるのも良いでしょう。
衛生委員会の日程が決まったら、年間計画の議事録や固定の議事録に合わせて必要な資料を集めましょう。
また、話し合いたい内容がある場合、協議内容や考えてもらいたいことを参加者へ事前に提示しておくと当日の意見交換が活発に運ぶ可能性があります。
~委員会当日~
委員会の開催時間
衛生委員会には、従業員代表も参加しています。
従業員側の意見も取り入れ、現場に即した改善案や対策がとれるよう話し合っていきたいですね。
衛生委員会はおおよそ1時間で実施している企業が多く、話し合う内容が少なければ30分に省略することもあるそうです。
産業医の訪問が月1回、1時間程度と制約がある場合には、30分を衛生委員会、残りの30分を過重労働者や高ストレス者、二次健診未受診者との面談に充てるといった対応をとる企業も多いようです。
産業医との契約上の制約もあるかと思います。
一番必要なところに産業医が介入できるよう、調整していきましょう。
進め方
司会進行役を決めるとスムーズに進められます。こちらは議長が担うことが多いようです。
前向きで建設的な話し合いを行うために、批判や威圧的な態度などは取らないよう、委員会を進める上での注意事項を周知・徹底しましょう。
企業も従業員も目指すゴールは一致しているはずです。
それぞれの状況・意見を集約させながらベストなルートを選択できるよう、議長が発言を促すといったサポートをしていきましょう。
本音が出ると、より現場に沿ったリアルな課題解決や環境改善に結びつきます。
次第を事前に共有しておくことも有効かもしれませんね。
以下に一般的な衛生委員会の次第(1時間)を載せます。
①前回の確認・報告(10分)
・産業医に指摘された職場環境改善の方法
②定例報告(20分)
・長時間労働に関すること(勤怠状況の報告や長時間労働者の面談など)
・職場巡視の報告(産業医より)
・メンタル不調・休職・復職者について(産業医より)
・労災報告、ヒヤリハットなどの共有やアクシデント報告、従業員からの要望など
(対策や予防策、社内ルールの改善なども行う)
③年間計画に関する審議(20分)
・実施状況と課題の抽出、次月の取り組みについて
(実施困難点・課題・達成度などの振り返り)
④産業医からのコメント(5分)
・健康講話やコメント・アドバイスなど
(産業医が参加できないときは事前に議題を共有し、助言をもらっておく)
⑤次回の議題確認と総括(5分)
・議長からのコメント(次回までに取り組むことについても再確認すると良い)
いかがでしたでしょうか。
今回は衛生委員会の開催前に行うことと、委員会当日について解説しました。
次回は衛生委員会実施後に行うことについて解説します。
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政門 那美(マサカド ナミ) メディフォン株式会社 産業看護師・第一種衛生管理者・健康経営アドバイザー
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