個人情報保護法のグローバル化はすぐそこに
近頃はAIやIOTといったテクノロジーがどの分野にも活用されるようになり、フィンテック(金融)やアグリティック(農業)といった造語を目にすることが多くなりました。個人情報では“レグテック(規制)”という言葉が該当します。
規制とテクノロジーを融合させた造語で、最新技術を活用し法令や規制に対して、手作業でやってきたものをデジタル化し、「データの共有化と標準化」を目指す技術といわれ、ビッグデータもこの中の一つといえます。
レグテックを進めなければならない理由の一つに、EU(欧州連合)で来年施行されるGDPR(一般データ保護規制)があります。
GDPR(General Data Protection Regulation)は、EUでの個人情報保護において、1980年の「OECD8原則」からはじまり、1995年「EUデータ保護指令」、そして「EUデータ保護規則」が採択され2018年5月25日に施行されるのがGDPRです。
日本で今年5月30日施行された個人情報保護法の改正も、GDPRを踏まえたものとなっています。
例えば、「個人識別符号」(身体の特徴のいずれかを電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、特定の個人を識別するに足りるもの)や、「外国にある第三者への提供」、そして「匿名加工情報」いわゆるビッグデータなど、これらはまさしくGDPRを意識して追加されたものですね。
また、今回の個人情報保護法改正の目玉として「過去6か月以内に5000件の個人情報を取扱う事業者」が撤廃されて「個人情報を取扱う全ての事業者」が対象となっているのも、GDPRが中小・零細企業、公的機関、地方自治体、非営利団体にも適用されるためではないでしょうか。
海外ばかりで、自分たちには関係ないと思っておられる方もいらっしゃると思いますが、私たち個人に関わるものがあります。それは「忘れられる権利(削除権)」です。日本でもグーグルやヤフーに対して個人が「検索結果に対する削除権」で訴訟を起こしています。
個人情報は、単なる情報という見方ではなく、グローバルな観点から捉えなければならない時代になってきたようです。
※GDPRについては、JETROの「EU 一般データ保護規則(GDPR)」に関わる実務ハンドブック(入門編)を参考にしています。どなたでもダウンロードができます。
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講師の経験と社長秘書の経験を生かし、組織が元気になるコミュニケーション研修、おもてなしの心を行動に表わすサービス接遇などの研修を行う講師です
企業様向け研修として”新入社員研修”、”管理職者向け研修”の他、福祉向けの研修として、介護・医療、保育園などの職員向け者向け接遇研修などを行う。通年講師歴18年のベテラン講師。
山本 真奈美(ヤマモト マナミ) インクレセント 代表
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