育成計画とビジョン、本人の指向性をリンクさせる重要性。

前回は「採用すべき人と入社させてはいけない人」の話をしていきました。
今回は採用した後の育成の段階に話をうつしていきましょう。
どれだけ優秀な人材を採用しても、そのまま放っておいては育ちません。
いかに短期間で優秀な人材に育ってもらうにはどういう育成をしていけばよいのでしょうか。
(1)「育てる」という概念を捨てる!
長く人材育成に携わっていて、実感として感じることが多くあります。
人は「育てよう」といくら思っても育ってはくれないということを理解してください。
本人が「成長したい」と思わない限り、絶対に人は育ちません。上司として出来ることは、
本人が「育ちたい=成長したい=変わりたい」と思うチャンス、
機会を出来るだけ多く作ってあげることしかないのです。
人が成長したと思う時は2つのタイミングがあります。
1つ目は、チャレンジして何かを成し遂げ、それが称賛されたとき、
そして2つ目は自分の言動が他者に対して影響を与え、それが感謝されたときです。
この2つの機会をたくさん作ってあげることがポイントです。
(2)どう成長してほしいか?よりも「どう成長したいか?」を優先させる
上司として、また経営者としてこんな人に育ってほしいという想いがあるのは分かります。
しかしそれを本人の指向を考えずに押し付けても、ほとんどのケースうまくいきません。
まずは彼らがどうありたいのか?という志向を明らかにしていきましょう。
その際に有益なのが各自の特性を伸ばす方法です。
人は短所を補う、もしくは短所を直すのは時間がかかる、もしくは不可能に近いです。
それよりも長所を伸ばす、特性を活かす、
ここに重点を置き、長所で短所をカバーする、という方法のほうがベターです。
事業策定、構築などでよく使われる強み弱み分析ですが、これを人にも活用することをお勧めします。
そしてその過程を本人と一緒に創り上げていくことで、
やらされた感なく納得性高く今後仕事に取り組んでくれます。
まず、ポストイット1枚1枚に、自分の強み、弱みを書いていきます。
グループで行うとなおベターですね。その際には彼、彼女の強み、
弱みを同じように1枚1枚に書いていってもらいます。
そしてそれをカテゴリー分けしていきます。
そうすることで、自分自身の強み、弱み、気付いていなかったことが見えてきます。
次にカテゴリー分けが出来たら、その強み弱みをどう伸ばしていくのか?どう克服していくのか?
弱みを強みに変えるにはどうしたらいいのか?という視点で掘り下げていきます。
ここで本人がどの方向性にいきたいのか?本人の指向性がだんだん明確になってきます。
ここで大事なポイントは「今」ではなく、その延長線上にある「未来」をしっかりと見ることです。
もちろん今の強み弱みをしっかりと理解することは大切ですが、そこに拘りすぎてもいけません。
そのを踏まえて、そしてその延長線上にある「未来」に目を向けさせます。
自分はどうありたいのか?どう成長を感じたいのか?
というワクワクするような未来像を彼らと一緒に作っていきましょう。
当然未来のことなので、企業理念やビジョン、戦略とも関わってきます。
その関わりをイメージしてもらうことがここでは最も重要になります。
(3)「個」と向き合うことを忘れずに!
彼らと向き合う時に忘れてはいけないのは、彼らの「個」を大切にする姿勢です。
仕事に対する意欲、ものごとの捉え方、何を大切に思っているのか、などをしっかりと捉えましょう。
実際社会人になると、これまでのものの捉え方や考え方のリセットが必要となることもあります。
しかしそれは、本人が「変わること」を受け入れることが大前提となります。
また、変えるべきポイントやスピード、方法は、個人差があります。
つまり、成長は本人の内面に発生することであり、そして個人差があるがゆえに、
教わる側に合わせることが不可欠であるということです。
学校という世界で最年長者だった新入社員は、
「社会では新人」と頭では理解していても、プライドもあります。
一方で、うまくやっていけるかといった不安も抱えています。
そして何より、これまでの教育から「自分を大切にする」ことも重視しています。
このような心理状態の中で、一方的な押しつけが進むと、
他責のマインドが醸成される危険があります。また、SNSを日常的に使う習慣のある新入社員は、
学生時代の仲間とのつながりが維持されたまま社会にデビューします。
不満・不安も、職場の先輩ではなく慣れ親しんだ友人に連絡するほうが心理的に楽です。
結果、未熟な観点や自分たちの価値観から、短絡的に判断してしまう危険もあります。
ですから彼らの「個」とその状態に合わせて関わっていくことが大切なのです。
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机上の空論ではなく、『現場で即使える!使って変化成長を実感できる!』をふんだんに盛り込んだ、『楽しく面白く笑いながら学ぶ』をメインコンセプトに、これまで100社以上で『成果の出る研修』を行ってきました。「共に汗を流す応援団」がモットー。
山口 しのぶ(ヤマグチ シノブ) 株式会社キャリアチアーズ 代表取締役

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