採用段階で見極めよう!採用すべき人と入社させてはいけない人。
新卒採用はポテンシャル、中途採用は即戦力、とも言いますが、会社は大きな夢を皆で実現するための組織です。基本的には乗せてはいけない人を船に乗せてはいけません。採用すべき人は企業理念に深く共感し、共に夢を描くことが出来る人です。
そして採用してはいけない人は、自己成長や自己主義のみを推し進める人です。と一般的に言いますが、なかなか面接段階でそこを見極めるのは非常に難しいですね。ただ実際には、自社にどういう人材が必要なのか、が具体的に明確になっていない企業が多いのも事実です。
ここでは自社にとってはどういう人が本当に欲しい人材なのか?を明らかにしていく方法をご紹介します。
(1)コンピテンシーとは何なのか?
コンピテンシーとは、「高い業績・成果を上げるための行動特性」のことを言います。要は、高い業績や成果を上げている行動には、必ずその行動を行うための背景・理由があります。この背景・理由を行うに至った思考のことをコンピテンシーと言います。採用段階では、これまでの人生においてその思考がどれほど見られたのか?を見極めていく必要があります。
(2)自社にはどんなコンピテンシーが必要なのか?
コンピテンシーとは、様々な評価システムや学者によってその種類は80種類とも100種類とも言われていますが、要は自社にとってどのコンピテンシーが重要なのか?をしっかりと議論し、優先順位を付けることが大事なポイントになってきます。出来れば3~5個くらいにまでコンピテンシーを絞り込んだ方がより分かりやすくなるでしょう。
ここでは一般的にその業種業態においても社会人として優秀な若手人材が持っている一般的なコンピテンシーの例を挙げておくので、是非自社での議論の参考にしてみてください。
・誠実/社内外問わず周囲の人に対して、嘘のない誠実な言動が出来る
・遵守/ルールや規則に対して真摯に向き合い遵守し、させることが出来る
・好感/TPOを踏まえることが出来、人に対して好感を与えることが出来る
・チームワーク/周囲と調和協力し、他者に対して積極的に働きかけることが出来る
・共感/他者の気持ちを推し量り、気にかけ、尊重することが出来る
・伝達/自分の伝えたいことを、相手に合わせて分かりやすく伝えることが出来る
・継続性/逆境や困難なことがあっても、逃げずに取り組み続けることが出来る
・創造力/どんなことにも広く興味を持ち、好奇心を持って取り組むことが出来る
・情報収集/必要な情報を多方面から収集し、客観的に捉えることが出来る
・成長意欲/自分自身の目標を高く持ち、そこに自主的に意欲的に取り組むことが出来る
・客観性/自分自身の今の状況を客観的に捉えることが出来る
・主体性/指示を待つのではなく、自分で考え自ら行動を起こすことが出来る
・タフ/強い精神力を持ち、集中力を持って継続することが出来る
・ストレスコントロール/パニックに陥らずプレッシャーとうまく付き合いながら成果を出すことが出来る
上記コンピテンシーを見ると、これだけ出来ればすごい人だ!と感じるのではないでしょうか?これが全て出来ている人はそうそういるものではありません。もし全て出来ている人が面接に来たら、即採用すべきですが、そういう逸材はそうそういないものです。ですから、すべてを満たす人を探すのではなく、自社において何が最も優先なのか?を絞り込んで明確にし、そのコンピテンシーがあるのかどうかを見極めるような面接をすることが重要です。
(3)コンピテンシーを見抜く面接の仕方とは?
まず、応募者は嘘をつきます。そして面接官はほとんどその嘘に騙されます。これはどれだけトレーニングを積んだ面接官であっても、100%見抜くことは不可能であることを覚えておいてください。しかし出来る限り、この嘘を見抜き優秀な人材を採用していきたいですよね。それにはどういう面接をすればこの嘘を見抜いていけるのでしょうか?
それは、未来のことではなく過去の行動を掘り下げて聴いていくことでしか見抜けません。
「当社に入社してどういう仕事がしたいですか?」
「当社のどういった点に魅力を感じて応募されましたか?」
この質問は面接では必ずと言っていいほど問う質問ですね。しかし、ほとんどのケース、この回答を応募者は事前に用意し、練習していきています。つまり、これは嘘がつけるわけです。応募者も当然ですが、受かりたいと思って面接に来ます。自分自身を良く見せたいという気持ちも働きます。
入社したい意欲が高ければ高いほど、どんどん嘘は見抜きにくくなっていきます。ですので、面接では将来のことを聴く志望動機や入社意欲を聴くのではなく、過去応募者がどのような行動を取って来ているのか、そしてそこにはどんな背景・理由があり、それを裏付ける思考はどういったものがあったのか?を聞いていきます。
「学生時代にどんなことに熱中し、そこであなたは具体的にどんな役割を果たしましたか?」
「前職での○○の実績において、その成果を出すためにあなたは具体的に何をしましたか?」
といったような具体的な質問を投げかけてみましょう。
そしてその返答に対して、また掘り下げて質問していき、本質を見抜いていきましょう。
ポイントは「具体的に」です。どんどん具体的に、例えばエピソードやその時の言動やセリフを掘り下げて聴いていくことが大切です。
一般的には1つの質問から20分くらい掘り下げて聴いていくと、この行動特性が見えるようになっていきます。
その際に重要なことは、応募者が言っていることに耳を傾け、否定せず、しっかりと聴き続けることです。いわゆる傾聴テクニックですね。この傾聴テクニックについてはまた別のコラムにてご紹介していきます。
- モチベーション・組織活性化
- リーダーシップ
- コーチング・ファシリテーション
- チームビルディング
- コミュニケーション
面白くなければ学べない!楽しく面白く!学びと気付きの多い研修を!
添削付宿題があるから、研修後も継続して成果が出る!
机上の空論ではなく、『現場で即使える!使って変化成長を実感できる!』をふんだんに盛り込んだ、『楽しく面白く笑いながら学ぶ』をメインコンセプトに、これまで100社以上で『成果の出る研修』を行ってきました。「共に汗を流す応援団」がモットー。
山口 しのぶ(ヤマグチ シノブ) 株式会社キャリアチアーズ 代表取締役

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