同一労働同一賃金ガイドライン案への対応
昨年の12月20日に、内閣官房によって設置された「働き方改革実現会議」から「同一労働同一賃金ガイドライン案」が公表されました。
当ガイドライン案は、現時点では法的拘束力はないものの、今後はガイドライン案の内容を踏まえて具体的な立法についても検討が行われていくことが予定されているとのことです。
内容については、正社員、非正規社員間の在り方に焦点をあてたものとなっていますが、雇用している全社員を対象に、改めて自社で当該ガイドライン案に照らし、整合性がとられているのかどうかについてチェックが必要ではないでしょうか。
【自己チェック】
具体的には、例えば正社員と非正規社員の賃金の差を説明するにあたり、雇用区分の差において「将来の期待役割が異なる」ことのみでは不十分であると指摘されています。賃金の決定基準やルールの違いについては、「職務の内容や配置・職務内容の変更範囲などの観点から不合理ではないこと」とされています。
また、「正社員」のカテゴリーの一つである「地域限定社員」と「全国転勤可である正社員」との間についてもチェックが必要でしょう。
正社員と非正規社員との間については、多様な働き方にも関連して雇用区分にも多様な区分があります。
上記地域限定正社員も含まれる「限定正社員」(地域や職務、時間など、なんらかが限定的である正社員(無期雇用))が挙げられます。さらに限定正社員は、有期雇用者の「無期転換」と関係するため、それぞれの位置づけの違いについては整理が必要になります。
また、有期雇用者には契約社員や嘱託社員、パート・アルバイトなどが含まれます。うち、嘱託社員には定年再雇用者が含まれます。
定年再雇用者については、定年前の業務と変わらないが給与は定年時の60%、と設定している企業もみられますが、これは同一労働同一賃金の観点からみた説明可能性について整理が必要になります。
このように、社員に対して多様なキャリアパス、働き方の選択肢を提示していくことで社員のロイヤリティ向上や、企業としての外部に対する魅力度向上に取り組んでいる企業にとっては、上記棚卸も早い段階で取り組むことを推奨します。
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事業会社人事の経験も踏まえ、表面的な仕組みではなく、機能する仕組みの導入、定着をご支援します。
大手総合電機メーカーの人事業務に従事した後、シンクタンク系コンサルティングファームを経て現職。
人事制度の設計・運用支援を専門とし、タレントマネジメント、チェンジマネジメント等人事領域全般におけるコンサルティングに従事している。
上野 晃(ウエノ アキラ) EYアドバイザリー株式会社 マネージャー
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