多様なチームで振り返る仕組み「KPT」
多様性を活かしたチームの振り返り
多忙な中、次々と流れ込んでくる業務について、1つ終わればすぐに次の業務をこなすことになりがちではないでしょうか?
しかしながら、振り返りなくしては成長も業務の改善も生まれません。そこで、1on1ミーティングなどを通じて上司とのフィードバック、振り返りの機会をもつ会社が増えてきました。
ここでさらに一歩進めて、チーム全体の振り返りをできれば、大きな成長が望めるのですが、チーム会議で振り返りを実施しても一部の人の意見のみでなかなか全体で振り返ることはできていないのではないでしょうか?
多様な考え方、価値観を持ち、実施に現場の情報をもつチームのメンバー全員の意見、アイデアを振り返りに繁栄できれば、より大きな成長や改善につながります。
多様なチームで振り返る仕組み「KPT」
そこで、チーム全員で振り返る方法として、「KPT」と呼ばれる方法がお勧めです。
KPTは "Keep" "Problem" "Try"の頭文字を取ったものです。
Keep:続けたいこと、良いこと
Problem:問題点、やめたいこと
Try:新たに取り組みたいこと、挑戦したいこと
これら3つについて、チームメンバーで議論しながら振り返る方法がKPTです。
KPTの手順
①テーマ責任者が事実情報を共有
②Keep、Problemを各自が考え付箋に記入する
③上記の付箋を壁に貼り、全員で共有
④Tryを各自が考え、付箋に記入する
⑤上記の付箋を壁に貼り、全員で共有
⑥Tryの中から実際に実行するものを選ぶ
意外と忘れられがちなのですが、事実共有がなければ感覚的な議論に陥ってしまうことがあります。ただし、あくまで客観的な数字などの事実のみで発表者の意見や考察はいれてはいけません。
その上で各自がK、Pを考えます。ここで大切なことは各自で考えること、付箋に記入することであり、いきなり議論をはじめてはいけません。なぜなら、上司や他人が言った意見やアイデアと違うことを部下は出しにくいですが、各自が議論の前に付箋に書き出すことで率直な意見を言い合えるようになります。また、付箋に書いたことを共有する際も部下側から話はじめるようにしましょう。ここでの共有はただ付箋に書いてあることを読むのではなく、その意見の背景や理由についても話し合いましょう。
もう一つ大切なことはいきなりTryを考え出さないことです。他の人のK、Pを聞いたうえでTryを考えはじめることで、自分だけでは思いつかなかった意見やアイデアが出るからです。
KPTを進める上でのルール
このような手順で進める中で、いくつかのルールがあります。
・できるだけ早く振り返りを行うこと(記憶が鮮明なため)
・問題解決に集中 責任追及はダメ(○○さんが何をしなかったなどの否定はNG)
・発表数が多すぎる、少なすぎる人がいる場合は、リーダーが調整し一応に話させること
チーム全員ができるだけ等しく話せる機会を作ることで、より多くの観点から洞察を得ることができ、快適な雰囲気を作り出すことができます。対立する意見もかならず大歓迎してください。
その結果、多くのTryが出てくることになるでしょう。しかしながら、実際に取り組むことができることは限られています。ここについてもチームで議論して結論が出すことが望ましいです。しかしながら、必ずしも全員一致で絞り込めるわけではないです。その場合に、単純に多数決で決めてはいけません。絞り込む決断をすることはリーダーの責任であり、多数決で物事がすべて決めるのであれば、リーダーは不要です。たとえ賛成少数でもリーダーは決めなければなりません。
チームで振り返ることで、チーム全員の多様性を成長に活かせますので、ぜひKPTに取り組んでみてください。
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【目的に向かって組織の力をタバネル】
組織マネジメント、OKR導入コンサルタント
著書「本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR」
ファッション・化粧品メーカー、コンサルティング企業などで勤務。取締役として最大 170 人の組織マネジメントに携わる。 自らのマネジメントと他組織のコンサルティグを経て、組織の力を束ねる目標管理「OKR」導入コンサルティングを行っています。
奥田和広(オクダカズヒロ) 株式会社タバネル 代表取締役
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