OKRとは?導入前に知っておくべきポイント①ムーンショット
多くの成長企業が採用している目標管理『OKR(Objectives and Key Results)』の注目度が上がっています。
どのような効果を生むのかについて、OKRをGoogleに紹介したジョン・ドーアは、OKRの意義を以下のように定義しています。
”OKRはみなさんの最も重要な目標を明確にする。全員の努力のベクトルを合わせ、協力させる。組織全体に目的意識と連帯感をもたらし、多様な活動を結びつける。”
出典:Measure What Matters(メジャー・ホワット・マターズ)伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR
成長企業に採用されているOKRが組織を強くし、成長を加速させる理由にはいくつかのポイントがあります。
その一つがムーンショットです。
ムーンショットとは「もっともっと上へ」
第二次世界大戦以降、アメリカとソビエト連邦が様々な分野で競い合っており、宇宙に関する開発競争も激しさを増す中、アメリカが先に有人月面着陸を成功させました。
この成功の最大要因は何かご存知でしょうか?
1961年5月、ジョン・F・ケネディ大統領が
『10年以内に月面に人類を着陸させ無事に地球に帰還させる』
と目標を設定し、宣言したことと言われています。
アポロ計画と言われるこの計画は、当時の常識、技術レベルからは非常にかけ離れた壮大で困難な目標でした。しかし、実際には8年後にこの目標は達成されました。
このことから、未来から逆算して立てられた、斬新な、困難だが実現すれば大きなインパクトをもたらす壮大な課題、挑戦のことを「ムーンショット」と呼ばれるようになりました。
ムーンショットのマネジメントへの活用例では、Googleの「10%ではなく、10倍大きく考えよ」が有名です。
OKRの設定において、現実的な目標(10%)ではなく、挑戦的な目標(10倍)を設定することは非常に重要なポイントです。
ムーンショット発想でOKRを設定し、もっともっと上へと目指すことこが、GoogleをはじめとしたOKR導入企業が急成長を遂げた一因と言えるでしょう。
OKRをムーンショットで考えるべき理由
①大胆な解決策、手段が生まれる
改善や頑張りでは到底届かない目標を設定することで、視点が高くなります。そのため、そもそもの前提条件を見直したり、無謀、無知とも一見思える斬新なアイデアが生まれやすくなります。
②ゲームチェンジャーになれる
ムーンショットで設定することで、既成概念、ルールの枠を超えた思考になるになるため、それまでの業界の競争構造を変えしまう機会が生まれます。
③組織に一体感が生まれる
組織には内向きの仕事や争いが起こるものですが、困難で挑戦的な共通の目的、目標を持つと方向性がまとまり、内向きの問題への関心は薄れるため、組織に一体感が生まれます。
④手抜きが起こらない
例えば月末の5日前に目標を達成してしまがうとその月は手を抜いてしまうことがあります。しかしながら、簡単には到達できない高い目標であればそのような手抜きは起こりません。
ムーンショットで部下を動かすリーダーの心得
ムーンショット発想の挑戦的な高いOKRを設定するだけでは、組織が成長することは難しいです。
特に部下は挑戦的な高い目標に委縮したり、なかなか達成できないことに不安を覚えたりすることがあります。
リーダーはまず「部下と信頼関係を築く」ことが大事です。高い目標を部下に押し付けるのではなく、信頼して任せる姿勢を意識することが必要です。
そのうえで、なかなか達成が難しいOKRを運用する中では達成できない中でも、進捗や成長に対して「部下を承認する」ことで鼓舞することが必要です。
そして、高い目標を押し付けたり丸投げするんではなく、組織として達成を目指すために「部下を支援する」状態であることを部下と共有し、実際に困難に直面しているときは一緒に解決すべく支援しましょう。
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【目的に向かって組織の力をタバネル】
組織マネジメント、OKR導入コンサルタント
著書「本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR」
ファッション・化粧品メーカー、コンサルティング企業などで勤務。取締役として最大 170 人の組織マネジメントに携わる。 自らのマネジメントと他組織のコンサルティグを経て、組織の力を束ねる目標管理「OKR」導入コンサルティングを行っています。
奥田和広(オクダカズヒロ) 株式会社タバネル 代表取締役
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