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英語研修とお味噌汁の関係 1

私はよく英語研修の参加者向けのセミナーに登壇させていただくのですが、その際に、効果的な学習方法を聞かれることがあります。

「世の中には様々な英語学習法があり、どれを選べば最短で英語を習得できるのか。」

そのようなことが気になるのは自然なことだと思います。
でも、どれが最も効果的かと問われれば、「時と場合による」と答えます。
学習のやり方の最適解は、現在の英語力や現在の英語の苦手分野、本人の性格やライフスタイルなどによって一人一人異なるのです。

 

でもそれでは質問者の方は満足しないので、セミナー本編では、上達するための方法ではなく、上達のための具体的な「条件」についてお話ししています。


上達の条件を満たしていないのに効果的な学習法を模索するのは、
出汁をとっていないのに地方に埋もれたおいしい味噌を探そうとするのと同じです。

 

どんな秘蔵の味噌を見つけたとしても、美味しい味噌汁はできないのです。
逆に言えば、出汁をちゃんと取りさえすれば、どんな味噌を入れてもある程度の味噌汁はできてしまうのです。

では英語学習における出汁とは何かと言うと、英語に触れたり、話したりする生活習慣付けの一点に尽きます。
英語に限らず、どの言語も、習得するには膨大な言語使用経験を要します。
実際に、外国語運用能力の国際標準であるCEFRでは、初心者が初級者、初級者が中級者、といった具合に
1段階習熟度が上がるには、その時々の適切な学習をして過ごした時間が最低200時間ずつ必要、としています。

 

たとえば、週1回1時間英会話レッスンを受けるだけでは、
1年で52時間の英語使用経験の蓄積にしかならず、
初心者が初級者に、初級者が中級者になるのに4年以上かかってしまう計算になります。

 

このようなペースでは上達実感は極めて薄く、4年も経つ前に、
「全然上達している気がしない。自分は向いていないのかもしれない」と諦めてしまうのは火を見るより明らかです。
英語に向いていないのではなく、英語を使う頻度・分量が足りないのです。
出汁を取るという最低限のことができていないのです。

 

弊社ビズメイツでは過去の受講データや受講生へのアンケート結果を照らし合わせることで、
週4回以上(2日に1回より頻繁)のペースで英会話レッスンを受講した受講生の方が、
そうでない受講生に比べ著しく上達実感を得やすい傾向が認められているため、
研修を導入される企業様には週4回以上の「目標受講率」を研修参加者に課すようお勧めしています。

 

1回あたりの英会話レッスン時間が25分なので、一日あたりの英語習得時間を予習復習含め1時間とすると、
6ヶ月で約100時間の英語使用経験の蓄積=CEFR1レベルアップの最低必要量の半分が獲得できます。
1年でちょうどCEFR1レベルアップが見込める英語使用経験が蓄積できるのです。

1年経ち、「そういえば英会話を始めた当初に比べてけっこう話せるようになったな」という状況に至るのは必然です。
ちゃんと出汁をとっていますからね!

 

世の中には各種e-Learning、英会話レッスン、弊社が提供するようなビジネス特化の英会話レッスンといったツールが存在します。
もし目標受講率を設定し、習慣化の重要性を研修参加者にきちんと説いても受講頻度が高く保てない場合、それは、与えているツールが適切でないのかもしれません。

 

「英語を使って業務対応できるようになる」という味噌汁を作ろうとしているのに、
出汁に投入しているのは味噌ではなく、味噌風味の何かなのかもしれません。

そこで次回は、研修の目的に合った味噌を選ぶことについてお話しします。

 

…続きはまた次回のコラムで!

  • モチベーション・組織活性化
  • キャリア開発
  • グローバル
  • リーダーシップ
  • 語学

日本のビジネスパーソンに圧倒的に支持される、ビジネス特化型オンライン英会話

大手英会話スクールで英語教師として10年勤めた後に、同社や出向先の大学院で英語コミュニケーションコースのカリキュラムと教材開発を担当。
その他、著書として理系英会話アクティブラーニング書を二冊出版。

竹原 悠介(タケハラ ユウスケ) ビズメイツ株式会社 プロダクトスペシャリスト

竹原 悠介
対応エリア 全国
所在地 千代田区 

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