10フレーズ暗記より1フレーズ実践
平面的な英語学習と立体的な英語経験
以前、弊社の課題解決型海外研修に参加された、大手情報サービス企業にお勤めの女性の方がいらっしゃいました。
英語漬けだった一週間の研修終了後に行ったインタビューで彼女が述べた感想が英語習得の本質をついていたことが、
今でも強く印象に残っています。
研修の内容は、フィリピンに飛び、現地のフィリピン人従業員数名と、
他社から参加する日本人ビジネスパーソン数名と多国籍チームを組み、終日英語オンリーのルールの元、
毎日異なるビジネス課題に取り組む、といったものでした。
朝一番にその日のミッションを言い渡され、チーム分けをし、まずは課題達成に向けた方針を議論します。
その日の計画を立て、市場調査目的のフィールドワークを実施し、
資料作成とプレゼン練習をした上で夕方のプレゼン大会に挑みます。
そんなハードスケジュールの中で英語を使っているうちに、彼女(Aさんとします)はあることに気づいたそうです。
「初日は、Aさんを含め英語での業務経験が乏しい参加者が多く、みんな戸惑っていました。
打ち合わせ中は『正しい英語を話さないと』という意識から、ひとつ発言するのに何分も要してしまっていました。
でも、その日のうちに成果を形にしなければならないことや、
チームメンバーを待たせてしまう罪悪感からか、だんだん間違いを気にするより、
自分の考えをタイムリーに伝えることのほうが大事なことに気づいていきました。
とにかく話を前に進めないと間に合わないんです。
外国語を使って仕事をするって、もしかしたらこういうことか、と思いました。
打ち合わせを重ねていくうちに、フィリピン人の同僚役の方や、
他の参加者の方がよく使うフレーズや単語があることに気づきました。
英語学習は好きなほうなのですが、単語帳とかを眺めている時は、
全ての単語やフレーズが、こう、平面的な情報として提示されてくるんです。
それぞれの重要度はよくわかりません。
ところが英語のミーティングでは、実際によく使うフレーズや単語が、
こう、立体的に浮き出るんです。それら浮き出てきた英語を、ひたすら真似しました。
そうしたら私にもなんとかチームに貢献することができたんです。
一週間もこんな感じで英語の会議やプレゼンを繰り返していたら、いつのまにか、
その場その場に適した英語が口をついて出てくるようになっていました。」
10フレーズ暗記より1フレーズ実践
たとえ座学で10フレーズを平面的に学んだとしても、それぞれのフレーズの使い所や、
失礼に聞こえないイントネーションなど、適切に使うために必要なさまざまな情報が欠如している状態ですから、結局本番では口から出てきません。
他者が実際に使っている場面を見て、実際の会話の中で真似てみて、相手の反応を見て、
使い所がイメージと相違なかったか確かめる、といった経験を積み重ねることで、感覚的に使えるフレーズ、
ひいては英語を使って「普通にできること」が増えていくのです。
使い方のわからないフレーズを10増やすより、使った経験のあるフレーズを1つ増やす。
英語を使ってビジネスができる自己啓発・人材育成の基本マインドセットの一つです。
…続きはまた次回のコラムで!
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日本のビジネスパーソンに圧倒的に支持される、ビジネス特化型オンライン英会話
大手英会話スクールで英語教師として10年勤めた後に、同社や出向先の大学院で英語コミュニケーションコースのカリキュラムと教材開発を担当。
その他、著書として理系英会話アクティブラーニング書を二冊出版。
竹原 悠介(タケハラ ユウスケ) ビズメイツ株式会社 プロダクトスペシャリスト
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