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インストラクションデザインを活用した問題解決力研修の組立て方

今日は、問題解決力研修の効果を高めるための研修の組み立て方についてお話していきたいと思います。

一般的な問題解決研修の流れ

(1)講義・・・問題解決の基本的な考え方を学ぶ。
(2)ミニワーク・・・学んだ考え方を練習するための基礎練習を行う。
(3)総合ワーク・・・実践的に活用するための応用演習を行う。

研修テーマに応じて(1)(2)(3)の繰り返しを行う。

この特徴は、こう表現することができます。

・基礎(部分学習)から応用(統合学習)へ

問題解決を始めて学ぶ方にとってみると、
徐々に理解できるとても良い方法であるように思われます。

ただし、本当にこれが一番良い方法なのでしょうか?

様々な研修を企画運営する中で、敢えてこの方法に対して批判的なコメントをしたいと思います。

・基礎で学んだことを応用で活かせるような設計になっているのか?
例えば、基礎学習でツリーのつくり方を学ぶが、応用編になるとあまり使わないのではないか?
・部分学習から統合学習に進んでいくが、その内容はつながっているか?統合学習になるときに、いきなり難易度が上がってしまうことはないか?
・基礎(部分学習)に関しては受講生はしっかりと取り組むことができるが、応用(統合学習)になるとアウトプットの質が上がってこないことはないか?

そこで、今回はインストラクションデザインの考え方を参考にして、
問題解決研修の組み立て方を見直してみたいと思います。

インストラクションデザインの第一原則 「5つ星インストラクション」

インストラクションデザインとは、学習効果を高めるための方法論です。
その第一原則に「5つ星インストラクション」という考え方があります。

教育効果を高めるために、授業を5つのステップで進めることが提案されています。

1.課題・・・実際に起きている総合(応用)ケースを提示する
2.活性化・・・学生に取り組んでもらう
3.例示・・・答え(サンプル)を提示する
4.応用・・・別のケースに取り組んでもらう
5.統合・・・実際に現場で活用できる機会を提示する

これを見て、皆さんはどう感じただろうか?
現在実施している研修の流れと大きく違うと感じた方もいるかもしれない。

・応用(統合学習)から基礎(部分学習)へ

この方法を実践することで、受講生は最初の段階から実務への活用をイメージしながら学ぶことが出来ます。
活用イメージを持てることで、基礎学習がなぜ必要なのかも理解できます。
このように、問題解決力研修の組み立て方にはまだまだ改善の余地があると言えます。

問題解決研修の学習効果を上げる難しさ 

その大きな理由は、応用ケースを作る難しさや負荷の重さがあります。
基礎学習については、そのワークだけで完結すればよく、
作成者の負担は少なく、ある程度の知識があれば作成することが出来ます。

一方で、応用ケースは、受講生にリアリティを持って取り組んでもらう必要があり、
そのための知識やコツが必要になってきます。作成者の労力も大きくなります。
しかし、適切な応用ケースの作成ができなければ、問題解決学習の効果を生み出すことは難しい。

会社の知識伝承のために「ケーススタディ作成」を社内で行うのはどうか?

応用ケース作成とは、まさに現実で起きた内容をケーススタディにすることであり、
これまでの実務経験が生きてくる分野です。

弊社では、クライアント企業からのヒアリングを通じて応用ケースを作成することが多いが、
このような取り組みを研修会社だけでなく、事業会社においても実施できるようになれば、
多くの企業の問題解決能力を高めるだけでなく、知識伝承の一助になるのではないか。

例えば、会社のミドル・シニア層の知識伝承を行うために、
彼らの経験や知恵をケーススタディとして残す手が考えられる。

もちろんそれは簡単ではないが、
会社の中の暗黙知を形として残す手段として大きな可能性があると思います。

今日は、インストラクションデザインの考えを活用した「問題解決力研修」の組み立て方について
お話させていただきました!

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  • ロジカルシンキング・課題解決
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和田 史子(ワダ フミコ) 株式会社スキルベース 代表取締役

和田 史子
対応エリア 全国
所在地 文京区

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