漠然とした「DX人材」を読み解くためのデジタルスキル標準2
DX人材のスキルを定義している「デジタルスキル標準」は、すべてのビジネスパーソンが身につけるべき基本スキルを定義している「DXリテラシー標準」と、DX人材の役割ごとに必要なスキルを定義した「DX推進スキル標準」で構成されています。
前回のコラムでは「DXリテラシー標準」について触れました。今回は「DX推進スキル標準」について触れていきたいと思います。
DX人材の役割ごとのスキル「DX推進スキル標準」
一口にDX人材といっても、DX化プロジェクトを推進する役割から、実際にシステムを構築する役割まで多岐にわたり、当然ながらそれぞれに求められるスキルは異なります。
DX推進スキル標準では、DX人材を大きく5つのタイプに大別。さらに、各タイプごとに2~4の役割(ロール)に分類し、役割ごとに求められるスキルセットを定義しています。
たとえば、この図は「データ活用」のカテゴリで定義されているスキルです。
重要度が[a]や[b]のスキルは、実際にプログラムを書くなど一定以上の専門的なスキルが求められるのに対し、[c]や[d]は説明できるレベルの知識の理解、あるいは技術の位置づけだけ知っていれば十分で、専門スキルは求められません。
図のスキルは「データサイエンスプロフェッショナル」の職種のものですが、この職種の場合は「AI・データサイエンス」や「データ・AIの戦略的活用」は一定のスキルが必要なのに対し、「データエンジニアリング」については説明できる程度の知識があれば事足ります。
「データサイエンスのプロフェッショナルなのに、データ基盤の設計や実装ができなくていいのか」と疑問に思うかもしれませんが、この部分は「データエンジニア」という別の役割が担う領域になります。
ちなみに、「データサイエンスプロフェッショナル」と「データエンジニアリング」の役割については次のように定義されています。
- データサイエンスプロフェッショナル
データの処理や解析を通じて、顧客価値を拡大する業務の変革やビジネスの創出につながる有意義な知見を導出する - データエンジニア
効果的なデータ分析環境の設計・実装・運用を通じて、顧客価値を拡大する業務変革やビジネス創出を実現する
このように、デジタルスキル標準を読み解くと、漠然としていたDX人材の定義や学習するべきスキルが見えてきます。インターネット・アカデミーでは、デジタルスキル標準のDX人材育成についてのご相談や、ご提案なども承っていますので、お気軽にご相談ください。
- 資格取得
- 情報システム・IT関連
幅広い分野のIT知識をもつ講師
大手企業研修をはじめ、神奈川工科大学での講演など産学連携活動にも従事。さまざまな企業や業界団体と共同でIT人材を育成するIT分野のゼネラリスト。ECHONET2.0技術セミナーWGの委員。
有村 克己(アリムラカツミ) インターネット・アカデミー株式会社 講師
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